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一律に当てはめてはダメ?「ベンチャー生まれのベンチャー育ち」視点の働き方

カテゴリ:ビジネス

  • “仕事を選択”するときにこだわるポイント
  • 全てやろうとせず、家事は諦めるところは諦める
  • リスクをとって挑戦する人を応援し報いる環境も必要

同じ企業にいても、誰もが同じ働き方をしているわけではない。

「働き方改革」が進められても、企業によって、各々のライフスタイルによって、仕事の仕方は異なり、一律に決められるわけでもないだろう。

そこで今回は、いくつものベンチャー企業を経て一児の母でもある幸村潮菜さんに、ベンチャーそして母親目線からの「働き方改革」について話を聞いた。

チャレンジしている人たちが好き!!

幸村潮菜さん

まずは、幸村さんの経歴を振り返る。

現在、株式会社マクニカの新規事業本部ヘルスケア事業推進室長の幸村さんは、過去には楽天株式会社や株式会社ランサーズなどで働いていた。自身を「ベンチャー生まれのベンチャー育ち」だと話し、スキルのベースはインターネット領域の事業開発。

今、幸村さんが所属するマクニカは世界80以上の拠点で展開するエレクトロニクスと情報通信を中心とした事業領域で活躍する商社。いわゆる大企業だ。マクニカに所属しながらも、出資先である、生活習慣病患者向けのプログラム医療機器を開発するスタートアップ「Save Medical」で取締役も務めている。

そんな幸村さんが“仕事を選択”する際のこだわりは一つ。「日本で初めてのビジネスモデルや新しいマーケットであること。自分たちがビジネスのルールを作るタイミングから携われるのが面白いし、何よりそこでチャレンジしている人たちが好き」と話す。

家事は諦めるところは諦める

仕事への熱量をひしひしと感じるが、幸村さんは一児の母親でもある。出産を機に楽天を退職するが、子育て中に上場前のベンチャー企業に転職している。

子育てをしながらの転職、ベンチャー企業での勤務…多忙な印象を受けるが、幸村さんは「仕事と家事、両方やって忙しいというのではなく、仕事に集中できるような環境を夫と一緒に考え、二人で整えています」と話す。

料理、掃除、洗濯といった家事については、基本はスマート家電やアウトソーシングに頼る。夫婦ともに、出張や会食も多く深夜の帰宅になることもあるというが、幸村さんか夫が21時までには必ず家にいるようシフトを組み、それまで子どもは学校、学童、そしてベビーシッターを活用し、見てもらっているという。

もちろん、各家庭によってさまざまな事情はあるが、幸村さん自身は「すべてを自分でやろうとせずに、諦めるところは諦める」というスタンス。その理由は「自分自身が少し余裕を持ち、ハッピーじゃないと仕事もツラくなり、家庭でも良い関係を築けないから」と明かした。

『働き方改革』は一律で当てはめることではない

パワフルな幸村さんの仕事の原点は楽天での成功体験にある。

まだインターネットでモノを買うような時代ではないときに楽天へ入社し、ITのメガベンチャーへと大きくなる過程を経験したことが今につながっている。「ベンチャーが成功するのは大変です。でも、そこには夢があり、大変であればあるほど、みんなで乗り越えた時の達成感や個人の成長実感がある。ベンチャーには成熟した大企業ではなかなか経験できない、面白みもあるんです」と目を輝かせる。

このようにベンチャー業界に長く身を置いてきた幸村さん。新しいビジネスを生み出すことがベースにあるため、働き方にも課題があるという。

「ベンチャー企業といっても様々なスタンスがあると思いますが、新しい産業やビジネスが立ち上がるフェーズにおいて、私は『働き方改革』は画一的に適用されるべきではないと思います。

最近では仕事で海外ベンチャーとのやり取りも増え、そこで感じるのですが、グローバル・トップの高等教育を受けた優秀な人材たちがベンチャー企業に集まり、昼夜の区別なく、新しいビジネスの立ち上げにチャレンジをしています。アメリカや中国、インドはもちろん、シンガポールも韓国も台湾でも感じる。彼らは日本と違って自国のマーケットが小さいから一生懸命です」

幸村さんは夜通し働くことを推奨しているワケではない。働き方は企業や個人それぞれが決めるべきことだとしながらも「グローバルで見たときに、速いスピードで進化している産業やマーケットはあり、好むと好まざるとに関わらず、彼らと競争していることを考えなければならない。そう考えると、『働き方改革』は一律で当てはめることではないと思います。リスクをとってチャレンジしている人を応援し、報いる環境も必要」と話した。

そんな幸村さんの今のチャレンジは、大企業の立場でベンチャーを支援しながら新しい産業を育てていくこと。

ベンチャーはないない尽くし。資金も、人材も、製品も。市場すらまだない時もある。一方で、大企業にはR&Dの予算があり、新しいビジネスが軌道に乗るまで支えることができる多様で豊富なアセットもある。

そこで、幸村さんは「大企業側からベンチャーと連携し、新しいビジネスを立ち上げてみようと思ったんです。今までの経験から、ベンチャーと大企業、また既存産業とデジタルの双方を理解しながら繋ぐことができると思っています。これからも既存の枠組みにとらわれずに大きな仕掛けにチャレンジしていきたい」と語った。

何か新しいモノを生み出す作業は時間と労力が掛かる。時には時間を忘れるように働くことが、未来の成功につながることもあるかもしれない。幸村さんが言うように、働き方改革を一律で当てはめるのではなく、それぞれの企業に合う働き方を見つけることが必要なのだろう。

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