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ファーウェイ問題は「徹底してエビデンスを出して排除すべき!」 “冷戦構造”に巻き込まれた日本の取る道

  • 関係者によるとファーウェイ製品から見つかったのは“スパイウェア”
  • 中国国内の若者の支持を背景に成長したが、政府傘下と思われた場合は…
  • 日本政府やアメリカ政府は「エビデンスをしっかり出して排除をすべき」

「キナ臭いof the year」

報道プライムサンデーのご意見番、落合陽一氏(ピクシーダストテクノロジーCEO)がこう表現するのは、中国の通信機器大手、ファーウェイ(華為技術/HUAWEI)の孟晩舟副会長逮捕を巡る問題だ。

ファーウェイは現在、スマホの販売台数シェアでアップル社を抜き世界第2位のグローバル企業。1987年、中国人民解放軍出身の任正非氏が創業した。今回逮捕された容疑者は、任氏の娘で次期CEOの有力候補とみられる人物だ。落合氏は次のように語る。

「これは国際的な貿易の対立なのか、経済的な対立なのか、もしくは安全保障上のものなのか、三つ巴の関係になっていて、どうしようもない」

今回の事件の背景にいったい何があるのか?16日放送の報道プライムサンデーでは、ファーウェイの成長の軌跡から、問題の真相と今後に迫った。

ファーウェイ製品から見つかった「余計なもの」の正体

与党関係者は「政府がファーウェイの製品を分解したところハードウェアに“余計なもの”が見つかった」と語る。

「余計なもの」とは何なのか?防衛省サイバー防衛隊初代隊長で、現在はラック・ナショナルセキュリティ研究所の所長を務める佐藤雅俊氏は次のように話した。

「我々が入手している情報によると、日本のある法人向けファーウェイ携帯電話が、通信状況をモニターしていると、スパイウェアに似たような挙動をする。しかも通信先が中国らしいという情報。例えば、携帯での閲覧履歴、実際マイクがオフにしていたのがオンになって、あるところに流したりとか。スパイが携帯に入り込んでるような感じ」

佐藤氏が入手した情報によれば、日本のある法人向けのファーウェイ製スマホを分析したところ、スパイウェアが発見されたという。これはユーザーが知らない間に、遠隔操作でネットの閲覧履歴情報などを盗んだり、マイクのスイッチを入れてユーザーの会話を盗み聞きしたりすることができるソフトで、スパイの様な動きをする“悪質”なものだという。

佐藤氏は「ファーウェイが(情報を)取っているのではなく、中国政府が取っていると思われる。防衛関係の技術や日本の最先端の技術を搾取して中国の繁栄にいかそうと」と続ける。

一方、ファーウェイ側は14日、HP上でこの“余計なもの”に関して「まったくの事実無根です。日本に導入されているファーウェイの製品はファーウェイならびに日本のお客様の厳格な導入試験に合格しております」としている。

ファーウェイ生んだ中国のシリコンバレー

アメリカでは、安全保障上の脅威とみなされ、政府機関での使用が禁止されているファーウェイ。そして、日本の総務省も次世代通信システム5Gから、ファーウェイなどを事実上排除する方針を決めた。

40年前の深セン
現在の深セン

ファーウェイを生んだのは、中国のシリコンバレーと呼ばれる広東省・深セン。40年前は何もない田舎町だったが、改革開放路線を機に経済特区となると一気に世界有数のITタウンへと急成長。ファーウェイは深センと共に急成長し、世界的大企業に変貌を遂げた。

本社を訪れたことのある早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏は、「凄い会社だなと感じました。物凄く大きな大学のキャンパスのような敷地に、ありとあらゆる本社機能が入っている。そこに世界中から優秀な人材を集めて、若い人は寮に住まわせている」と、現地を取材して驚いたという。

研究開発をふさわしい環境で進めようと、本社を郊外に建設。最近は研究開発に売り上げの15%を投入するなどの力の入れようだ。ファーウェイ本社のエンジニアの初任給は月額約83万円と超高給で、世界中から優秀な人材を集めているという。中国ビジネスに詳しい現代ビジネスのコラムニスト・近藤氏は、「日本企業が中国企業を部品メーカーと考えていたが、今は逆転しつつある。最先端のものに限っていうと、日本企業が中国企業の下請けになっている」と、今やファーウェイは、日本企業を凌駕する存在になっていると分析する。

