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シャープ亀山工場で日系外国人労働者が"大量雇い止め"…当事者たちの怒りと悲しみ

カテゴリ:国内

  • 約2900人の日系外国人労働者が退職を余儀なくされた
  • 「派遣会社、やりたい放題!」怒りをあらわにする当事者
  • 派遣会社の負担を回避?告発状で見えた「契約」の奇妙な点

三重県にあるシャープの亀山工場で、多くの外国人労働者らが雇い止めに。
今回訴えを起こしたのは、亀山工場で働いていた日系ブラジル人。

国会でも外国人労働者の受け入れ拡大が審議される中、現地を取材。当事者たちが怒りと悲しみを訴えた。

"世界の亀山モデル"として注目を集めたが…

操業開始は2004年。この亀山工場で生産された液晶テレビは、"世界の亀山モデル"として注目を集め、世界的なヒット商品となった。

しかし、海外メーカーとの価格競争に敗れ、シャープは2008年度に58年ぶりに約1258億円の赤字に転落した。
2016年に経営再建中だったシャープは、台湾の鴻海精密工業からの出資を受け、外国資本の傘下に。

告発した労働組合によると、鴻海の傘下になって以降、アップル社のiPhone部品の受注が増加したことで、亀山工場は3次下請けの派遣会社を通じて、2017年に約3000人の日系外国人労働者らを雇い入れたという。

また、しかし、その後、海外にiPhone部品の製造業務を移転したことで亀山工場の稼働率が低下し、2018年4月には1300円だった時給は、10月以降には1100円に引き下げられ、労働時間も短縮。そして、日系外国人労働者らが雇い止めにあい、これまでに約2900人が退職を余儀なくされたという。

雇い止めされた当事者たちの怒りや悲しみ

雇い止めとは、雇用の契約期間が終わる際に、会社側が契約更新を行わず、契約が終了すること。

雇い止めされた日系ブラジル人は、「問題は派遣会社!やりたい放題!給料から引いたり、『何でこれだけ引いた?』と聞いたら返事もしないで」と怒りをあらわにした。この男性は、2018年4月に雇い止めとなり、現在は別の会社で働いている。

さらに、「日本はしっかりしている国と言っていた。現実はそこまでしっかりしていない。悔しい」とも語った。

長期間働いているのに「短期雇用契約」に

さらに告発状によって、契約に関する奇妙な点も見えてきた。

実際は長期間働いていた日系外国人労働者らと派遣会社が結んでいたのは、1か月から2か月の短期雇用契約

労働問題に詳しい、田辺総合法律事務所・海老沼英次弁護士は「長期の雇用はコストアップになるので、1~2か月ごとにいろいろな会社との間で、契約を結び直させていたということは、形式的には法律にのっとっているように見えても実際は法律から外れている」と話す。

満期になるたびに繋がりのある別の派遣会社と契約させることで、社会保険や有給休暇などを使わせず派遣会社側の負担を回避してきたという。

今回告発された派遣会社は、シャープの3次下請けにあたり、雇い止めされた外国人労働者とシャープが直接契約をしたわけではなかった。

しかし、海老沼弁護士は「特段の事由があって、シャープがこれら契約の条件、例えば給与や契約期間などに直接介入していたとわかれば、シャープの責任が問われる可能性が全くないわけではない」と、シャープの責任も今後追及される可能性を示唆した。

めざましテレビの取材に対してシャープは、「実態把握に努めてはいるが、外国人労働者との直接の雇用関係がないのでコメントする立場にはない」としている。

また、告発された複数の派遣会社に取材を申し込んだが、電話に出なかったり、担当者が不在で回答できないといった対応だった。

(「めざましテレビ」12月5日放送分より)