長野でサバ缶“愛”猛烈なワケ…売り切れ続出、買い置き当たり前、名物にも!?【長野発】

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  • 買い置き当たり前!サバ缶1年中人気の長野・飯山市
  • サバ缶をどう料理する?“夕食”取材
  • 「豪雪地帯」だから?人気の理由をひも解く

長野・飯山市で以前からサバ缶人気…なぜ?

体に良いとしてブームになっているサバ缶
長野・飯山市ではブームになる前から1年中人気で、多くの人が買い置きをしているという。その理由と様々な食べ方を取材した。

長野・飯山市内のスーパーでは、サバ缶の売り切れが相次ぐ…。

A・コープみゆき店・清水力店長:
トップシーズンは春だが最近は注目も高く、1年を通して売れている。原料不足というのもあるがずっと品薄が続いている。

サバ缶の生産量はツナ缶などのまぐろ・かつお類を抜いてトップ。

理由は健康志向だ。EPAやDHAが豊富で、血液をサラサラにする効果や認知症予防が期待できると人気に火がついた。
特に長野県民は缶詰好き。交通網が発達していなかったころ、海のない信州では水産物の缶詰が重宝され、今でも消費ランキングは全国4位だ。
中でも飯山は、消費量が全国トップクラスと言われている。

サバ缶をどう料理する?“夕食”取材

市民はどのようにしてサバ缶を食べているのか、ある家族の夕食を取材させてもらった…

慣れた様子で、炒めた野菜と豚肉にルーを入れて煮込む小林裕美さん。サバの水煮缶を取り出して、汁まで丸ごと投入。

サバを丸ごと投入

小林裕美さん:
旨みが増す気がする。サバ缶とお肉を入れるとおいしい。

「サバ缶とお肉を入れるとおいしい」と強調する小林裕美さん

出来上がった「サバ缶カレー」は小林家の定番メニューなんだそう。

小林家定番メニューの「サバ缶カレー」

長男・虎之助くん:
おいしい。

夫・正和さん:
旨みが出ている。臭みはスパイスで消えて。(サバ缶は)家には絶対ある。調味量みたいな。

「調味料感覚」だと言うサバ缶。確かに納戸には買い置きがあった。

買い置きされているサバ缶

さらに・・・

坪根登美子さん:
明日から雪まつりだから差し入れにサバ缶の大根煮物を差し入れしようと、孫と一緒に。

サバ缶の大根煮物を作る坪根登美子さん(左)

この日、坪根登美子さんと孫の見有さんは「いいやま雪まつり」のスタッフに差し入れをしようと、地元でお馴染みの大根の煮物を作った。
大根を煮たら、砂糖と醤油を入れ、最後にサバ缶のサバを入れる。

坪根登美子さん:
(味付けは)これだけです。さば缶の出汁も入っているし。冬場はストーブに乗せておけば味も付く。ばっちりです。

大根を煮込む間にもう一品。
サバを炒めて塩・コショウで味をととのえる。あとは、キャベツやトマトと一緒にパンに挟むだけ。僅か5分ほどで「サバサンド」が出来上がった。

5分ほどで出来上がった「サバサンド」

坪根登美子さん:
鍋もって来たで。ご苦労さん。

雪まつり会場で、坪根さんが差し入れた煮物が振舞われる。冷え込みの中、作業で疲れた体にサバの旨みが染み渡った。
作業する人からは「うまい」「よく味が染みている」、アメリカ人ボランティアからも「おいしい」との声が聞かれた。

作業する人に振舞われたサバ入り大根の煮物
作業する人から「うまい」と評判

なぜこれほどまでに人気?「豪雪地帯」が関係か

カレーに煮物、パンにまで。なぜこれほど飯山でサバ缶が人気なのか。
長野県の歴史や地理に詳しい長野大学の市川正夫特任教授は豪雪地帯であることが関係していると言う。

市川正夫特任教授:
冬場はきちんとしたタンパク源がない。実際に食べられるものが缶詰に限られていた。特に雪の深い飯山ですので。サバ缶は安くて、簡単に食べられるタンパク源として家庭にストックしてある。

深い雪に閉ざされ食品の流通が滞ると、備蓄のサバ缶が貴重なタンパク源として重宝されていたと言う。

また、飯山のサバ缶料理を名物にしようという動きもある。JR飯山駅で売られているのは「さばごはん」。300円という安さもあって人気だ。

「さばごはん」

丸山紘平記者(長野放送):
サバの甘みがご飯を包んでいる。食欲を誘う味でとてもおいしい。

「さばごはん」を考案したのは、伝統食の「笹ずし」などを販売する「ぜにがめ堂」。味付けは醤油と自家製の出汁、そしてサバ缶。

ぜにがめ堂・岩崎孝典代表:
普通のサバじゃおいしくない。使ったことはあるが、旨みがない。サバ缶のほうがうまい。

実は、この「さばごはん」、コンクールで最優秀賞を受賞した逸品。飯山の名物にしようと「ぜにがめ堂」はレシピも公開している。

ぜにがめ堂・岩崎澄子さん:
誰でも作れる。みんなに作ってもらって、飯山にきたら、さばご飯をたべなくちゃとなってほしい。

ブームになる前から飯山で愛されてきたサバ缶。様々な料理は豪雪地を生き抜く知恵から作り出されたものでもあった。

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