いま首都圏を「震度7」の直下地震が襲ったら、何が起こるか考えてみた

カテゴリ:国内

  • 「プレート内の地殻が破壊されて起こる地震」は明確な周期性がなく日本全国いつどこで起きるかわからない
  • ビルの倒壊、火災、ガラス破片の飛び散り、ライフラインの遮断、交通機関の乱れ等、あらゆる想定を
  • 「命を守る」を最優先に、自ら備えよ!

日頃から備えを!

未明の北海道を襲った最大震度7の地震。
震源に近い場所では山々が崩れ、多くの方が犠牲になった。
地震直後には北海道全土で電力が供給できなくなる“ブラックアウト”が引き起こされ、人々の生活から灯りが奪われた。

北海道全土で発生した”ブラックアウト”

今回の震源の近くには過去に大きな地震を起こした主要活断層があるが、地震調査委員会は検証の結果、断層面の角度や深さの違いから、「既存の活断層が動いたものではなくプレート内部の地殻が破壊されて起きた地震」と評価した。

こうしたプレート内の地殻が破壊されて起こる地震は明確な周期性がなく日本全国いつどこで起きるかわからないので、日頃の備えの有無がいざという時の差になるのではないか。

命を守ることを最優先に

いま「首都直下地震」が発生したら何が起こるのか。想定される状況を考えてみた。

首都圏を含む関東南部では、1703年元禄関東地震や1923年の大正関東地震など相模トラフ沿いのプレート境界で起きる地震の規模がマグニチュード8クラスの巨大地震のほかに、地殻内の断層の破壊による規模が一回り小さいマグニチュード7クラスのいわゆる「首都直下地震」が過去に多数起きている。

関東の直下でこうした規模の地震が起きれば、震源が浅いために地表の都市では最大震度7を記録するような大きな揺れを覚悟しなければならない。

直下地震が起きたら…最初の十数秒の大きな揺れからまずは命を守ることが最優先だ

ライフ・ラインの遮断を念頭に

地震発生後、スーパーには開店前から長蛇の列

都内にある木造住宅密集地では、最大震度7の大きな揺れによって古い耐震基準の住宅や建物が倒壊する可能性があるだろう。
地震によって火災の発生も十分考えられる。しかし震度5強以上で電気を自動的に遮断し火災を防ぐ「感震ブレーカー」の普及率はまだまだ低い。

空へと伸びる高層マンションでは、建築の際には耐震、制震、免震など揺れに対する対策は施されているものの、揺れの周期によっては今までに経験したことのない大きな揺れとなる場合があるとされる。

家具の固定は最低限、寝室に背の高い家具や本棚を置かないなど命を守る対策が求められる。また電源喪失の場合には、高層階まで階段での往復というリスクも考えておくべきだ。

また湾岸地域をはじめとした地盤の弱い地域で液状化現象や地下を巡るライフラインの遮断も懸念される。発災直後の厳しい状況を乗り切るため、飲料や食料、常備薬など含めた備蓄の差が出るだろう。

また立ち並ぶビルなどからは窓ガラスや看板などの多くの落下物が予想され、けがや避難の妨げになることが想像できる。落下物の危険性を意識しているかどうかで結果は違ってくる。避難の際には鞄などで最低限頭を守る行動が必要だ。

ハザード・マップの確認を

郊外にある山沿いの造成地では土砂崩れなどの土砂災害が心配される。
河川の決壊の恐れもある。
自宅がどんな場所に建てられているのか日頃からハザードマップなどで知ることが大切だろう。

道路では信号などの交通施設や高速道路に被害が出るだろう。
首都圏に張り巡らされた鉄道網、地下鉄、空港などにも大きな被害が出ているおそれがある。交通機関の大きな乱れは必至だ。
道路の被害状況によっては消火活動への影響も心配だ。

消防車両が入れない狭い道路に囲まれた木造住宅密集地での延焼のほか、避難する自動車で渋滞した道路で近隣から燃え移った火が次々に車に飛び火する車両火災の連鎖が起きないとも限らない。

「とどまる」という決断

さらに時間の経過とともに「帰宅困難者」の問題が出てくるだろう。
混乱や危険を避けるためにはむやみに移動することを避けて「とどまる」ことも重要だ。

2011年の東日本大震災の時に都内で起きた混乱を教訓にして、企業は従業員を一斉帰宅させず、家族との安全確認をしたうえで社内の安全な場所に待機させることを考えるべきだ。

実際に「首都直下地震」が起きた場合、想像を超えた事態が身に降りかかる恐れもあるが、いつ起きてもおかしくない大地震に対して、この機会に日頃の備えの確認をすることが命を守る分岐点と感じている。

(執筆:フジテレビ 社会部気象庁担当 長坂哲夫)