そして、習近平氏の野望である『中国製造2025』を実現するためのキーとなる技術が、ファーウェイがリードしている次世代通信システム5Gだ。

現在の4Gから5Gになると、通信容量は一気に100倍になり、2時間の映画も2~3秒でダウンロードできるようになり、車の自動運転や遠隔医療が可能になるなど、我々の生活が大きく変わるという。近藤氏は、そこにこそ、ファーウェイ副会長逮捕の背景があると指摘する。

「5G戦争の覇権争いがあると思う。何が何でもファーウェイを叩いておかないと、21世紀のアメリカの覇権がおぼつかないと判断したのだと思う」

『中国製造2025』のきっかけは尖閣国有化!?

東京福祉大学国際交流センター長・遠藤誉氏

中国とアメリカはハイテク製品をめぐる覇権争い。

中国の習近平国家主席は、『中国製造2025』という計画を進めている。その目標の一つが、2025年までに半導体など、ハイテク製品のキーパーツの70%を中国製にすることだ。実はこの計画が生まれたきっかけが、2012年9月、日本が行った尖閣諸島国有化だと中国事情に詳しい東京福祉大学国際交流センター長の遠藤誉氏は解説する。

「とても意外な因果関係ですが、尖閣諸島を日本が国有化して、中国では非常に激しい反日暴動が起きました。その時に日本製品の不買運動をやった。しかし『日本製品を買わない』と、呼びかけているスマホが、『外側はメイドインチャイナだけど、中は全部日本の半導体じゃないか』と。このスマホを使うのか、使わないのか。捨てるのか否か、という論争になり、『半導体も作れない中国政府とは何事か』と反日デモが反政府運動に向かっていった」

そのため、キーパーツもメイドインチャイナにしようとして『中国製造2025』が生まれたというのだ。そして、この計画を推し進めるにあたって必要不可欠なのがファーウェイの技術だ。ファーウェイは今、スマホのシェアが世界2位、通信基地局のシェアでは世界1位。さらに5G技術では世界トップクラスを走っているという。

アメリカ側は、そんなファーウェイの製品を使っていると、スパイ行為に使われるおそれがあるなどとして、安全保障上の脅威だと指摘して排除に乗り出した。日本の与党関係者からは「ファーウェイの製品を分解したら“余計なもの”が見つかった」というコメントが出ている。確かにこの“余計なもの”が中国側に利用されて、スマホの通信が傍受されたりしたら心配ということになる。

ピクシーダストテクノロジーCEO・落合陽一氏

落合氏は「通信系(の怪しい動き)は一旦ネットワークを遮断して、パケットを観察すれば大体わかると思います。ただ外側から『もしもの時に止まってください』という信号が送られたときに、それでチップが止まらないかどうかを証明するのは難しいので、基地局にあるハードウェアにどんなソフトが入っているのかをチェックするのは本当に難しい」と危険性を指摘した。

もし、ファーウェイが中国政府のいいなりとなり、安全保障上の脅威になるとしたら…。そこで、ファーウェイは中国政府の手下なのかどうか、を詳しく解説する。

ファーウェイは中国政府の手下なのか?

ファーウェイを立ち上げたのが任正非総裁。中国人民解放軍の出身ということで、政府側の人間ではないかと疑われている。しかし任総裁の経歴を見てみると、1983年に人民解放軍をリストラされている。


遠藤氏:
実は1983年前後に100万人の中国人民解放軍のリストラがありまして、その中の一人だった任氏は、路頭に迷うような状況の中で、1987年に仲間と一人5万円くらい、全部で30万円くらいのお金をようやく集めて、民間の零細企業を立ち上げた。当初は電話交換機の代理販売などをしていて、今のハイテクとは全然違います。元々任氏も、土木建築が専門で、通信に関する知識がないので、代理販売しかできませんでした。

こうして民間企業として誕生したファーウェイが急成長するきっかけになった出来事があった。インドの通信会社との取引で、入札の際にファーウェイと競合していた企業が「ファーウェイには技術力がない!」とインドの通信会社に告げ口をしたため、ファーウェイは入札すらできずに終わってしまったという苦い経験があったという。この告げ口をしたというライバル企業が国有企業のZTEだった。


