相次ぐ災害で問い合わせが殺到。農協が開発「飲めるごはん」を飲んでみた

カテゴリ:国内

  • 非常食として注目されているJA北大阪の「農協の飲めるごはん」
  • 自治体や個人から問い合わせが殺到している
  • 風味を「ココア」「梅・こんぶ」「シナモン」にした理由

「飲めるごはん」とは…

西日本豪雨、北海道胆振東部地震、大型の台風など、全国で大規模な災害が相次ぐ中、JA北大阪が販売している「農協の飲めるごはん」が備蓄用の非常食として脚光を浴びている。

主な原料は3種類の穀物で、“米”、“小豆”、“はとむぎ”。

味は「ココア風味」、「梅・こんぶ風味」、「シナモン風味」の3種類で、保存期間は5年間。

水も火も必要なく、水分と栄養を同時に摂ることができるのが最大の特長だ。

さらに、西日本豪雨の避難所では「食物アレルギー」が問題になっているが、アレルギーにも配慮。
国がアレルギー表示の対象にしている卵や小麦、そばなどの27品目は使用していない。

この「農協の飲めるごはん」に、全国で災害が相次いでいることもあり、問い合わせが殺到しているのだという。

実際に飲んでみた

3種類のうち、「ココア風味」を飲んでみたところ、米の粒がしっかり残っているうえ、はとむぎとココアの香りがほどよく、ぜんざいを常温で食べた感覚に近い。
“ごはん”というより“おやつ”という印象だが、腹持ちはよさそうだ。

この「農協の飲めるごはん」、1缶飲むとどのぐらい腹持ちするのか?そして、味を「ココア風味」「梅・こんぶ風味」「シナモン風味」に決めた理由は?
JA北大阪の担当者に聞いてみた。

「晩ごはんなしでいけました」

――245グラムが入っている1缶を飲むと、どのぐらい腹持ちするの?

体格などにもよりますが、私(168センチ、63キロ前後)は夕方5時頃に飲んで、晩ごはんなしでいけました。

――腹持ち以外のメリットはある?

非常時には火も水も使えなくなることがありますが、「飲めるご飯」は加水・加熱がいらず、缶のまま口にすることができ、栄養分と水分を同時に補給できます。
 
――どのような栄養素が含まれている?

たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩などです。

――こだわったポイントは?

こだわったポイントは3点ありまして、地元で採れたお米「ヒノヒカリ」を使っていること、嚥下(食物を飲み下す)能力が低下した高齢者にも飲みやすくしていること、アレルギー特定原材料27品目を使用していないことです。


――風味を「ココア」「梅・こんぶ」「シナモン」に決定した理由は?

海外でも大きな災害が増えており、海外の方(特にアジア圏)にはスパイスとして欠かせない「シナモン風味」、日本人の口に合う落ち着いた風味となるよう「梅・こんぶ風味」、お子さんにも抵抗なく口にしてもらえればといった思いから「ココア風味」を、それぞれ選びました。

阪神・淡路大震災をきっかけに前身の商品を開発

――「飲めるごはん」を販売した経緯は?

元々は、神戸にあった会社が阪神・淡路大震災の際、非常につらい経験をしたことをきっかけに、「飲めるごはん」の前身となる商品を開発しました。

良いものができたのですが、普及するのは非常に難しい状況にありました。

一方、JAは農協法改正(2016年4月)もあり、「農業振興」や「農業者の所得向上」につながるのための業務ができているかを、国、政府、所管省庁から問われ、真に農業者に役立つよう改革を求められています。

こうした中、JA北大阪は、大阪中心部のベッドタウンにあり、農業そのものでの活性化は正直、難しい中、「農業振興につながる取り組みは何か?」を模索していました。

そこで出会ったのが、「飲めるごはん」の前身となる商品です。

主な原料にお米が使われているので、地域のお米を活用出来れば「農家のためになる」、「災害備蓄品として地域貢献もできる」。

そこで、JA北大阪との思惑が合致し、特許技術をJA北大阪に譲渡してもらい、地元のお米を使った「農協の飲めるごはん」として、今年8月1日に販売をスタートしました。

自治体や個人から問い合わせが殺到

――これまでにどのぐらい売れている?

メディアで紹介していただくまでは注文はゆっくりしたペースでしたが、紹介していただいた後は大きな反響をいただき、全国の皆さんから450ケースほどご注文いただいています。


――実際に被災地で使われた事例はある?

前身の商品は、2014年2月の埼玉県秩父地方の豪雪によって集落が孤立した際、初動対応の救援物資として活用いただいています。

――これまでに購入を決めた自治体・企業はある?

前身の商品は、兵庫県神戸市、埼玉県、埼玉県三郷市、京都府京田辺市、香川県まんのう町、大分県大分市などにご購入いただきました。

「農協の飲めるごはん」になってからは、JAを中心に購入いただいてます。

また、購入には至っていませんが、多くの自治体や個人から問い合わせは届いています。

――今年起きた災害の被災地からも問い合わせはある?

今のところ、ありません。


農協の飲めるごはん」はインターネットや電話で購入でき、1缶260円(税別)で30缶セットから発送している。これまでの常識が通用しない自然災害が続く中、備蓄用の非常食として、購入を検討してみてはいかがだろうか。