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【全文掲載】スクープ!東京医大前トップ、女子抑制に「なんで謝罪なんかするのよ?」

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  • 東京医大“絶対権力者”前トップを取材
  • 女子抑制は「大学全体で決めた」 
  • 受験生への謝罪の言葉はあったが…

絶対権力者が初めて取材に答えた

東京医科大が医学部医学科の一般入試で女子受験者らの合格者数を抑制していた問題。
23日(火)、第三者委員会の中間報告書が公表された。
その翌朝、同大の臼井正彦前理事長(77) = 贈賄罪で在宅起訴 = を単独取材。
一連の問題発覚後、臼井前理事長が取材に応じたのは初めてだ。

臼井前理事長は、1966年に東京医科大を卒業。
同大主任教授や大学病院長を経て、2008年に学長就任。2013年には理事長就任。文字通りの生え抜きだ。

大学関係者は「絶対権力者だった」「不正入試を主導していたはずだ」と語る。
実際、同大の内部調査委は、不正入試は臼井前理事長の指示だったと認定している。

臼井前理事長が“絶対権力者”として君臨した東京医大

不正入試「関与してない」

都内の閑静な住宅街に臼井前理事長の自宅はある。
‪午前10時ごろ、‬帽子を深めに被った臼井前理事長が姿を現した。
私たちの取材カメラを一瞥し、歩き出す。取材の要望を伝え、尋ねた。

(下記、やりとり全文)

ーーきのう第三者委員会の中間報告が出まして、ご覧になりましたか?

臼井前理事長:
まだ見てないですよ。あ、新聞でちょっと見たかな。今日。なんか書いてあったな。

ーー去年と今年の入試で、合計69人の男女が本来合格のはずなのに不合格になったと。うち55人は女性です。

臼井前理事長:
ほう。

ーー調査報告を受けて御所感をお伺いできませんか?

臼井前理事長:
それはその時の入試委員会が決めたことだから、私は関与してないから。

「私は関与してない」ー内部調査委の見解とは食い違う説明だ。

しかし、第三者委の報告書でも、今年の一般入試の補欠合格者選定で、臼井前理事長が学務課職員に指示し、名簿で上位の5人を飛ばす形で、特定の受験生に電話連絡し、繰り上げ合格させていたことが指摘されている。

事実なら「関与していない」は通じないのではないか。

ーー調査報告書によると臼井さんの指示で、補欠名簿上位の5人を飛ばして特定の受験生に電話連絡して合格させたことが確認できたとされています。

臼井前理事長:
それは昨年のことじゃないですか。昨年の。

ーーそういう事実があるんですか?

臼井前理事長:
ええ。お願いしたことはありますけどね。

ーーどういう方のお子さんでしたか?

臼井前理事長:
男子だったからですよ。

ーー女性5人を飛ばしたのですか?

臼井前理事長:
そこんとこはちょっとよくわからないです。

ーー記憶が定かではない?

臼井前理事長:
ええ。

詳細については記憶が不明瞭と語る。

「なんで謝罪なんかするのよ」

一連の問題では、女子受験生を不当に差別していたことが社会問題となった。
なぜ女子を差別していたのだろうか。

ーーなんでそんなことをされたんですか

臼井前理事長:
男性を取るということをしたかったからじゃないですか。

ーー大学、理事長として、なぜ女性の合格を抑制しなければならなかったのか、教えていただけないでしょうか。

臼井前理事長:
それは将来的なことを含めてじゃないですか、全体的な。

ーー将来的なこととは?

臼井前理事長:
今は変わってきたかもしれないけど、その当時は、男性の方が女性よりもよく、若い時から働いてもらえるという要素があったんじゃないですか。

第三者委報告書は、東京医大の入試委員への聞き取り結果として、「女性は妊娠や出産というライフイベントがある」「女性医師を増やすと医療崩壊の危険がある」など、女性差別に理解を示す意見があったことを指摘した。

実際、別の医師たちに対する取材でも、同様の声を聞く機会は多くあった。
女性医師からは「仕方のないこと」と諦めの言葉も聞かれる。
しかし第三者委報告書はこうした差別を「平等原則、教育の機会均等に著しく反し、到底許されない」と厳しく批判している。

第三者委は「平等原則、教育の機会均等に反する」と批判

ーー今振り返って正しい判断だった?

臼井前理事長:
男女同権の同じような、男女同じようにしてくれるなら、僕らは間違っていたと思います。
ただし同じようにしてくれるなら。働くことの機会均等ですよ。

臼井前理事長の主張は、医師の職場環境が男女平等になっていない以上、女子学生の数を抑える判断は正しかったということのようだ。

ーー謝罪するお気持ちは?

臼井前理事長:
なんで謝罪なんかするのよ。大学全体で決めたことですから。

ーー本来合格できる受験生を不合格にしたことについて。受験生に対しては?

臼井前理事長:
全体的には申し訳なかったとは思いますけど。それは今考えたら申し訳なかったとは思います。

不当に不合格となった女子受験生への謝罪の言葉を口にした前理事長。
努力を裏切られた受験生達は、この言葉をどう受け止めるのだろうか。

(執筆:フジテレビ社会部 百武弘一朗)