“禁断の果実”に手を付けた「1%政党」 パーティーに見た国民民主党の未来は「歓喜の歌」か「落ち武者」か

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  • 支持率が「低位安定」国民民主党
  • 11年ぶりパーティーの狙いと誤算
  • 参院選へ「新しい答え」はつくりだせるか

支持率「低空飛行」の国民民主党

またも1%に満たなかった。

FNNが3月16日と17日に行った世論調査で、国民民主党の支持率は0.9%だった。ちなみに、前回2月の調査は0.8%。誤差の範囲ともいえるが、わずかに支持率が上がっても0.9%というのがかえって物悲しい。

去年5月、旧・希望の党の大部分が民進党に合流する形で誕生した国民民主党だが、結党以来、支持率が1%前後の「低空飛行」が続き、野党第一党の立憲民主党に存在感で後れをとっている。

知名度アップへ“自虐ネタ”“コスプレ”も

こうした状況を打破しようと国民民主党は、あの手この手で知名度の向上を狙ってきた。

玉木代表は去年7月、「永田町のユーチューバー」を目指し、動画投稿サイトYouTubeに「たまきチャンネル」を開設。街頭で「私を知っていますか」と聞いて回るという政党の党首として異例のアンケートインタビューを敢行したが、41人中30人が「知らない」と回答し、玉木代表の顔には苦笑が浮かんだ。

政党CMに戦国武将のコスプレで登場した国民民主党の玉木代表

2月には、玉木代表が戦国武将に扮し、党のキャッチフレーズ「つくろう、新しい答え。」をアピールする政党CMを制作・公開した。この中では、玉木代表が、同じく”武将コスプレ“をした古川代表代行、田名部副代表とともに、合戦場の陣幕の中、床几に腰かけて政策を語り合うという独特な世界観が一部で話題を呼んだ。

しかし、「戦国の世は裏切りが常」というわけでもないだろうが、藤田幸久参院議員が離党し立憲民主党入りするなど、苦境は続いている。

パーティー開催…狙いと誤算

そんな国民民主党が14日夜、約2000人を東京都内のホテルに集め、党主催の政治資金パーティーを開催した。

国民民主党となってからのパーティー開催は初めてのことで、前身の民主党・民進党時代を含めても約11年ぶり。統一地方選や参院選を控え、活動資金を調達すると同時に、企業や団体に対して結束をアピールするのが狙いだ。

冒頭、会場内に響き渡ったのは、ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章「歓喜の歌」。その後、“武将コスプレ”の動画が大々的に流れた。

そして壇上に立った玉木代表は、「支持率1%の野党第二党のパーティーに来るのは相当、勇気のある方か、奇特な方、あるいは先見の明がある方だ」と得意の“自虐ネタ”を炸裂させた。そのうえで、「新しい政治を担う核となるのが国民民主党だ」と高らかに宣言し「もう一度政権を取りたい」と力強く訴えた。

来賓として招かれた自由党・小沢代表

ただ、このパーティーで複雑な立場だったのは、来賓として招かれた自由党・小沢代表だろう。国民民主党の執行部内には、自由党との合流に向けた手続きをこの日までに終えて、パーティーを両党合流の「お披露目の場」とする目論見もあった。しかし、党内に慎重論が根強くあったため、合流は間に合わなかった。

“禁断の果実”小沢氏への期待と不安

自由党の議員数は衆参あわせてわずか6人。支持率は0.5%で、国民民主党の支持率と単純に足し合わせても1.4%にしかならない。

それでも国民民主党が自由党との合流を目指すのは、野党勢力の再結集に向けた第一歩と位置付けているのと同時に、かつて「剛腕」ともいわれた小沢氏の手腕によって、再結集の動きを加速させることへの期待感があるようだ。

一方で、小沢氏は過去に、新進党、旧自由党、そして民主党を、次々と分裂させたことから、「政界の壊し屋」とも呼ばれている。国民・自由両党の合流の方向性が明らかになった際には、他の野党から「国民民主党は小沢一郎という“禁断の果実”に手をつけた」との声も聞こえた。

支持率低迷を打開できない中、自由党との合流に向けて踏み切った国民民主党。執行部は、党内の反発に対し、丁寧に議論を重ねて理解を得たい考えだが、調整に失敗すれば、玉木代表の求心力の低下は免れないとの見方が強まっている。

絶対に負けられない参院選

目下の国民民主党は、統一地方選に自由党との合流が果たせないまま突入することになっただけでなく、夏の参院選までに、離党者を出さず自由党と「円満」な合流を実現できるかも不透明な情勢だ。また、支持率が低迷したまま参院選を迎えれば、野党の選挙協力があったとしても、苦しい戦いを余儀なくされるだろう。

関係者は「参院選で惨敗するようなら大変なことになる。離党の動きに拍車がかかるだろうし、崩壊の危機だ」と囁いている。参院選は、いわば党の存亡を賭けての戦いとなりそうだ。

支持率こそ伸びないものの、「つくろう、新しい答え。」を標ぼうする国民民主党には、政策提言に積極的で、実のある国会審議に尽力する議員は非常に多い。その長所を生かすためには、参院選で勢力を維持、あるいは伸ばすことが不可欠だ。

勝利をつかみとり「歓喜の歌」を響き渡らせることができるのか、敗北し「落ち武者」の如く散ることになってしまうのか。ちなみに、小沢氏を中心に結党大会で「歓喜の歌」を高らかに歌い旗揚げした新進党は、選挙で伸び悩んだ末の内部対立により3年で崩壊してしまった。国民民主党の“命運”を賭けた参院選はあと4カ月に迫っている。

【執筆:フジテレビ政治部 野党担当キャップ 古屋宗弥】

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