寝てお金がもらえる「睡眠報酬制度」導入の狙い…“年間6万円以上”の効果は?

カテゴリ:ビジネス

  • 毎日睡眠を記録するだけで年間最大6万4千円!
  • スマホを使って毎日眠りを計測
  • 睡眠に気を付けるとどんな変化があるのか?

“日本初”の「睡眠報酬制度」導入

「寝るだけでお金がもらえたらいいのに…」こんなことを誰もが一度は思ったことがあるのではないだろうか?
そんな夢のような話を本当にやってしまう会社が現れた。

オフィス外観 出典:CRAZY

オーダーメイドの結婚式をプロデュースする株式会社CRAZYは、福利厚生制度の一貫として、社員の睡眠に対し報酬を支払う「睡眠報酬制度」を10月10日から導入した。
この試みは高反発マットレスで知られるエアウィーヴが全面的にサポートするとしており、エアウィーヴの調べによれば睡眠に報酬を支払う制度は日本初だという。

寝るだけで年間“6万4000円”もらえる!

報酬の対象となるのは、6時間以上の睡眠を1週間中に5日以上とった社員。
睡眠時間はエアウィーヴが開発したスマホアプリ「airweave Sleep Analysis」を使って計測する。

出典:エアウィーヴ

まず、寝る直前に飲酒や運動など、睡眠に影響を与えることをしたかアプリに入力。
あとはスタートボタンを押して枕元に置くだけで、スマホが睡眠中の身体の動きを感知して、睡眠の深さ、睡眠時間、睡眠効率などを記録。
その結果を会社に提出し、6時間以上の睡眠を達成した日数に応じてポイントを付与する。

・5日間達成:500ポイント
・6日間達成:600ポイント
・7日間達成:1000ポイント

さらに1ヶ月間毎日睡眠時間を計測した社員には+1000ポイントの皆勤賞がつく。
貯めたポイントは社内食堂やカフェで100ポイント=100円として利用できるという。
1年間を52週間とすれば52000ポイントと12か月分の皆勤賞を加え、最大6万4000円ぶんのポイントが得られることになる。
確かに寝るだけで社食の費用やお茶代が浮きそうだ。

ちなみにポイント付与の方法は現在考慮中で、ゆくゆくはポイントカードを作ることなどをイメージしているという。
また、この制度は強制ではなく、実施するしないは社員個人の自由だというが、やらない理由など思いつくだろうか?

労働時間ではなく睡眠時間を管理する

日本で今までなかった制度をどうやって思いついたのだろうか?
CRAZYの森山和彦社長は、長時間労働が問題化した企業に勤める知人のこんな一言がきっかけになったと、自社サイトの記事で明かしている。

「働きたい人の権利も守ってほしい」

働く時間を制限してほしい人がいる一方、知人は「逆」にもっと働きたいと言うのだ。
この考えを知った森山社長は、管理の仕方を「逆転」することを思いつく。
「労働時間」ではなく「睡眠時間」を管理すれば、働く人の人生は良い方向に向かっていくと考えたという。

森山和彦氏 出典:CRAZY

CRAZYは睡眠報酬制度を導入することで、社員個人の生活習慣の改革をサポートし、社員が十分な睡眠をとることで集中力を高め、業務の生産性を向上させることを目指すとしている。

寝てお金がもらえるなんて、うらやましいと思う人も多いだろうが、社員の反応はどうだったのだろうか?
そもそもCRAZYとはどんな会社なのか?
睡眠を管理することでどんな変化があるのか?
担当者に聞いてみた。

――寝ることで報酬がもらえると聞いた社員の反応は?

私もですが驚きました。
みな、睡眠は自分で管理をするものだと認識していたんですが、たくさん寝たらお金をもらえるなんて そんなことある?という感じでした。

――睡眠時間で報酬がもらえる一方、労働時間の管理はどうなっているのか?

基本的には週5日制で、それぞれの裁量に任せて仕事をするという形になっています。
ですので、特に残業はありません。
カフェで仕事をしたり、週一日 自宅で働くこともあります。

これは森山(社長)が言っているんですが、現代はデバイスの発展によって、私生活に仕事が入り込みやすくなっています。
いつでもどこでも仕事ができるので、労働時間を管理するのは難しくなってきています。
それよりは、6時間以上の睡眠を週5日以上とれるよう、サポートをする制度を整えたというほうが、働きやすいのではないでしょうか。


現在、正社員とパートを合わせ100人ほどが働いているCRAZYは、独特な「経営の優先順位」を設けている。
1に「健康」、次に「人間関係」、3は「世界を変えるビジネスをする」、そして最後に「誠実な経済活動」となっている。
今回は睡眠報酬が話題になったが、他にも毎日自然食を提供するランチ制度や、子どもと一緒に出勤できる託児制度などユニークなルールを設けている。

ランチの様子 出典:CRAZY

睡眠報酬で何が変化する?

CRAZYでは9月から睡眠報酬制度のトライアル期間を設け、エアウィーヴの専門家による「睡眠セミナー」などを行っていたという。
睡眠報酬によって本当に仕事や生活は変わるのだろうか。

――トライアル中から睡眠時間は計っていたのか?

9月ごろから任意で社員それぞれ計測を行っておりました。
ただ、その時は計った数値を何かに使うということはしていません。
睡眠は毎日のことなので習慣をつけるために、まずはアプリをダウンロードするところから始めて、寝る前にちゃんと計測することをやってきました。

――睡眠に気を付けるようになって変化はあったのか?

自分だけではなく、家族の生活スタイルも変わったという声を聞きます。
眠るペースというのは、家に帰ってきてからの時間の使い方にも関わっているようです。

また睡眠を計測して見える化することで、ぐっすり眠っていると思っても、実は睡眠が浅かったということも分かるようになりました。
自分はもちろん、周りにいる人の睡眠に対する意識も変わっているという話も出ています。

たとえばの話ですが、睡眠不足で仕事のパフォーマンスが出ないと感じる時、睡眠報酬制度が導入されていることで、その状況を事実としてマネージャーに伝え、働き方を改善するためのきっかけにすることもできます。



寝る間を惜しんで働くか、ぐっすり眠って働くか、あなたはどちらだろうか?
寝てお金になるとは、まさに夢のような話だが、CRAZYの今後次第ではほかの会社もこの制度を取り入れるようになるかもしれない。