日曜安全保障 米軍巨大軍艦 なぜ横須賀に?

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日本を取り巻く安全保障問題を、わかりやすく深堀りしていく、「日曜安全保障」。

2日のテーマは「強襲揚陸艦ワスプ(米海軍)が横須賀に初入港したワケ」。

竹内友佳キャスター「今週は、令和初の国賓として来日したトランプ大統領が注目されましたよね」

能勢伸之解説委員「その中で、安全保障面での大きな出来事といえば、28日に“史上初めて”日本の総理とアメリカの大統領が、そろって『かが』、海上自衛隊の護衛艦に乗艦したことですね」

竹内友佳キャスター「それが、そんなに異例のことなんですか?」

能勢伸之解説委員「はい、それともう1つ、トランプ大統領は『かが』を視察したあとに、ヘリコプターでアメリカ海軍の強襲揚陸艦『ワスプ』に向かったんですが、このワスプも今回、長崎の佐世保基地から、“初めて”横須賀基地にやってきたんです」

竹内友佳キャスター「その『ワスプ』というのは、どういった船になるんですか?」

能勢伸之解説委員「海兵隊員1,600人ぐらいを乗せて、オスプレイですとか、大型のホーバークラフトを使って、一気に上陸作戦を行う巨大な軍艦なんですね」

竹内友佳キャスター「そんなにすごい軍艦が横須賀に来たというのは、どういった意味があるんでしょうか?」

能勢伸之解説委員「トランプ大統領が『ワスプ』に着艦した際、そのすぐそばにあったのが、最新鋭のステルス戦闘機『F-35B』。また、演説会場でも別のF-35Bがいて、それを横にして、『ワスプへのF-35B配備は歴史的』と、わざわざ演説したんですね」

竹内友佳キャスター「そのF-35Bを載せるというのは、そんなに重要なことなんですか?」

能勢伸之解説委員「F-35Bは、短距離発艦・垂直着艦できるステルス戦闘機なんですが、センサーの塊でもあるんです。こっそり敵地に潜入して情報を取って、それを遠くの味方に送り込む。そして攻撃させることもできると、こういうふうにいわれるワケですね。ただ問題が...」

竹内友佳キャスター「え! どんな問題ですか?」

能勢伸之解説委員「日本に配備して、西太平洋とインド洋をにらみ、『F-35B』を運用できるのは、この『ワスプ』だけなんですね」

竹内友佳キャスター「でも、たった1隻しかない『ワスプ』に、何かあったら困りますよね。

能勢伸之解説委員「そのたった1隻に、万が一があったら、アメリカ軍の『F-35B』は逃げ場がなくなる。着艦のとき、噴射のすごい熱を甲板にぶつけるので、アメリカの空母でも受け入れは難しい。となると、護衛艦『かが』の役割が重要になってくるんです」

竹内友佳キャスター「その重要な役割というのは...」

能勢伸之解説委員「『かが』は、『F-35B』を運用できるように改修することが決まっている。その目的は、日本の防空なんですが、トランプ大統領はですね、『F-35Bを得て、“かが”は、この地域とより広い領域で、複雑な脅威から防衛する手助けになる』とも言ったんですね。改修後の『かが』なら、ワスプの緊急時に『F-35B』の避難場所、助け船にも物理的にはなり得るわけです。オーストラリアのキャンベラ級強襲揚陸艦の甲板も、『F-35B』が使えそうに見えますね」

竹内友佳キャスター「日米、そしてオーストラリアで助け合う。これこそ、われわれの関係は強固だぞ! という中国や北朝鮮への無言のメッセージになりそうですね」