届かなかった“チア部員”の訴え 再び問われる“日大体質”

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またしても明らかになった、日大でのパワハラ問題。

9日の公表に至るまで、チア部員は、大学側に被害を訴え続けてきたが、大学は適切に対応してきたのか。

「学生ファーストの理念に立ち返って(日本大学理事長 田中英壽)」

8月3日付で、日本大学のウェブサイトに田中理事長の名で掲げられた「学生ファースト」の理念。

しかし、そのわずか6日後。

「本当、学校の恥なんだよ! おまえが悩んでるって聞いて、かわいそうだなって少しでも思った自分があほらしいわ」

明るみに出たのは、日大応援リーダー部での新たなパワハラ疑惑。

1人の女子部員が、監督や一部部員から、いわれのない暴言を浴びせられ、大学に通えなくなるほど、精神的に追い込まれたという。

現役日大生は「またか、またかよという感じ」、「1回やったのに、もう1回というのは日大としても情けない。早く解決してほしい」などと話した。

危険タックルに続き、再び大きく揺らいでいる日大ブランド。

女子部員が、監督らの暴言を受け始めたのは、2018年2月のことだった。

度重なる暴言を受け、女子部員は大学にも通えなくなった。

心配した家族は、日大の34の運動部を統括する保健体育審議会に相談。

すると、すぐに監督が謝罪に訪れたという。

監督は、「感情的になって事実でないことを部員らの前で話してしまった」と、自らの行為を認めたうえで、部員らの前で訂正することを約束。

しかし、その約束は果たされなかったという。

そして3月には、相談をしていた保健体育審議会も女子部員に「やるべきことはやり尽くした。日大としてやるべきことは全てやった」と通告。

SOSを度々発信したにもかかわらず、その都度裏切られてきたという女子部員。

ところが、9日、問題が明るみに出ると事態は一変。

日大側は、「応援リーダー部監督を、本日付で解任いたしました。本件については、かねてより本学の人権救済委員会において調査を進めており、近く、結論を出す予定です」と、事実関係の調査結果を待つことなく、突然、監督解任へと動いた。

あの危険タックル問題の際には。

日大アメフト部・内田正人前監督は「信じていただけないと思うのですが、わたしからの指示はございません」と話していた。

内田前監督や学長が、相次いで会見を行い、内田前監督が常務理事などから辞任したのは、問題の試合から24日後のことだった。

その騒動のさなか、学生に向けては、学部から、「学生の皆さんを必ず守ります。学生・教職員が一体となって、すばらしい学部にしていきましょう」とのコメントが出された。

「学生を必ず守る」。

応援リーダー部の女子部員は、このメッセージを見て、学部に助けを求めたという。

しかし、その返答は思いもよらぬものだった。

「今回の文書はアメフトの件に関してなので、Aさん(女子部員)のこととは関係ない」

「学生ファースト」を掲げながら、なぜ、大学側は女子部員を第一に対応しなかったのか。

女子部員の家族は「大学に対しては、目の前で扉が閉まったら、次の扉を探してでも娘の名誉回復と対処を求めて動いてきました。季節が変わっても何もなされず、半年が過ぎました。向き合っていただいていた大学の関係者は10人を超えました。そのうちの1人でも真摯(しんし)に対応してくださっていたなら、今のようなことにはならなかったと思います」とコメント。

日大側は、調査結果の発表などについて明らかにしておらず、記者会見を行う予定も、今のところないという。