50日ぶりに公の場 安藤キャスターが語るゴーン容疑者の様子とは…

カテゴリ:国内

  • 18億円以上もの損失を日産に付け替えた「特別背任」の疑い
  • 険しい表情で、ものすごく傍聴席を気にしていた
  • 初の主張で、自らの無実を明確に述べた意見陳述

公の場で初めての主張

日産自動車の資金を私的に流用したとして逮捕された、前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)。8日、勾留の理由を明らかにする手続きのため、東京地裁に出廷した。

ゴーン容疑者は、私的な投資で生じた18億円以上もの損失を、日産に付け替えたなどとする「特別背任」の疑いがもたれている。 

報酬を過少に報告したとして逮捕されて以降、身柄の拘束は50日に及んでいた。これに対しゴーン容疑者側は、勾留の理由を明らかにするための手続きを請求。自ら出廷し、公の場で初めて主張を述べることとなった。

「直撃LIVEグッディ!」では、安藤優子キャスターが法廷を取材。実際に見たゴーン容疑者の様子を、詳細に伝えた。

安藤キャスターが語る、ゴーン容疑者の様子

安藤優子:
私が一番衝撃を受けたのは、カルロス・ゴーン容疑者が手錠・腰縄にサンダルを履いた状況で入廷をしてきたことです。あれだけの、トップ中のトップのリーダーが一転して容疑者となって入廷してくる姿に、私は極めてショックを受けました。

大村正樹フィールドキャスター:
このゴーン容疑者のスケッチは、実際に安藤さんがご覧になった姿と近いものですか。

安藤:
非常に痩せていました。でも私は、痩せていたことよりも、表情の険しさがとても気になりました。頬はこけているんですが、あんなに険しい表情は見たことがないなと…。あとは生気がないというんでしょうか、疲弊しているということだと思うんですが、そのような印象を受けました。

すごく“えっ?”と思ったのは、ゴーン容疑者がものすごく傍聴席を気にするんです。こんなに傍聴席を気にする人を私は見たことがなくて。ゴーン容疑者は目を泳がせて落ち着かない様子…どころではなく、振り向いて傍聴席に誰がいるのか、どういう動きになっているのか、とにかく気にしている様子でした。

大村:
今回、傍聴席の中に大使館席があったそうですね。フランス、レバノン、ブラジルとゴーン容疑者が拠点を置いているそれぞれの国の大使館員と通訳の方が座っていたと。こういった方々を気にしていたんでしょうか。

安藤:
可能性はあると思うんですが、私は後ろの方の席に座っていたので、大使館席というのを確認できませんでした。もしそうだとしたら、こういった席が置かれるのは、特別な配慮ということなんですか。

若狭弁護士:
外国人の場合は大使館員などと面接をすることもできます。(大使館席を設けたことも)配慮をきちんとしなければならないという、動きの一つだと思います。

ゴーン容疑者の初の主張内容は…

公の場で初めて主張を述べたゴーン容疑者。その内容がこちら。

<意見陳述での主張>
私は20年間、日産の復活にあたってきました。(中略)私にとって、日産の従業員は家族の次に大切な存在です。裁判長、私は無実です。私は常に誠実に行動してきました。これまで不正をしたことはありません。私は何の確証も根拠もなく容疑をかけられ、不当に勾留されています。

 <今回の疑惑について>
嫌疑はいわれのないものであることを明らかにしたい。合法的に社内の所管業務を進めた。

 <日産自動車への影響について>
日産に一切損害を与えていない。

<報酬虚偽記載の容疑について>
法律違反の意図はなかった。日産のCEOの時、フォードやGMなどの会社からトップとしてのオファーがあった。しかし当時は日産再建のまっただ中で、日産を見放すわけにはいかなかった。地検は誤った解釈をしている。

安藤:
ここにある<意見陳述での主張>の部分、実は意見陳述の最後に述べられたんです。意見陳述の冒頭では、裁判長に対して“自分の無実を晴らす機会を与えて下さってありがとうございました”という言葉から始まっているんです。ものすごく人の感情に訴えるものだなと感じました。若狭さんはこの意見陳述、どのように受け取られましたか。

 若狭弁護士:
自分は無実であるということを裁判官の前で明確に述べたということは、少なくとも本心でそう思っているんだろうということは伝わってきますよね。自分の心は違うけど無罪を主張するような演技ということではなく、本当にそう思っているんだろうと、それは伝わってくる意見陳述だったと思います。

安藤:
主張の中で“20年間、日産の復活にあたってきました”という部分がありましたが、英語で言うと“自分の人生を捧げてきた”という表現を使ったんですよ。自分のすべてを日産に捧げてきたというイメージを与えたいのかなと思いました。

サバンナ高橋:
客観的に見ても、20年間本当に尽力してきたんだろうなというのは、見ててわかると思うんですが。今回は、裁判ではないんですよね。ゴーン容疑者はなぜこういう場を請求したんですか?

若狭弁護士:
ポイントとしては2つの戦略・戦術が弁護人の側にあると思うんです。短い期間で見ると、保釈。今後、今週の金曜日または来週の火曜日にかけて保釈が大きなトピックになると思うんですが、保釈を認められやすくするためのひとつの前哨戦、地ならしのような動きだと思います。長い期間で言うと、裁判。

裁判は早くても1年後くらいになると思うんですが、それまでにゴーンさんが公の場で、裁判官の前で“無実です”と主張できる機会ってないんですよ。裁判が始まるまでの間、多くの方は“ゴーンさんは日産を私物化した”というイメージを持っていると思います。そこをきっぱりと打ち消して、多くの人に“ゴーンさん無罪じゃないの”ということを記憶にとどめてもらう。そうすると将来裁判になった場合に、ふつうは検察庁が有利な戦いを行うんですけど、それを同じ土俵で戦えるように、こういう形で“無実です”と明確に言ったんだと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」1月8日 放送分より)