【アポ電 強盗殺人】容疑者3人は大きなグループの実行部隊? 元刑事に聞く被害を防ぐ方法

カテゴリ:国内

  • “アポ電”強盗殺人容疑で男3人を逮捕 複数の防犯カメラを追跡して特定
  • 「逮捕された3人は大きな組織の末端では」強盗詐欺グループの組織図
  • 14日午前中だけで24件の“アポ電”確認…被害を防ぐために必要なのは?

複数の防犯カメラを追跡し 容疑者3人を特定

2月28日に東京・江東区で80歳の女性が殺害された、いわゆる“アポ電”強盗殺人事件。3月13日、強盗殺人などの容疑で3人の男が逮捕された。

被害女性のマンションの防犯カメラには、黒ずくめの男が順番に建物に入る姿や所沢ナンバーの車に乗って走り去る姿が写っていたという。警視庁は、その車が写った防犯カメラを徹底的に追跡し、容疑者の3人が浮上した。

【警察の捜査】
・車は神奈川県方面に逃走したことが分かった
・3人の男が途中で服を着替えていることを確認
・さらに神奈川県内で車の目撃情報も

そして、事件発生から約2週間が経過した13日、土木作業員の小松園竜飛容疑者(27)、ともに住所不定で無職の須江拓貴容疑者(22)と酒井佑太容疑者(22)の3人の容疑者が逮捕された。調べに対し3人は容疑を否認しているという。

「直撃LIVEグッディ!」では、元警視庁刑事の吉川祐二さんをゲストに迎え、事件の詳細について検証した。

広瀬修一フィールドキャスター:
この防犯カメラを追った捜査は、以前にも行われた方法なんですよね?

吉川祐二氏:
昨年ありましたハロウィンの事件の時も、警視庁のSSBCという部署が動いて犯人の特定につながりました。

安藤優子:
SSBCとは?

吉川祐二氏:
捜査支援分析センター」という所で、そこでは防犯カメラの映像を分析・解析をします。防犯カメラは一定点にある“点”ですが、それを“線”でつないでいくことによって、犯人の動きがわかるということです。今回もその方法が取られていると思います。


吉川さんは、今回逮捕された3人の関係性に注目した。

容疑者の2人は同級生「非行少年の集団などに声を掛けているのでは」

【容疑者3人の関係性】
・須江容疑者と酒井容疑者は長野県出身の同級生
・2人と小松園容疑者とのつながりは現時点で不明

広瀬修一:
なぜ接点のない3人が犯行に及んだのか? 吉川さんの話では、「大きなグループがバックにいるのではないか」ということなんです。組織全体を大きく見ると、まず「元締め」がいて、その下に情報を入手する「リスト入手班」、ターゲットを絞り込んでいく「電話班」、さまざまな班の要望を受けて準備する「準備班」、実際に強盗を実行する「実行部隊」、その実行部隊をスカウトする「スカウト班」までいる可能性もあるとのこと。吉川さんは、今回逮捕された3人は「実行部隊」で、組織の中では末端に位置すると予想しています

吉川祐二氏:
今回、3人が逮捕されたというニュースを見た時、2人は同郷だが、1人は全く接点がないと。それを見た瞬間に、もしかしたら「寄せ集め」なのではないかと思いました。寄せ集めと言っても、ただ街を歩いていて集まるものではなく、誰か第三者が結びつけなければいけません。そのために組織化されたものがあったものと考えています。

安藤優子:
こういった組織にスカウトされるということですが、組織はどうやって目をつけるんでしょうか。

吉川祐二氏:
今回の場合は詐欺と違って、犯罪の手口が強盗ですから、むやみやたらに誰にでも声を掛けるわけではないと思います。何らかの集団化されている、非行少年の集団であるとか半グレ集団であるとか、そのような所で目星を付けて声を掛けていることが考えられます。

尾木直樹(教育評論家):
組織の総人数はどれくらいになるんですか?

