高2男子自殺で教職員による“いじめ”を認定…「いじり」という名の落とし穴

  • 日常化していた生徒と教員による“いじり”「問題意識を持つことがなかった」
  • 遺族「いじり対策を早急に見直し、本来あるべきいじめ対策を推進してほしい」
  • どうすれば子どもを救うことができる? 求められる教師の“見抜く力”

教職員からの“いじめに類する行為” 5項目

山口県周南市で2016年に高校2年の男子生徒が自殺した問題で、検証委員会は生徒からのいじめだけではなく、教職員らによる5つの“いじめに類する行為”があったと発表。

これを受けて男子生徒の遺族は2月6日に会見を開き、その思いを明かした。
「息子が受けた苦痛・屈辱・孤立は、生徒さんたちが“いじり”と呼ぶほど軽いものではありませんでした。最も驚き、怒りを感じたのは、再調査で明らかになった教員による“いじめ”です」(自殺した男子生徒の父親)

自殺した男子生徒の父親

男子生徒は、2016年7月に山口県周南市の駅で列車に飛び込み命を絶った。
学校は当時、学校生活でトラブルはなかったと遺族に伝えていたが、調査にあたってきた県の検証委員会は5日、高校2年の男子生徒を死に追いやった原因の一つに生徒だけでなく教師からも受けた“いじり“があり、「いじめに類する行為にあたる」と認定したのだ。

検証委員会の堂野佐俊委員長は「当該生徒は、体形や髪形を周囲の生徒から軽い口調でからかわれたり、キモイなどと笑いながら言われたりしています。これらの出来事はいじめに当たると判断しています」と説明し、「言葉でのからかい」など、他の生徒が関係する18項目の出来事について、男子生徒へのいじめがあったと認定した。

また、男子生徒は当時、部活動で悩んでいたことなど、学校での多くの要因が作用して自殺に至ったとの判断を示した。
検証委員会は男子生徒について、クラスの中で「いじられキャラ」として認識されていたとした上で、次のように述べた。

「“いじり”と呼ばれていた“いじめ”が無自覚に繰り返され、周りの生徒・教職員も日常の風景のように受け取り、問題意識を持つことがなかった」(山口県いじめ調査検証委員会 堂野佐俊委員長)
“いじり”と呼ばれ、日常化していたと指摘し、生徒だけでなく「教職員からの“いじめに類する行為”が、ストレスの要因になったということを検証した」という。

山口県いじめ調査検証委員会 堂野佐俊委員長

検証委員会が、男子生徒への教師による“いじめに類する行為”と認定したのは、次の5項目だ。

(1)全校生徒の前で名前を呼ぶ
(2)雑用の押し付け
(3)試験中の話しかけ
(4)対応に困るようなことを言う
(5)不必要に名前を連呼


男子生徒の自殺から2年半。今回の認定に対して、父親は次のように話した。
「『やっと声が届いたね』という気持ちと、なぜ学校が息子を助けてくれなかったのかという気持ちが入り混じった心境です。先生からしたら、そんなに気にしなくてやった行為だと思うが、教育委員会としていじり対策を早急に見直し、本来あるべきいじめ対策を推進されることを強く望みます」

どうすれば子どもを救うことができる? 求められる教師の“見抜く力”

倉田大誠キャスター:
県の検証委員会が教職員によるいじめに類する行為と認定した5項目を整理します。

1つ目、全校生徒の前で名前を呼ぶ
必ずしも親しい間柄だけではありません。他学年、大勢の生徒がいる中で1人だけ名前を呼ばれる。それで周囲が笑う。こういったことを不快に思ったと考えられる、としています。

2つ目、雑用の押し付け。
掃除の時だそうですが、自分だけが雑用を押し付けられるということに、やはり理不尽さ負担感を感じていたと考えられるとしています。

3つ目、試験中の話しかけ。
試験中というのは緊張感があって静粛な状況なのにもかかわらず、個人的に話しかけられることは迷惑に感じたと考えられています。

4つ目、対応に困るようなことを言う。
生徒と先生は、決して対等な立場ではない中で、教職員から対応に困るようなことを言われるというプレッシャーが考えられる。

5つ目、不必要に名前を連呼する。
必要以上に名前を何度も呼ばれることで、「自分はからかわれているのではないか」と、ここでも不快感などを感じたと考えられるとされています。

(「プライムニュース イブニング」2月6日放送分より)