日本で一番“孤独”なのは「26歳の女性」。その意外な理由とは?

カテゴリ:暮らし

  • 三菱総合研究所が“孤独”に関する調査を実施
  • 26歳女性の33.9%が「孤独を感じる」と回答し、最多だった
  • 26歳女性「孤独感は常につきまとっている…」

国内外で“孤独”への関心が高まっている。

アメリカでは国民の半数近くが一時的ないし恒常的に“孤独”を感じているとの調査結果があり、イギリスでは“孤独”が国家経済に影響を与えているとして、2018年1月に孤独担当大臣を設置し、女性の下院議員が任命された。

こうした中、三菱総合研究所が“孤独”に関する、興味深い調査結果をまとめた。

この調査によると、日本で一番孤独なのは“26歳の女性”なのだという。

三菱総合研究所の「生活者市場予測システム(mif)」の年齢別調査で、「あなたは孤独を感じますか?」と聞いたところ、「とても孤独を感じる」「孤独を感じる」という回答の合計が最も多かったのは26歳の女性で、33.9%に上っている。

なぜ、26歳の女性が日本で一番、孤独を感じているのか?
そして、これは女性活躍が推進されている世の風潮とは関係がないのか?
調査をまとめた三菱総合研究所の研究員、劉瀟瀟さんに話を聞いた。

理由は「ライフコースの転換期にいるため」

――三菱総合研究所の「生活者市場予測システム(mif)」というのは何?

生活者のあらゆる価値観から消費・生活までの状況を把握するため、2011年から毎年1回、行っているアンケート調査のことです。

この調査には「ベーシック調査」と「シニア調査」がありまして、ベーシック調査は20歳~69歳の全国3万人を対象に1人につき2000問のアンケート調査を実施するもの。
シニア調査は、50歳~89歳の1万5000人を対象に1人につき2000問のアンケート調査を実施するものです。


――今回の調査はどのようなテーマで行った?

ベーシック調査、シニア調査の両方で、「あなたは孤独を感じますか?」と質問し、それに答えていただきました。

――26歳の女性が日本で一番、孤独を感じているのはなぜ?

26歳の女性が“ライフコースの転換期”にいるためだと思われます。

厚生労働省の人口動態調査によると、日本人女性の初婚年齢で一番多いのが26歳、27歳です。
このため、26歳になると、結婚する同級生が増えて、独身だと焦りを感じ、これが孤独感につながっていると考えられます。

また、この年齢で結婚・出産している女性でも、孤独を感じる要因があります。
結婚した女性は、夫との交流が上手くいかない場合に寂しさに襲われます。
出産した女性については、このぐらいの年齢で第1子を出産するケースが多いのですが、そうなると、子育てに対する不安が大きい。
不安が大きいのに、夫が育児に参加しない場合は、孤独を感じる理由となります。

さらに、仕事でも孤独を感じる要因があります。
26歳というのは職場においては、新人でもベテランでもない立場。
後輩ができて、しっかりしないといけないというプレッシャーがあり、誰かに悩みを相談したいのですが、この立場では社内に悩みを相談できる人が少なく、それが孤独感につながっていると思われます。

26歳女性「孤独感は常につきまとっている…」

――“孤独”について26歳の女性たちはどう感じている?

「どんなときに孤独を感じますか?」など、いくつかの質問をし、それぞれ、以下のような回答が返ってきています。

【質問】
どんなときに孤独を感じますか?
【回答】
同期や友達が、次々に結婚していったり、配偶者について話題に出したりするときです。 私にはまだ決まった人どころか、付き合っている人もいないので、いいなぁと思うのと同時に寂しさを感じます。

【質問】
そのような場面で、どうして「孤独」を感じるのだと思いますか?
【回答】
もともと結婚願望が強いからだと思います。
ある程度の年になったら結婚するのが当たり前、という古い考えがまだあるせいか、結婚していない自分に引け目を感じているのかもしれません。

【質問】
「孤独感」は、どれくらいの頻度で感じますか?
【回答】
ことあるごとに感じています……(笑)

【質問】
「孤独感」は、あなたにとってどれくらい大きいものですか?
【回答】
生活に支障があるようなものではなく、笑い飛ばせるようなものですが、常に付きまとっている気がします。

【質問】
その「孤独感」をどのようにして解消していますか?
【回答】
せいぜい、婚活に精を出すぐらいですよねぇ。
結婚の苦労話なんかを聞くと、「結婚しないほうがいいのかも」と思って少し孤独感が薄れたりもしますが、やっぱり独り身はさみしく感じます。


――26歳の女性が感じている孤独は、女性活躍が推進されていることと何か関係がある?

今までは女性のライフコースの選択肢が少なかったのですが、女性活躍の推進などによって、今は増えました。
選択肢が増えたことが孤独につながっている可能性はあります。

年齢を重ねるほど孤独を感じる人は少なくなる

また、三菱総合研究所の“孤独”に関する調査では、年齢を重ねるほど、孤独を感じる人が少なくなっていることが分かる。

㈱三菱総合研究所・生活者予測システム(mif)
㈱三菱総合研究所・生活者予測システム(mif)

――年齢を重ねるほど、孤独を感じる人が少なくなるのはなぜ?

年齢を重ねると、余計な悩みが少なくなってくるからだと思われます。

若い頃は、年金など将来の悩みがありますが、年金生活が始まると、年金については悩まなくなります。

また、今の高齢者が、ひとりの時間を楽しめるようになっていることも、孤独を感じる人が少なくなる理由の一つかもしれません。
70代の女性は、「趣味のサークルなどで忙しく、孤独を感じる暇がない」と話していました。


――孤独を感じる人の割合は70代までは減り続け、80代にまた少しだけ増えている。これはどうして?

70代までは体が元気なうえ、介護や仕事のストレスがなくなり、自由な生活をしている人が多いのに対し、80代になると、体が弱くなり、死別も増えてきます。

こうしたことから、70代に比べて、孤独を感じる人が増えると考えられます。

孤独に対する処方箋は…

――26歳の女性が感じている孤独を解消、もしくは和らげるためにはどうすればいい?

難しいですが、たとえば、ネット上に、自分が感じている寂しさを気軽に、さりげなく相談できる場所があるといいのでは、と思います。

あとは、仮面をつけて悩みを相談できるカウンセラーがいるカフェや、ライフコースの相談に乗ってくれるコンサルタントがいれば、孤独を和らげることができるかもしれません。

今回の調査では、26歳の女性は選択肢が増えてきたライフコースの“転換期”にいるため、一番孤独を感じるのではないかということだった。

ただ、誰にとっても無縁ではない“孤独”。
そして、孤独を感じていても、それを素直に誰かに打ち明けるのは難しいことでもある。劉さんが話していたように、寂しいという気持ちをさりげなく表現できる場こそが、“孤独”に悩む日本の処方箋なのかもしれない。

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