元暴力団組長を独占取材! 山根会長は「50年来の付き合いで、弟みたいな関係」

  • 元暴力団組長が「山根会長は50年来の弟みたいな関係」と明かす
  • 山根会長「付き合いはあるが私は暴力団員ではなかった」
  • アマチュアスポーツ団体のトップと暴力団の関係の疑惑はどうなるか?

日本ボクシング連盟の関係者333人が、会長の山根明氏を告発した問題が新たな展開を迎えている。

助成金240万円の不正流用、山根会長の地元・奈良県の選手を試合で優遇する“奈良判定”と呼ばれる審判不正や“おもてなしリスト”が存在するという過剰接待など、山根会長に関わる疑惑が噴出しているが、ここにきて新たな疑惑が持ち上がっている。山根会長自らが積極的にメディアに出て反論しているのだが、その中で自身と暴力団との関係をにおわせるような発言をしているのだ。

山根会長が語った「僕は元暴力団組長に脅迫されてるんですよ。山根が3日以内に引退しなかったら過去の経歴をバラすぞ、と」という言葉。

突如浮上した「元暴力団組長」との関係。いったい、山根会長と元組長とはどのような関係なのか?

元組長が『報道プライムサンデー』の取材に応じた。

「あれ(山根会長)が78歳か、わしが81歳だから、わしの心の中では(山根会長が)弟みたいな関係。彼と俺とは2年、10年の仲じゃない。20代のころからかれこれ50年くらいになる。山根は、元はヤクザ。17(歳)、8、9、とわしの下で、6〜7年間ヤクザして。盃はかわしていないが」

元組長は、山根氏は暴力団の正式な組員ではなかったと語った。

「わしの兄貴は○○(元組長)だ!」

「自分の弟みたいな気分で50年くらい接してきたから。3年前までは、1週間に1回か、ここにきて、飯食って、世間話して、連盟の話を聞いたりなんやかんやしてアドバイスして」
「(元組長が現役のころ)ボクシング連盟の役員が全員いるところで、山根は『わしの兄貴は○○(元組長)だ!』と(言ったと話してきた)。恥ずかしいくらいや」

元組長は当時をこう振り返る。
山根会長は、ボクシング連盟で元組長の名前を出すこともあったという。しかし会長になってから山根氏の態度が変わり始めたと元組長は話す。そして3年前、二人の関係に変化が起きる。

「山根と絶縁して3年になる。天狗になってしまって。ある日、わしに対して失礼なことがあった」

では、元組長が山根会長を脅迫したというのは本当なのだろうか?

「このままでいくと、みっともないし、個人としても辞めて、すっきりする方がいいぞと(山根会長に伝えた)。そしたら、(山根会長は)『脅迫された』って」と元組長は話した。

元組長が語った、“山根会長との関係”は事実なのだろうか?
山根会長本人にぶつけてみた。

「元組長と50年来の付き合いはあったが盃は交わしていない」

ーー(元組長は)50年来の付き合いがあると言ってました。
はい、間違いありません。

ーー20代のころ、現役の暴力団で山根さんを弟のように接していたとも言っていました。
間違いありません。だけどヤクザの弟分ではありません。

ーー山根さんは組の構成員ではなかったですか?
はい。

ーー元組長は(山根さんを)実質上、暴力団員だったと言ってましたが。
そうですか。本人が言うなら、仕方ない。僕は違います。盃も何ももらってませんから。

ーー3年前までは仲良かった?
普通です。長い付き合いしてきていると言っている。何も隠しません。


山根氏は、2011年にボクシング連盟会長に就任しているが、問題はないのだろうか?


ーー会長として元とはいえ、暴力団の関係者と付き合うのはまずくないですか?
まずくはありません。昔から何十年前からの関係ですから、お茶くらい飲んでます。アルコールも飲んでます。

ーーそこは何ら問題ないという認識ですか?
認識はそうですね。僕はそう思います。いち人間として、であって、あの人の力を借りてどうこう一切してません。だから僕は金銭問題にしろ、いろんな問題、一切タッチしてなくて、はっきり言って貧乏してます。

ーー山根さんは(元組長の)威を借りて(ボクシング連盟で)活動していたことはない?
それはない、一切ない。

ーー3年前にいろいろあった?
3年前にもめて、僕を脅してきた。それで僕とケンカになりました。そういう経緯がある。

整列して会長を出迎えるボクシング連盟関係者

山根氏は3年前まで、元暴力団組長と付き合いがあったことを認めた。しかし、ボクシング連盟の中で元組長の名前を出したりしたことはなく、元組長との付き合いは、何ら問題ないと主張した。

