「助けて!」と言える社会に…介護の悩みを分かち合うカフェ【広島発】

カテゴリ:暮らし

  • 高齢者などを自宅で介護する人を「ケアラー」と呼ぶ、その数国内で600万人ともいわれている
  • 孤独で忍耐を強いられる「ケアラー」が、悩みを分かち合えるカフェが注目を集めている。
  • “先の見えない”ケアラーのためにできることとは?

高齢者や障害のある人を自宅で介護する人を『ケアラー』と呼ぶ。1月26 日広島市内で『ケアラー』の支援を考える集い「ケアラー支援講演会in 広島」 が開かれるなど支援する取り組みが始まっている。

講演会では、介護にまつわる様々な悩みや対処法などを劇にして紹介された。

ケアラー役:
今日ね、お母さんったら私が財布を盗んだって言って、おまわりさんまで呼んじゃったんです。
私がお母さんにご飯食べさせてないとか、介護の仕方が悪いって言われたんですよ

相談員:
認知症の人の介護の基本は、言われたことを否定しないことなんです。認知症は病気なんですから、そこを家族がよく理解してあげないと本人がつらくなりますからね

現在、日本で介護が必要な高齢者は600 万人を超えると言われている。
かつて介護を経験した人は、当時の苦悩をこう語る…

介護を経験した女性:
今講演会の劇を見て、当時を思い出して涙が出ました。
介護って孤独な作業なんですよね。1人で頑張っていくしかない…。
夜も2時間以上続けて寝たことはなかったですね、何年も…

介護を経験し男性:
ケアラーというのは耐えてやらないといけないというか…。
自分をやっぱり犠牲にしてやってるということをなかなか分かってもらえないというか

介護を経験した女性:
本人は“要介護”だけど私たち家族は“要忍耐”だねって話をよく家族でするんですけど…。
もう限界かもと思ったことは何回かあります。

介護経験者に残る後悔

最愛の母を失って、間もなく1年を迎える北川朝子さん。
母親の久子さんは、脳出血で右半身まひになり要介護5に…。その後2018年4月に91歳で亡くなった。
およそ5年間,介護に尽くしたが北川さんには今もなお後悔があると言う。

介護していた母を亡くした北川朝子さん:
介護がずっと続いていきますとストレスがたまるといいますか、はけ口がなくなってきますので。もっと本当に優しい言葉で接してあげればよかったと思っています

北川さんは体が弱っていく母に対し些細なことを咎めたこともあり、母を傷つけたのではないかと自らを責めたりもした。自分のように介護に行き詰ったケアラーを支援したいとオープンしたのが『ケアラーズカフェ&キッチンはぴねす』。県内で初めてとなるケアラーのための『常設カフェ』だ。

毎週木曜日から土曜日まで、北川さんの姉・千代さんとボランティアのスタッフで運営している。
使う野菜は農家が育てた有機野菜。直接届けてもらっている。

はぴvege 来須圭子さん:
おいしいものを食べると人って幸せになれるじゃないですか。喜んでもらえたらなと思っています。

この日の日替わりメニューは豚しゃぶのレモン煮。
野菜中心の体に優しいランチは口コミで広がり、常連客も増えてきた。
店には一般客も訪れる。ケアラー同士、思いを打ち明けることで、気持ちが楽になる場所だ。

北川朝子さん:
(母が)去年の4月に亡くなったんです。実は…。でも皆さんに支えられて」

客:
私の母が亡くなった時を思い出したりして

つかの間の休息時間

常連客の一人で現在、実の母親を介護している笠野保子さん。
笠野さんにとって母親がデイサービスへ行っている間月に数回このカフェで過ごす貴重な時間だ。

笠野保子さん:
満足したら人にも優しくあたれるっていうゆとりがでる。認知症ってね、止められないから、その中でいかにストレスなくお互いが見ていくかが一番じゃないかなと…

笠野保子さん:
介護は、やっぱり先が長い。先が見えないわけですからね。ケアラーの人をみんなが関心を持っていただくこともまず知っていただきたいなと思うんですよね。支える人が元気じゃないと支えられない

北川朝子さん:
皆さんが本当に私を支えてくれて。私は母が亡くなった時にかなり落ち込んではいたんですけれど、その時に『カフェを続けてね』というあたたかい言葉をいただきまして…。一人でも多くの方に自分ひとりじゃないっていうのを分かっていただきたいし、もし困っていたらやはり手を挙げて私も助けてと言うふうな形の言える社会にしていければなと思います

1人でも多くのケアラーに寄り添いたい…北川さんは今日もその言葉に耳を傾けます。

(TSS テレビ新広島)

【関連記事:日本各地の気になる話題】