災害時インフラ最新情報はこちら

時間が止まったような芸術「アイスバブル」の正体は…!? 群馬・赤城大沼

カテゴリ:地域

  • 奥が深いなぁ、ワカサギ釣り
  • 暖冬が心配されたが・・・
  • 18年ぶり?アイスバブルとの貴重な出会い

奥が深いなぁ、ワカサギ釣り

ここは標高1350メートルにある群馬県・赤城大沼
氷上でのワカサギ釣りができる関東でも数少ない場所だ。
凍った湖面を朝日が照らす前の午前7時、釣り人達は漁具を積み込んだテント付きのソリを滑らせて各々のポイントに散っていく。

ガリガリガリ…。氷を削るドリルの音が辺りに響き渡る。
これから始まる人とワカサギの対決の開始を告げるゴングにも聞こえた。

赤城大沼のワカサギ釣りは「日本一難しい」と言われている。

標高1350mの釣り場は水温が低いため、魚の活性が悪い。
その上、餌となるプランクトンが豊富なことから釣り糸を垂らしてもエサへの食いつきが悪い。

魚を誘う竿先の動きが勝負。ここは釣り人の腕の見せどころだ。
1ミリほどの繊細なアタリを指先で感じ釣り上げていく。氷点下の空気に包まれながら、素肌で感覚を研ぎ澄ます。
入れ食いのシーンを思い描いていた私たちの期待を裏切るかのような現実。それこそが自然相手に撮影する難しさであり楽しさであろう。

暖冬が心配されたが…

ワカサギ釣りの解禁日は湖面に張る氷の厚さで決められる。今季は12月20日過ぎても赤城大沼は一度も凍らなかった。
解禁日が遅れるのではないかと心配されたが、12月29日に待望の寒波到来。

年の瀬に木枯らしが吹き、赤城大沼の水温が下がり、年明け一転して無風状態となったことから氷が張る条件が一気に整った。
立ち入りが安全な厚さに氷が成長するのを待って、奇跡的に例年並みの1月11日に解禁となった。


アイスバブルとの貴重な出会い

「アイスバブル」という関東地方では珍しい自然現象も撮影することができた。
アイスバブルは雪が積もると見えなくなる。地元の人によれば今年のようにはっきりと確認できるのは17、18年ぶりだという

湖底から出てくるメタンガスなどの気泡が急激に冷え固まった氷に閉じ込められたもの。
大小様々な気泡が氷をキャンパスにして幻想的な光景を作り出していた。

ツルツルになった湖面は地元で「油氷」(あぶらごおり)と呼ばれている。
透明度が高く、非常に滑りやすいため、足回りにアイゼンを装着するなど安全対策は必須だ。
取材した日も多くのカメラマンがシャッターを切っていた。
大沼への立ち入りは釣り同様、日中時間帯に制限されているので事前に確認して頂きたい。

【撮影後記】

赤城大沼では水深8~10メートル辺りを多く回遊していることがわかった。ウェラブルカメラをワイヤーに取付け、水深10メートルまで潜らせるように改造した。広い湖の中を回遊している小さなワカサギの魚群がいるところにカメラを沈めなければ撮影は出来ないため、魚群探知機で生息場所を探りその都度カメラを沈めて、わかさぎが警戒心を解いて近寄ってくるまで待つという方法を繰り返した。自然を捉えるがゆえに、思い通りにはいかないことが多いことを学んだ。
取材を終えた帰りに立ち寄った旅館で頂いたワカサギの天ぷらは軽い食感でほんのり甘かった。
その姿を撮影しようと長時間ねばった後ゆえに忘れられない味となった。
(フジテレビ取材撮影部 赤松伴明)

今回の冬さんぽ、テーマの一つが音である。
風の音や水中の音、足音やドリルで氷が削られる音など、現場には様々な音が溢れている。
その音を一つ一つ拾い上げていくのだが、ただ単純に録るだけではなく映像とリンクした音を録らなければならない。
氷上を移動中、キツツキが木を突いている音がした。マイクを音のする方へ向け録ったのだが肝心のキツツキを見つけられず、撮影することができなかった。
私たちが普段聞き慣れている鳥の声であれば、例えその鳥の姿が映っていなくても違和感はないだろう。
しかし、鳥が映っていない映像に耳慣れない音が重なると観ている人を混乱させてしまう。
迷った末に映像とリンクしないキツツキの音を使用する事は諦めることにした。
ナレーションで説明することも出来るが、どうしても現場の映像と音だけで表現したかった。
映像に合った音を録ることの大切さと音の奥深さを改めて学ぶ取材となった。     
(フジテレビ 取材撮影部 岸下怜史)

【赤城大沼までのアクセス】

 ・車:関越自動車道  前橋IC/渋川IC/赤城ICより約70分 (冬期は四輪駆動、チェーン携行のこと)

 ・電車:JR前橋駅から関越交通バス 富士見温泉行き「富士見温泉」下車乗換→赤城ビジターセンター行き「沼尻」下車→徒歩5分(最短乗り継ぎで約90分)

 
【問い合わせ先】

 ・青木旅館 TEL 027‐287‐8511

 ・公益財団法人 前橋観光コンベンション協会 TEL 027‐235‐2211