「日本人男性は女性への金にだらしない」6度目の逮捕となった“女装タイ人”詐欺師のあきれた言い訳

武田絢哉
カテゴリ:ワールド

  • 2ヵ月で日本人男性10人詐欺被害に・・・総額93万円
  • 6度目の逮捕となった詐欺師は女装したタイ人の男
  • 逮捕の男「日本人男性は女性への金にだらしない」

日本人男性が狙われた

タイ警察などによると、日本人の男性旅行者(41)が去年11月、日本人が多く住むスクンビット地区のプロンポン駅近くで、台湾から来たという旅行者の女性に声をかけられた。女性はバンコクに向かうバスの中で、財布やパスポートを盗まれ、ホテルにチェックインできず困っていると言う。男性はクレジットカードのキャッシング機能を使って、37万円を引き出し、その女性に貸した。しかし、金が戻ってくることはなかった。

逮捕された詐欺師は女装のタイ人男

詐欺師は女装したタイ人の男

在タイ日本大使館には、去年11月から同じような詐欺被害の相談が相次いでいた。大使館からの連絡を受け、タイ警察が捜査した結果、今月3日に逮捕されたのは、すでに5度も逮捕されている女装の詐欺師ウタイ・ナンタカン容疑者(43)だった。ウタイ容疑者は、去年11月から先月までのおよそ2ヵ月間、シンガポール人や香港人、それに台湾人の女性旅行者を装い、「財布を盗まれた」などとウソをつき、日本人男性10人からあわせて93万円を騙し取ったとして、詐欺の疑いで逮捕された。容疑を認めているという。

2015年当時のウタイ容疑者

日本人の優しさにつけこむ手口とは?

ウタイ容疑者は巧みに日本人男性の優しさにつけこんだ。あるケースで、ウタイ容疑者はまず男性に「日本人の知り合いに助けてもらうので、携帯電話を貸してほしい」と話した。しかし、借りた携帯電話で電話をしても知り合いと連絡が取れることはなく、ウタイ容疑者はさらに困った表情を見せた。ウタイ容疑者は、頼る人がいない状況を見せることで、同情をひこうとしたとみられる。その後、家族と連絡がついたとウソをつき、「送金してもらうため、銀行口座を貸してほしい」と男性から口座番号を聞き出した。

そして、家族と電話するふりをして、「送金の手続きは済んだが、口座には数日後に振り込まれるので、先にその分の金を引き出して貸してほしい」と頼み込んだという。その巧みな演技力から、ウタイ容疑者を信用しきっていた男性は金を渡してしまったという。しかし、金が振り込まれることはなかった。ウタイ容疑者は報道陣に日本人男性の欠点について問われると、「日本人男性はいつも女性への金にだらしない」と話した。女性を装うことで、金を騙し取りやすいと考えていたのかもしれない。

容疑者の過去にあった日本人男性への恨み

逮捕される直前のウタイ容疑者

ウタイ容疑者は10年間にわたって同じような手口で詐欺を繰り返し、100人以上からおよそ3500万円を騙し取っていた。今回で6度目の逮捕となる。たびたび日本人をだまし続けた理由として、ウタイ容疑者は警察の調べに対し次のように話している。

「大学生の頃、日本人男性と旅行に行ったが、1人ホテルに残された。ホテル代もすべて払わされた。騙されたことで、日本人に恨みを持つようになった」

もちろん真偽のほどは不明だ。

再犯の可能性は?

タイ警察の会見

ウタイ容疑者は去年9月の出所から、わずか2ヵ月後に詐欺事件を起こしている。逮捕後、報道陣の質問に対し「申し訳ない気持ち」と神妙な顔で話していたが、本心かどうかはわからない。警察の調べに対し、ウタイ容疑者は、騙し取った金について「ギャンブルや遊興費に使った」と供述したという。

これまでも、何度も出所と逮捕を繰り返していることから、再犯の可能性は捨てきれない。“忘れた頃”にウタイ容疑者は出所してくる。バンコクを訪れる日本人男性は十分な注意が必要だ。

【執筆:FNNバンコク支局 武田絢哉】