遠藤氏:
国有企業というのは、政府の子供のようなものですから、政府が直接資金を投入して、じゃぶじゃぶとお金をもらっている。中国政府と関連を持っていますから、政府に『情報をくれ』と言えば、すぐに情報をもらえますから、『ファーウェイには技術がないよ』という情報をインドの会社に訴えた。

ファーウェイはこれが悔しくて、技術力を高めようと考えた。2004年、半導体を作る子会社「ハイシリコン」を設立し、研究開発に力を注いた。ハイシリコンが作る半導体はファーウェイだけにしか提供されず、この子会社が作る半導体は今や世界トップクラスになった。

一方、ライバル企業のZTEは国有企業なので、中国政府から豊富な資金援助をされながらも、半導体は輸入に頼っていたため、アメリカから取引禁止の制裁措置を受け、事業が停止するという大打撃をくらってしまった。

『2017年中国半導体関係企業の収益ランキング』をみると、ハイシリコンは国有企業を抑えてダントツ。「国有企業は全然利益をあげず、民間企業がトップに立っているという現実がある」と遠藤氏は指摘した。

ファーウェイ急成長を支えた2つの方針

なぜ政府から豊富な資金援助を受けている国有企業ではなく、民間企業がトップに立てたのか?その背景にはファーウェイの2つの方針があった。

その1つめは、『従業員を大切に』という方針だ。
その具体的な表れが、従業員の持ち株制にある。持ち株の98.7%を従業員が持ち、残りの1.3%しか役員などは持たないのだ。そのため従業員は会社が儲かれば、自身も儲かるため、従業員のモチベーションが非常に高いという。

さらにCEO(最高経営責任者)は3人の輪番制で、半年に1回交代する仕組みになっている。遠藤氏は「一人がやっていると、不正がはびこってしまうかもしれない。不平等になる。従って半年に1回の輪番制で不正が起きないように、腐敗が起きないようにする。あくまでも従業員が主人公だ」とするのが狙いだと解説した。


パトリック・ハーラン:
これはアメリカでも聞かない、先進的な体制だと思う。

落合氏:
珍しいと思いますね。急成長を遂げる会社は経営者が持っている持ち株比率が高いので、それが従業員に反映されているのは非常に面白いと思う。給与でも、アメリカのシリコンバレーを超えるような待遇で採っているから、非常に強いと思いますね。

パトリック・ハーラン:
これ、製造手段を労働者が持っているということは、まさに共産主義の体制ですね?

遠藤氏:
まさに純粋な共産主義ではないかと。
従って習近平国家主席としては、なかなか潰しにくいというところもありますでしょうね。国有企業のZTEと喧嘩をしているという状況ですから、習近平さんは、民間企業と国有企業の間に挟まれて、窮地に追い込まれていると思いますよ。

もう一つのファーウェイの方針が『家族経営をしない』。これは任総裁が決めたという。
その一方で、副会長なのは任総裁の娘だ。これはどういうことなのか?


遠藤氏:
2010年10月の取締役会で、長男を役員にしようとしたんですね。ところが、選挙で落とされた。そのために2011年に『家族経営はしない』と宣言してしまったんです。そのあとに孟さんが娘であることが明らかになってきた。相続させないというのが分かったので、表に出したんです。その意味では、フェアな経営をしている。

総裁にはなれない!?孟容疑者の意外な素顔

ここで、副会長である孟晩舟容疑者の経歴を見ていく。

孟氏は1993年に創業者の娘であることを明かさずに一般入社で、受付や事務作業をしていた。5年後の1998年に一度会社を離れ、大学院に行き会計学の修士を取得。その後復職して、コスト削減や経営改革で手腕を発揮。その実力が認められて、2011年にCFO(最高財務責任者)に就任した。親の力ではなく、実力で地位を勝ち取ったという。
しかし遠藤氏は、「家族経営をしない」という方針があるので「彼女が総裁になることはあり得ない」と断言した。

さらに孟氏には、もう一つエピソードがある。
2011年3月11日、東日本大震災が起きた1週間後に香港にいた孟氏は、日本へと向かった。同じ飛行機には猛氏を含め、2人しか乗客がいなかったという。そして東京のオフィスで余震にあいながら陣頭指揮を振るった。部下たちに防護服を着せ、東北地方での通信設備の修理に力を尽くしたそうだ。

