「日本一幸せな本屋」が仕掛ける“7,000人の応募が殺到する”驚きの戦略

カテゴリ:国内

  • 客一人一人にあった1万円分の本を選び郵送する『一万円選書』
  • 毎年4月と10月に募集を行い、一度に7000件以上の応募が殺到
  • 一万冊以上の本を読んだ店長と客とのコミュニケーションの掛け合わせ

小さな書店の驚きの販売戦略

街の書店が次々と消えゆく中、北の大地の本屋が仕掛ける驚きの戦略があった。

1958年創業の「いわた書店」

北海道・砂川市。
人口1万7000人ほどの小さな街にある1958年創業の「いわた書店」
そんな老舗書店を切り盛りするのは店長の、岩田徹さん(66)。

店長の岩田徹さん

午前9時。
店がオープンすると、岩田さんは店頭には立たず店の奥へ。
そこに並べられていたのは、『一万円選書』と書かれた大量のファイル。

この『一万円選書』とは、客一人一人にあった1万円分の本を岩田さん自らが選び郵送するサービス
11年前から始めた『一万円選書』は徐々に話題を呼び、毎年4月と10月に行われる募集では一度に7000件以上の応募が殺到する。

選書は半年かけて行う

岩田さんはその中から抽選で当選した600件ほどの選書を半年かけて行う。

岩田さん
この仕組みが光を与えてくれた。日本一幸せな本屋だからね

選書の際の心がけについて岩田さんは、「客の年齢だったころの自分に話しかけているような気持ちになれるかどうか。ライブな間隔。座って大人しく選ぶというよりは、歩きながら考える」と話す。

本を選ぶときに必要な「カルテ」

本を選ぶときに必要なのが、カルテと呼ばれる質問書。
カルテには年齢や性別、家族構成に加え、「あなたにとっての幸福とは何か?」「何歳の時の自分が好きか?」など様々な質問が記載されている。

「難しい質問だなと思ってくれるとバッチリ。それだけ自分の心に踏み込んでいるということだから」と話す岩田さん。

カルテには悲痛な叫びも

何の希望もない」「自殺するかもしれない」「卵巣がんを患った」など、心に傷を負った人達の叫びがカルテに書かれていたこともあった。

一冊の絵本が気付かせてくれた

『一万円選書』を利用したことがある鈴木博貴さん

以前、『一万円選書』を利用した立川デンタルクリニックすずきの鈴木博貴さんは、「絵本が一冊送られてきたんです。僕はその時人間関係で苦しんでいた時期でもあったので、そんなに僕は頑張らなくてもいいのかなということを気付かせてもらった」と話す。

欲しい本はすぐにネットで買える時代。
なぜ『一万円選書』はこれほど人気を集めているのか。

岩田さん
「コミュニケーションだね。長時間営業や広い売り場面積を追求しても大手書店には勝てないわけだから、お客さんから自分にあった本を選んでくださいと言われたら、それに対して送ってあげる。これは田舎の小さな店だからできること」と話す。

本の知識✕コミュニケーション

椿原アナの『一万円選書』

生涯で一万冊以上の本を読んだ岩田さんの知識と、街の書店だからできる客とのコミュニケーションを掛け合わせた『一万円選書』。
椿原アナもカルテに記入し、依頼してみた。

「いろんな本を読んで人の気持ちを分かるようになった方がいいよね、という風に選書した」と岩田さんは話す。

(「プライムニュース α」12月24日放送分)