シリーズ 最後の巨大市場 アフリカの攻防②元JICA職員がケニアの若者とともに“日の丸スタートアップ”で奮闘中!
- ケニア在住の元JICA職員永井健太郎さんが立ち上げた「Afri-inc」社
- ケニアの企業向けに従業員の業務管理や商品の受注管理システムを開発
- 電子マネーやウーバーなどインフラが整うケニアで若い世代と奮闘中
若者たちと奮闘する「日の丸スタートアップ」
フジテレビ開局60周年特別企画。
「シリコン・サバンナ」と呼ばれ、残された最後の巨大市場・アフリカの中で急成長しているケニアについてシリーズで放送する。
赤道直下、アフリカ・ケニアで奮闘する日の丸スタートアップ企業の動きに注目した。
ケニアの首都ナイロビ市内のオフィスビル。
「iHub」と呼ばれるこのシェアオフィスは、最先端のネット環境が整っていて、若い世代の起業家を中心に約200人がビジネスの拠点として、また情報共有の場として利用している。
iHub利用者:
わたしは、AI(人工知能)をイベントやショーを通じて広める仕事をしています
iHub利用者:
ここでは、たくさんの人たちと交流する機会がある。このコミュニティーの一員であれば、ほかのチームが提供している人材や情報源を使うことができるのが最大のメリットです
高い伸びを見せる情報通信分野
近年、経済的に急成長しているケニアで特に高い伸びを示しているのが、情報通信分野だ。ケニアの2017年情報通信業の実質GDP成長率は11.0%と、例えば製造業の0.2%に比べ顕著な伸びを示している
ケニアでは毎年、多くのスタートアップ企業が誕生しているが、その中には、現地で暮らす日本人が立ち上げた企業もある。
日本人がケニアで起業した会社の事務所が入居するナイロビ市内にあるオフィスビルを訪ねた。
3年前に元JICA(国際協力機構)の職員・永井健太郎さん(38)が立ち上げた「Afri-inc」社。
主にケニアの企業向けに、従業員の業務管理や商品の受注管理ができるシステムの開発を行っている。
電子マネーやウーバーなどインフラが整うケニア
ケニアに感じたビジネスの可能性について「Afri-inc」の永井健太郎社長に聞いた。
永井健太郎社長:
1つは、東アフリカの地域の中でいうと、ケニアが一番大きな経済を持っている。もう1つはM-PESA(電子マネー)であるとか、移動手段としてウーバーがあるとかインフラ基盤が非常に優れているので、それを使ってビジネスがやりやすい
マサイもスマホを持つほどネットの普及が進んでいるケニアだが、一方でソフトの開発の部分では、まだ発展途上であることに可能性を感じ、ケニアでの起業を決意した。
設立から3年がたち、永井さんの会社では、現在11人のケニア人スタッフが働いていて、順調に業績を伸ばしている。
ケニア人スタッフ(25):
わたしの役割は、さまざまな業務のサポートです。働く環境はとてもいいし、経営者との関係も良好です
この日、永井さんはウーバーを使って、ケニア人のスタッフと取引先へ。
ただ幹線道路から1本横道に入れば、道路は舗装もなくガタガタ…
東アフリカでは比較的インフラ整備は進んでいるとはいえ、まだまだ追いついていないのも実情だ。
2人が到着したのは、ナイロビ市内にある文房具の製造会社。
現在利用しているソフトの改善点などを話し合うため、早速打ち合わせを始めるが、永井さんは、自分はあまり発言せず、隣のケニア人スタッフに発言するよう促す。
ケニアの若者たちに大きな可能性
若い世代の人口が、高齢者に比べて圧倒的に多いケニア。
永井さんは、そんなケニアの若者たちに大きな可能性を感じている。
永井健太郎社長:
ケニアの平均年齢は多分、10~20代とか若い人が多いので、ある程度新しい変化に対しての適応性が高いと思う。現地の人たちと一緒にやることで、いろんなトライアルのスピードが加速される可能性が高いと思う
そんな永井さんについて、ケニア人のスタッフは...
28歳のスタッフ:
社長は優れたビジョンを持っている。リーダーとして優れた資質をね
25歳のスタッフ:
社長は、まず人の考え方を理解することに熱心で、その次に会社のことを考える。とても協調性があり、会社もそうです
赤道直下のケニアで、若者たちと奮闘する「日の丸スタートアップ」。
急成長する経済を背景に、今後もさらに飛躍するとみられる。
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(「プライムニュース α」3月26日放送分)