そんなファーウェイは中国の若者たちに絶大な人気を誇っている。その秘密は、ファーウェイが従業員を大切にする民間企業であったためだと遠藤氏は言う。若者たちの多くが遠藤氏にこんなことを話したという。

「国有企業なんて誰が応援するものですか!私たちは何を買うかによって、一党支配体制への無言の抵抗を表現しているんです」

遠藤氏は、「表立って一党支配体制に抵抗を示すと逮捕されてしまいますから、物を購入する。消費者はリッチになったので、購入することによって『自分たちは共産党は大嫌いなんだ』と、『国有企業のものなんか誰が買うか』という意思表示をしている。『新しいカタチの選挙だ』と若者が言っていました」と解説した。

“新しいカタチの選挙”。中国には普通の選挙はない。買うことが選挙と同じような意味を持つというのだ。

落合氏は「ファーウェイはこれまでの国有企業とは違って、クールな中国を標榜しているような気がする。深センで新しい技術が出てくる土壌を作ってきたのは、ファーウェイなど最近伸びてきている民間企業のパワーだと思っている。例えばSNS上に自分の信用情報が出るなど、新しいITによる管理や、それによって便利になっていく社会づくりとか、スマホによって成り立っている」と付け加えた。

中国の若者たちの支持により成長してきたファーウェイの姿が浮かび上がってきた。「ファーウェイは中国政府の手下なのか?」という問いへの遠藤氏の答えはー。


パトリック・ハーラン:
話を聞いていると案外応援したくなりましたけど、でも僕心配しているのは一党独裁の国ですね。中国政府と民間企業の間では、民間企業が協力しなければならないという義務が法律上あるらしいですね。手下じゃなくても、『何かくれよ』と言われたら断れないんじゃないか。

遠藤氏:
だから脅威は脅威です。政府と協力関係にないと、つまり反政府であっては伸びないですよね。中国政府とファーウェイが協力関係にある、というのはあり得るだろうと思います。しかし、もしも中国政府の言いなりになっている、あるいはスパイ行動をして中国政府に情報を与えている、というようなことがあれば、中国の若者が完全にファーウェイから離れていくと思います。『誰がそんなところを応援するか』と。

そんな中、日本政府はファーウェイ製品を“排除”へ、という動きを見せている。


遠藤氏:
もし本当にスパイウェアが入っているということなどがあれば、政府関係者とか自衛隊とかだけではなく、一般の民間会社も、我々個人もプライバシーがあるから、そういう中国製の通信機器は徹底して排除すべきです。
生半可な、玉虫色の日中友好とかを考えて、ファーウェイとかZTEとかの名前を使わない、こういう配慮をしていると、中国はもっと増長して、中国の若者たちがどんどんファーウェイを応援するということになります。なので、私はどんなことがあっても、ハードウェアに余計なものがくっついているんだったら、『こんなものがついていたよ』ということを示すべきだし、証拠を示す、エビデンスを出すべきだと思います。
エビデンスを出したら、中国の若者はみんな離れます。すると結果的に『中国製造2025』が失敗します。そうすると中国が『制覇しよう』『アメリカを乗り越えよう』という野望は挫けてしまいます。達成することができなくなる。
日本政府は、どういう決意でいるのかを明確に示すべきで、本当に『中国製造2025』をつぶそう、中国のような言論統制をやるような一党支配の独裁国家ですから、そういう国が世界を制覇するようになったら、どれだけ恐ろしいことが起きるかということを考えれば、私は徹底してエビデンスを出すべきだと思います。アメリカのトランプ政権も、是非とも本当のエビデンスを示して、本当に排除しなければいけないんだなという判断をする材料を私たち国民に欲しいです。


中途半端な圧力はかえって中国を強くしてしまう。日本は圧力をかけるしか方法がない状況にある。そして5G技術にプレイヤーとして参加できていない現実もある。

落合氏は「冷戦と同じような構造だ。中国側につくのはどれくらいいるのか、アメリカ側につくのはどれくらいいるのか、という冷戦です。国と企業との結びつきがどれくらい強いのか。個人の情報は一人一人の問題だと思うので、それに対応していくのは一人一人の課題だと思います。僕らはアメリカと中国の間に挟まって本当にいいのかと思う」と結んだ。

ハイテク製品をめぐる米中の対立は始まったばかりだ。

(報道プライムサンデー 12月16日放送分より)