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新型コロナウイルスで苦しむ中国に、アメリカは「攻め」に行く?そのとき日本がとるべき姿勢は

  • コロナウイルスに苦しむ中国に対し、アメリカは攻めにかかる可能性が高い
  • 中国がアメリカの覇権体制を受け入れるシグナルを出すかどうかがポイント
  • 米中の覇権争いの間で、日本は政治的安定を武器に経済政策を打つことが重要

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中国の新型コロナウイルスによる肺炎の死者数は、日を追うごとに増加している。中国の主要都市では半月ぶりに企業活動が再開されたが、中国経済へのダメージが長引く可能性が指摘されている。こうした状況の背後で、米中の覇権争いが山場を迎えるという見方がある。アメリカは覇権国家として、コロナウイルスに苦しむ中国を相手に攻勢を強めるのか。米中関係の変化は日本にどのような影響をもたらし、またコロナウイルスの影響に加え五輪後の景気減速を見据えなければならない日本はどのように振る舞うべきなのか、徹底討論を行った。

苦しむ中国をアメリカは基本「攻め」に行く?

反町理キャスター:
アメリカのロス商務長官は「新型コロナウイルスは考慮すべき新たなリスク要因」と述べている。米中の覇権争いにおいて、アメリカが中国の信用不安や中国の通貨である元に対する不安を掻き立てて中国を叩きにいく、という前提で見たとき、今回の事象をアメリカはどう見るのか。少し中国叩きを待とうとなるのか、それとも一気に中国を叩いてしまうチャンスと思うのか。

愛知淑徳大学教授 真田幸光氏:
基本的には攻めに行く。しかし「ごめんなさい」という、つまり中国がアメリカの覇権体制の中に組み入れられていくというシグナルを出せば、トランプ大統領が受け入れる可能性は十分にあると思う。

反町理キャスター:
かつてのアメリカに対する日本と同じですよね。覇権国としてのアメリカを支える立場をとりますというシグナルを出すかどうか、中国はそれを問われていると。

愛知淑徳大学教授 真田幸光氏

愛知淑徳大学教授 真田幸光氏:
アメリカ側からからすると、シグナルを中国が出してくるかどうか。出してこない、または中途半端なシグナルならばアメリカは叩きにいく。
今回の新型コロナウイルス問題でポイントとなるのは香港市場。日本はさほどでもないが、香港は東南アジアを含めアジアの主要なビッグカンパニーが多く資金調達をしているマーケット。この香港で投資家の動きが止まり、新規の資金調達ができなくなってきている。既発債の価値も下がっている。東南アジアの企業の業績が悪化し、これを背景に中国経済が自滅する危険もある。

ジャーナリスト 元日本経済新聞社編集委員 鈴置高史氏:
まったくそのとおり。中国がアメリカに「詫びを入れる」かどうかがポイント

「米中関係悪化」と「コロナ」、日本へのダメージは「負け比べ」?

反町理キャスター:
コロナウイルスの影響で、現状でも日本経済にダメージがある。このダメージはもっときつくなりますよね?

ジャーナリスト 元日本経済新聞社編集委員 鈴置高史氏:
肉を切らせて骨を断つ。中国がどんどん軍事的に大きくなったら、日本は予算を軍事費に割かなければならない。トランプのアメリカは「日本はもっと金を出せ」。出さないのなら武器を買えという。どっちを取るか。日本の経済も少々痛むが、中国が痛んで行けば今後軍事費を何倍にもしなくてよくなる。

反町理キャスター:
どちらがより痛むのかという「負けくらべ」のような話?

ジャーナリスト 元日本経済新聞社編集委員 鈴置高史氏:
そうです。

元日本経済新聞社編集委員 鈴置高史氏

米中争いの間で、日本は政治的安定を武器に経済政策を打つことが重要

反町理キャスター:
コロナウイルスの問題が長期化した場合、2020年の日本はマイナス成長になる可能性もあるという話すら出ています。

ジャーナリスト 元日本経済新聞社編集委員 鈴置高史氏:
日本が他国と比べて唯一強いのは政治的安定。マイナス成長しても政権が倒れない、国が二つに分かれないのは日本だけ。全員が沈んでも日本だけは首が出ているというシナリオもあり得る。たとえばアメリカの選挙を見ると、左右の対立が激しい。韓国も同様。日本だけが大した対立もない。まだ国会で桜がどうだとかやっている、平和な国。他国と比べて安定感が強い。

反町理キャスター:
トランプ大統領は11月にアメリカ大統領選挙を控え、今年中国との間に一戦仕掛けるのでしょうか。その場合アメリカにもダメージ、リスクがある。

愛知淑徳大学教授 真田幸光氏:
普通の方は仕掛けないと言っている。ただ、アメリカの経済成長率は落ちてきており、経済がよい状況と見られなくなってきている。弾劾裁判もあり、徐々にトランプ人気が落ちてきていることは間違いない。すると、中国の首根っこをしっかり抑えることがプラスになる可能性がある。それが読めれば、トランプ大統領のこと。一気にやる可能性もある。

反町理キャスター:
コロナウイルス問題を契機にアメリカが中国を叩きにいく場合、日本はサプライチェーンを別に作るなど、目に見える形で中国を外すのか。それとも間に立つようなポジションは可能なのか。

自民党政調会長代理 柴山昌彦氏

自民党政調会長代理 柴山昌彦氏:
安全保障の問題をはじめ、中国との間には山ほど懸案事項がある。知的財産の権利問題などもある。中国に対してしっかりとものを言うために、アメリカの存在が極めて重要だと私は思う。アメリカが中国に対して厳しくあたる場合、日本もアメリカと全く同じスタンスではなくとも警告を発する。それから、中国だけに依存せずサプライチェーンの多様化などのリスクヘッジを行うこと。経済的なネットワークを構築して、うまくやっていくことです。

反町理キャスター:
本気でアメリカが中国を叩くことに踏み込んだら、その影響でさらに日本経済が減速することも懸念されるのでは? 日本は政治が安定しているから……というお話があったが、もともとオリンピック後に経済の減速が予測され、さらにコロナウイルスの影響があるとすれば危険。これに対する覚悟が国会の議論に感じられないが。

自民党政調会長代理 柴山昌彦氏:
本当に、なんで国会はこのような状況なんでしょうか。まさしく、その本質的な議論を国会でやるべき。こういうときだからこそ絶対に政治が誤りなき対応をすること。経済がマイナス成長に近い深刻な状況にあっても、毅然とした形で国内経済対策を打てるかどうか。政治が安定していなければしっかりした経済対策も打てません。マイナス成長のリスクがあっても日本が対応できる、信頼できるという姿勢を見せることが、極めて重要だと思います。

(BSフジ「プライムニュース」2月11日放送)