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なぜ子供の貧困は見えにくい? それを知らずに「日本の元気なさ」は解決できない。

子供の貧困対策マッチング・フォーラム開催

カテゴリ:暮らし

  • 日本に元気がないのは「インビジブル」を避けているから。
  • 子供の貧困率は高いのに、見えていない人が多い。
  • フォーラムでは、子供の貧困をなくすための解決策などが紹介された。

貧しい子供を助けることと、日本のベンチャーを助けることは、同じ。

「日本の国は、なんでこんなに元気がないんだろう」
 
講演の冒頭、出井伸之さんは、そう嘆いた。

ソニーの社長や会長を長く務め、現在はコンサルティング事業などに従事している出井さん。その経験から「景気は良いんだ、良いんだと言われていますが、本当に良くありません」と断言する。

出井伸之氏

その原因として何度も強調したのが、「インビジブル」という言葉だ。

インビジブルとは、現実にはあるのに見えにくいもの、もしくは、見たくないので目を背けているもののことを指す。

「見たくないものがあるのは事実ですが、変革が必要だと非常に強く思っています」
 
例えば、日本にはベンチャーが少なくて元気がないのに、立ち上げを支援する仕組みが十分とは言えない。企業が成長をする段階で、銀行がお金を支援してくれない。これらは、マクロの経済が良くなく、企業も先行きに不安を持っているのに、多くがその現実を見ていないために起こっている。

経済活動だけではない。現代の貧困もインビジブルのひとつだ。

カンヌ映画祭最高賞のパルムドールを受賞した『万引き家族』は、見えない貧困を、映画という見える形にして世間に訴えたことが高く評価された。しかし、映画のような貧困状態にある子供が現実社会にもいることに対して、多くの人が正面から向き合っているかと問われると、疑問を持たざるを得ない。

こうした事例を紹介した出井さんは、こう言い切った。

「貧しい子供を助けることと、日本のベンチャーを助けることは、同じ意味じゃないかと思う」

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子供の貧困の「見えにくさ」

厚生労働省の国民生活調査によると、日本の子供はいま、約7人に1人が貧困状態と言われている。

平均的な生活水準と比べて世帯収入が著しく低い状態を「相対的貧困」と呼ぶ。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子供の貧困率は2015年にやや改善したものの、それでも依然として13.9%の子供が相対的貧困の状態にあるという。

しかし、いまの日本の中で「子供の貧困」と言われても、実感がない人がほとんどだろう。

それは、子供の貧困の「見えにくさ」に起因するところが大きい。

子供やその親に「貧困である」という自覚がないので、自分から支援を求めない。貧困の自覚があっても、周囲の目を気にして支援を求められない。また、頼れる親戚も、近所付き合いもなく、地域の目が届かない。そして、国や地方自治体の情報が届かず、社会的に孤立しやすい。

見えないからと言って子供の貧困を放ったままにしておくと、子供一人ひとりの将来が閉ざされてしまうことになりかねない。日本にとっても「未来を支える人」になるはずの子供が、大人になっても貧困から脱することができず、「支えられる側」になってしまう。

出井さんの講演の言葉を再び借りれば、「子供を伸ばすことは、日本を成長させることと同じ」なのだ。

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人とお金が足りない。成果が見えづらい。

子供の貧困をなくすためには、どうすればいいのか。

子供の貧困対策を担当する内閣府では「子供たちをあたたかく見守る人、困った時に相談できる人が身近にいる社会をつくることが大切」と考えていて、支援に向けた一歩を踏み出してもらうためのフォーラムを全国で開催している。

今年1月25日、東京都内で宮腰光寛内閣府特命担当大臣も出席して開催された「子供の貧困対策マッチング・フォーラム」では、出井さんのほか、キユーピーみらいたまご財団の三宅峰三郎理事長が講演。

その後のパネルディスカッションでは、NPO、自治体、企業のメンバーが、それぞれの立場から取り組みや課題について意見を交わした。

宮腰光寛内閣府特命担当大臣

NPOからは「人とお金が足りない」、自治体からは「ふるさと納税を財源にしていて、本当に運営が継続できるのか不安」、企業からは「社内で説明する成果が見えづらい」など、それぞれの悩みが率直に語られた。

課題を出して終わりではない。

「会社の見学を受け入れてくださるだけでも、子供たちの(将来への)意欲が高まり、就業支援につながっていくのではないか」
「NPOや企業と行政は仕事の進め方が違う。すれ違うこともあったが、お互いの共通の目的を確認しながら、連携の仕組みをつくっていった」
「社員が子供の貧困対策に携わることにより、通常の業務では得られない経験をし、仕事へのモチベーションにつながっている」

など、解決策や、今後お互いに求めることについても話し合われた。

その後の自由交流会でも来場者同士が顔を合わせて情報交換を行う光景があちらこちらで見られた。

ファシリテーターを務めたリクルート次世代教育研究院院長の小宮山利恵子氏は「ここからここまでは自治体、ここからはNPOと区切るのではなく、“ごった煮の関係性”が必要」とディスカッションをまとめた。

確かに重要なのは「誰から支援を受けるか」ではなく、「どう支援を受けるか」である。

そのことを、NPO、自治体、企業、それぞれの参加者が実感し、シームレスな連携に向けた交流を深めていた。


「子供の貧困」の支援に向けたきっかけ

見えない、見たくない、では何も変わらない。

「子供の貧困」の支援に向けたきっかけとなるマッチング・フォーラムは賛同する企業が年々増加していて、今年度も日本全国で行われる。

2月12日(火)岩手県盛岡市

3月14日(木)山口県周南市

3月19日(火)愛知県名古屋市

https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/forum/h29_forum-kaisai.html

 
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