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“機能不全”IWC脱退で「二階幹事長は神様」 “伝統の捕鯨守る”高揚感の一方で説明の必要も

カテゴリ:地域

  • IWC脱退表明に沸き立つ捕鯨議連総会
  • クジラの町の町長が「二階氏は神様みたいなもの」 
  • 今後求められる国際社会への丁寧な説明 

政府がIWC=国際捕鯨委員会から脱退を正式表明

官房長官は12月26日の記者会見で、「商業捕鯨を来年7月から再開することとし、国際捕鯨取締条約から脱退することを決定した」と述べ、日本がIWC=国際捕鯨委員会から脱退することを正式に表明した。
政府は、「鯨類の中には十分な資源量が確保されているものがある」と指摘し、IWCについて「捕鯨産業の秩序ある発展が顧みられず、異なる意見や立場が共存する可能性すらない」として、脱退の理由を説明する官房長官談話を発表した。

会見する菅官房長官(12月26日)

これを受けて、自民党の捕鯨議員連盟が総会を開催した。会場のテーブルの上にはクジラの竜田揚げが並べられ、参加者からは政府の決断を評価する声が相次いだ。

自民党・捕鯨議連 総会(12月27日)
会場のテーブルにはクジラの竜田揚げが…

そうした中で自民党の二階幹事長は、そもそもIWCに商業捕鯨再開を認めさせられなかった現実を重く見て、次のように語気を強めた。

 鯨をとって生活している地域は漁業の糧としている。こんな(IWCの商業捕鯨再開を認めない)結果で『はい、そうですか』と、このままで引き下がるつもりはない!」

さらに二階氏は「(政府は)力いっぱいやったんだからという満足感を持っているが結果は惨敗。惨敗を心得なきゃ進んでいけない。役所としての考えを述べてほしい」と求めた。水産庁は「引き続き国際社会に訴えていきたい」と釈明した。

自民党・二階幹事長

二階氏が商業捕鯨の再開にこだわるには理由がある。二階氏の地元・和歌山県の太地町は日本の伝統文化として“捕鯨”を守ってきた歴史があるからだ。二階氏は、ライフワークとして伝統文化・捕鯨の復活に向け力を注いできた。

二階氏は声明で「我が国は、古来、鯨を食料としてばかりでなく様々な用途に利用し、捕鯨に携わることによってそれぞれの地域が支えられてきた。今回の我が国の決定は、商業捕鯨の再開を待ち望んでいた全国の皆さんの願いをかなえるものだ」と訴えた。

また、長年、捕鯨問題に取り組み、IWC総会にも出席した太地町の三軒町長は、「今回の政府の決定に敬意を表するとともに、心から感謝したい。二階幹事長は、漁業者を守ろうということに一点のブレもなかった。政府に対して、地方の声を官邸に届けてくれた、その結果だ。我々からしたら神様みたいなもの」と述べた。

和歌山・太地町 三軒一高町長

実際、日本が重視してきた国際協調路線と一線を画す形でのIWCからの離脱という決断に関しては、政府内にも海外からの反発を懸念する慎重論があったが、二階氏らの強い意志がそれを押し切ったと言える。

“商業捕鯨再開”に向け今後は日本の姿勢を各国に説明へ

捕鯨をめぐっては、鯨資源の減少を理由に1982年にIWCが商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を決議し、日本も1988年に商業捕鯨を中止した。その後、日本はIWCのもとで調査捕鯨を実施する一方、鯨の資源量の回復に合わせて商業捕鯨の再開を訴えてきた。

しかし、今年9月にブラジルで開かれたIWC総会で、日本が商業捕鯨を一部再開する提案をしたものの反捕鯨国の反対によって否決された。しかも、逆に永続的に鯨類保護を行う宣言が賛成多数で採択されてしまった。
IWCによる“捕鯨はさせない”という頑なな姿勢に、政府・自民党は“もはやIWCは機能不全に陥った”と判断したといえる。

捕鯨議連の会長を務める鈴木俊一前五輪相は、こう主張した。

世界には日本の近くの国でも犬を食べる食文化の国がある。日本にはそういう食文化はないが、ないからといって『やめろ』と圧力をかけて変えさせるということはあってはならない

つまり食文化というのは、何人たりとも侵してはいけないということだ。そのうえで鈴木氏は「我々の主張は極めて正当性のある堂々たる主張だと信じているので正々堂々と国内外に訴えていきたい」と強調した。

捕鯨議連・鈴木俊一 会長

その今回のIWC脱退の正当性について、日本政府は各国に説明をする必要がある。そこで自民党の捕鯨議員連盟は、来月にも議員を各国に派遣する方針だ。

来年7月の商業捕鯨再開に向けた道のりはまだまだ険しい。捕鯨反対国のひとつ・オーストラリアは「失望した」として今回の日本の脱退を痛烈に批判した。今後、日本が国際社会の中で孤立せず、商業捕鯨再開を理解してもらうために、各国に対する誠意ある説明が求められる。

(フジテレビ政治部 自民党担当 門脇功樹)