吉川祐二氏:
人数についてはグループごとに異なります。最低限、実行犯と電話をする者がいればいいことなので、そんなに多くはいらない場合もあります。この組織図はあくまでも想像の中のものではありますが、一つ大事なことは、縦の線が非常に細い線と思ってください。細い線であるからこそ、下から上になかなかたどれない…いわゆる“トカゲの尻尾切り”。

安藤優子:
つまり、今回は末端の実行部隊が逮捕されたと仮定すると、供述の中から上層部の名前が出てこない可能性もあると?

吉川祐二氏:
本当に反省してすべてを話したとしても、なかなか上が出てこないということもあり得ます。

ヨネスケ:
じゃあ一番上まで明らかになるのはかなり難しい?

吉川祐二氏:
ただ、それが警察の力の見せどころです。上層部まで逮捕しなければ、犯罪はなくなりませんから。

安藤優子:
そうですよね。高齢の方、今は怖くて電話に出られないと聞きますから…
 

スタジオではさらに、実際の“アポ電”被害の現状と対策について取り上げた。

14日午前中だけで24件の“アポ電”…通話を録音し毅然とした対応を

広瀬修一:
警視庁犯罪抑止対策本部が、東京都内にかかってきた“アポ電”の状況をツイッターに出しているんですが…14日の朝から午前11時までにかかってきた件数だけで、24件もあったそうなんです。

安藤優子:
24件も!? こんなに繰り返し報道されているのに…

広瀬修一:
“アポ電強盗”は東京だけでなく、山梨や大阪、神奈川でも被害が出ています。特に警察官や役所の職員など、信用される肩書きで電話を掛けてくることが非常に多いそうです。こういう被害に遭わないためにどうしたらいいのか? 吉川さんにお話を聞いています。

【電話に出る前の工夫】
在宅中も留守番電話に設定しておく⇒内容を聞いてかけ直すか判断する
自動通話録音機を設置する⇒自動的に警告メッセージが流れ、通話を録音

広瀬修一:
通話を録音する警告メッセージが流れると、犯人は諦めて電話を切る可能性もあるということです。もし、電話に出てしまった場合は、次の点に注意してください。

【電話に出てしまった時の注意点】
毅然とした態度で話す⇒相手に隙を見せず電話を切り、その後警察に通報
お金の話はすべて疑う⇒家族からでも一度電話を切り、知っている番号にかけ直して本人確認をする

田村勇人弁護士:
今回の件って、「家にお金があること」が確認できればいいんですよね。被害者にお金を振り込ませなくてもいいし、被害者が電話で「お金はあるけどお前なんかに渡さないよ」って言ったら強盗に来るってことですよね。

安藤優子:
恐ろしいですね…とにかく、電話は出ないのが一番ということでしょうか。

吉川祐二氏:
出ないことが一番ですが、出てしまう場合などもありますよね。その時に相手がおかしいと思ったら、毅然とした態度で電話を切る。そして切った後、電話のかかってきた状況を警察に通報してください。

安藤優子:
警察に通報したら、きちんと取り合ってくれるんでしょうか?

吉川祐二氏:
警察の方に、「Aさんから通報が来た」ときちんとリストに残るはずです。

広瀬修一:
それらの通報をもとに、先ほど紹介したリストも作られていると思います。通報された件数が24件なので、実際には通報されていないものもたくさんあると考えられますね。

尾木直樹:
でも、電話ってかかってきたら出ちゃいます。失礼だから、無視なんてできないって思ってしまって。

吉川祐二氏:
そして、きちんと名乗って出てしまう人が多いんです。昔はそういう風に出るものと教わりましたが、今それをやってしまうと、相手に個人情報を一つ与えてしまうことになります。

ヨネスケ:
じゃあ今は「もしもし、〇〇です」って出ちゃいけないんだ!

吉川祐二氏:
はい。私も、電話に出る時に知らない番号だった場合は「はい」と答え、名前は名乗りません。

安藤優子:
私も全然知らない番号から来た時は「はい」って出ますね。もううっかり電話も取れないです。

高橋克実:
留守電にしておけば留守電の中から声も聞こえますし、そういう風に常にスタンバイして徹底しておかないと、被害はなくならないですね。

安藤優子:
もし心配だったら、お子さんが親御さんの家にそういう設定や装置を付けてさしあげて、ぜひこういった被害を防いでもらいたいなと思います。

(「直撃LIVE!グッディ」3月14日放送分より)