被災地に移住してきた若者が“ゲストハウス”オープン 復興を支える新たな挑戦【岩手発】
- 発案者は被災地支援で福岡県から移住してきた早川輝さん
- 名前は港町・宮古の新しい玄関口を目指して「ゲストハウス3710(みなと)」
- プロジェクト費用はクラウドファンディングを利用
「ゲストハウス3710(みなと)」
1月、岩手・宮古市で若者が手掛ける「ゲストハウス」が本格的に営業を始めた。
割安な料金で宿泊場所を提供し、観光の拠点や人が集える場所を目指している。
昨年3月、宮古市で始まった「ゲストハウスプロジェクト」。
ゲストハウスは一般の宿泊施設より安く泊まれる施設で、客同士やオーナーとの交流も魅力の一つ。
発案者は福岡県出身の早川輝さん。
震災後、ボランティアで宮古市を訪れたことがきっかけで、被災地の役に立ちたいと移住を決意。
若者の社会参加を支援するNPO法人を運営してきた。
プロジェクト費用はクラウドファンディングを利用
早川輝さん:
自分の手で何かを変えたい、良くしていきたいという意識があればすごく楽しい街。
ゲストハウスは店を閉めたメガネ店をリフォーム。
名前は、港町・宮古の新しい玄関口を目指し、「ゲストハウス3710(みなと)」に決定した。
プロジェクト費用は、ネット上で支援を募るクラウドファンディングを利用し、予定していた200万円を上回る291万5000円が集まった。
順調に始まったプロジェクトだが、NPO 活動を行う早川さんは、なかなか活動時間がとれない。
そこでリフォームの中心となったのが、佐山春さん。
佐山さんも早川さん同様、震災後、宮古市で被災地支援を続け、昨年関東から移住してきた。
佐山春さん:
大学時代から宮古には来ていて、いろいろな人たちとかかわる中で成長できたので、その分、宮古という土地に恩返しをしていきたい。
宿泊用ベッドには宮古市の木、アカマツを使用
プロジェクトに賛同したメンバーも集まり、本格的な室内の改装が開始。
宮古産の木材で宿泊用のベッドを作れないかと考え、昨年6月には市内の木材会社を訪れた。
早川輝さん:
宮古市の木、アカマツを使って宮古らしさを出せそうだなと思い、わくわくする。
地元に根差したゲストハウスを作りたいと考えるメンバーたちは、宮古市の祭りの歌合戦に出場。
祭りを通して一つになる瞬間に精一杯、宮古に対する思いを叫んだ。
着工からおよそ半年。
最大18人が泊まれる部屋やイベントなどで自由に使える一階のフリースペースに生まれ変わった「ゲストハウス3710」が完成した。
1月12日には、完成のお披露目会が開かれ、クラウドファンディングの出資者や地元の若者、商店街の関係者など狙い通りさまざまな人が集まった。
早川輝さん:
この場所が宮古の新しい玄関となって街がさらに活気づいていくように乾杯したい。震災がきっかけだったが、いろいろな人とここまでやってこれてよかった。
街の新たな玄関口として動き出した「ゲストハウス3710」。
若者の挑戦する姿が宮古の復興を支える。