台湾・脱線事故の車両は「日本製」 「突然、加速」と語る乗客も…一体何が?

  • 21日 台湾で18人が死亡、187人負傷特急列車の脱線事故
  • 事故車両は「日本製」と判明
  • 専門家は福知山線の事故と類似点を指摘

死傷者200人超の脱線事故…なぜ起きた?

21日夕方、台湾で起きた特急列車の脱線事故。
列車がかなりのスピードで脱線する映像が公開される一方、事故車両は日本製と判明した。一体、何があったのだろうか。

事故は台湾北東部の宜蘭(ぎらん)県にある、新馬(しんば)駅付近の緩やかにカーブしている地点で起きた。
脱線したのは8両編成の特急列車「プユマ号」。事故の瞬間を捉えた映像を見てみると、走行してきた列車が突然傾き横転。車両が次々と脱線し、現場が砂煙に覆われる様子がはっきりと映っていた。

事故直後の現場では、「外に出られる?下敷きになってない?」と列車に取り残された乗客を気遣う声や、「ここの出口から出られる」、「小さい子供が出血している」などの声が飛び交っていた。

これまでに18人が死亡、187人が負傷した脱線事故。一体、何が原因で起きたのだろうか。

乗客「突然の加速」「直前に急ブレーキ」

脱線した「プユマ号」は、愛知県にある「日本車輌製造」製で、2012~15年の間に台湾鉄道に納入されたものだという。
日本車輌のホームページによると、運転最高速度は時速140キロで、高性能な傾斜装置を備えていることから、カーブでも速度を落とすことなく安定した走行ができるとしている。

 事故当時の状況について乗客は「突然列車が加速してから間もなくして転覆した」と語った。
また、現地メディアは、台湾鉄道は事故の30分ほど前、運転士から「動力が足りない」などの異常を伝える連絡があったとしている。さらに、乗客の証言として「事故直前に数回、急ブレーキがかかった」と伝えている。

「福知山線の脱線事故に似ている」

今回の事故原因について、鉄道アナリストの川島令三氏は「福知山の事故とよく似ているというのが正直な感想だ」と語った。

2005年4月に兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線の脱線事故は、死者107人・負傷者562人を出した。ブレーキの使用が遅れたことによる速度超過が原因とされている。

川島氏は、今回の事故との類似点について「福知山の時もW状に車両が重なっていった。ほとんど典型的な“転覆脱線”だ。転覆脱線の場合は速度超過ということが完全な原因である」と指摘する。

今回の事故映像を見ると、先頭車両が横転したため、後ろの車両がジグザグに脱線している。川島氏によると、これは相当なスピードが出ていたことを物語っているという。

台湾鉄道当局は、列車のスピードが上がりすぎた場合に自動的に速度調節したり停止させたりするATPと呼ばれるシステムについて「運転士が切りたい、と連絡してきた」ことを明らかにしている。実際にATPが切られたかは調査中だが、列車はかなりのスピードで脱線したとみられており、何らかの関係があることが指摘されている。

「転覆直前に数回急ブレーキがあった」「突然加速した」などの乗客の証言について川島氏は、「日本の車両設計は不具合があれば止まるようにできている。それは台湾に輸出した車両でも同じだ。急ブレーキは、機械側が止めるためにかけた。それを回復するために(運転士が)スピードを出した、というのが私の見解」と語っている。

車両を納入した日本車輛製造は、「納入後の定期点検は鉄道事業者が行う」ものとした上で、「大きなトラブルがあれば情報が入ってくると思うが、去年の点検時には報告は入っていないと思う」と話し、「現在は情報収集に努めていて申し上げられることはない」としている。

多数の死者と負傷者を出した列車事故。車両になんらかの問題があったのか。それとも、別の原因があったのか。解明が急がれる。


(「プライムニュース イブニング」10月22日放送分より)