一方で元組長は、告発の内容の一つ、いわゆる「奈良判定」と呼ばれる審判の不正疑惑について、こう語った。
「審判はみんなイエスマン」

だが、山根会長が審判に対して、明確に指示をしているわけではないという。
「(明確な支持は)ない。(審判たちは)忖度の塊」と語った元組長は、お金の不正流用についても「それはやってないよ。(山根会長は)せこくはないな、たいしてな」と明かした。

山根会長は、この元組長が今回の333人の告発者の背後にいると主張する。

「(告発した)333人とかいっぱい前に出してますが、元暴力団の組長まであのグループに入っているのです。暴力団との付き合いも僕ははっきり述べてますから、脅迫を受けてます。だから僕は立ち上がった」と話す山根会長。

しかし元暴力団組長は今回の告発への関与を否定、また、告発グループの発足人の1人(群馬県ボクシング連盟理事長)も元暴力団組長の関与を否定した。

JOCから助成金を受け取る団体だが問題はないのか?

日本ボクシング連盟はJOCから、年間およそ5000万円が交付されている社団法人だ。アマチュアスポーツ団体のトップと暴力団の関係の疑惑について、鈴木五輪担当大臣は「反社会勢力との関係ということになれば、これは論外。認められることは全くない」と発言しているが…。

青島健太氏

青島健太(スポーツライター):
こういう立場の人が持つべき高潔さ、誠実さだとか倫理観、そういうものを疑わざるを得ない状況がVTRで紹介されていて、極めて重要な内容を含んでいるのではないかと思います。彼がどうしてこういう立場を築けたのかという背景に、今VTRにあったようなものが大きく機能していたんではないかと疑わざるを得ない暴力団との関係性でしたね。

萩生田光一(自民党幹事長代理):
事実だとすれば一般社団法人の会長が反社会勢力と密な関係にあるとすれば非常に問題だと思います。

奥寺健(フジテレビアナウンサー):
アマチュアスポーツ界ではボクシングのほかにも女子柔道、レスリング、水球、アメフトなどここ数年で問題が相次いでいます。

自民党・萩生田光一幹事長代行

萩生田:
スポーツ庁ができてまだ3年。アマチュアスポーツ団体というのは自主独立で、今まで自分たちで経営をし、存続をしてきたというのがあります。
外部の監査を受けたりですとか、役員を外部から入れるとか言うことがなく、どちらかというとその時代時代の権力が集中するような形で組織の運営をしてきたというのは否めない。まさに今、過渡期でして、これからアマチュアスポーツからプロや、オリンピック、国際大会に出ていく人たちが大勢いるわけですから、組織をきちんとしていこうというのは我々政治の大きな課題になっています。

古谷経衡氏

古谷経衡(文筆家):
「お上やスポーツ庁みたいなものが監視をしているんだ」と思う考え方自体が、この山根会長と同じじゃないですか?昭和的考え方であってね。
たとえばボクシングとかアメフトとまったく関係のない民間人100人くらいの委員会を作って、そこで監視するとか、どうしてそういう発想が出てこないのかなと。

パトリック・ハーラン:
スポーツ界のガバナンスですが、これは何も日本の話だけじゃないんです。
世界中の団体、FIFAやIOCなどでも問題が指摘されている中で、スポーツのガバナンスのコンサルタントを専門にしている企業(GoodCorporation Ltd.)のサイトを見たら面白いもの見つけました。元スポーツチャンピオンが運営のトップに立つことも問題の一つだと。勝利主義になってとりあえず勝ちたい、周りがヒーローに口出しができなくて忖度の文化になってしまう、運営の経験がないから汚職につながりやすいと指摘されています。

青島:
今はオリンピックも近づいていろんなスポーツが注目されてきて、また経済的にも潤える環境が整ってきたときに、運営する方々が昔のカルチャー、昔の方法論でやってきた方々がそのまま残っているんで、今の現状についていけない。いい選手だったから運営、ガバナンスの能力をお持ちかどうか、素晴らしい人たくさんいますけど、スポーツ的な背景を持っていなくても運営の能力のある方を起用していくという柔軟性も含めて運営を見ていかないと。



また萩生田氏は「外部に法律などの専門家がいて、いつでも相談できる仕組みを作ると言うのは国を挙げてやれることではないか」と話したが、これは経営に長けた人材を集めにくいアマチュアスポーツ界においては一つの解決策かもしれない。
JOC、日本スポーツ協会は、調査のために第三者委員会の設置を要請したが、この問題、まだ波紋が広がりそうだ。

(「報道プライムサンデー」8月5日放送分)