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“窮地”からの挑戦! 東京パラリンピックを目指す義足のパラカヌー選手

カテゴリ:国内

  • 東京パラ五輪出場を目指すパラカヌー・今井航一選手
  • 2013年にがんで左足の太ももから下を切断...2017年にパラカヌーに出会う
  • クラウドファンディングで資金を集めながら挑戦を続けている

東京パラ五輪出場を目指す義足のパラカヌー選手

東京パラリンピック出場を目指す、義足のパラカヌー選手が、香川・坂出市にいる。
マイナーな競技に加え、練習場の確保にも苦労しながら、多くの人の支援を胸に挑戦を続けている。

最高速度は、時速16km。
坂出市の府中湖カヌー競技場を、長さ5mのカヌーが突き進む。
力強い姿は、健常者のスポーツと変わりない。
違うのは、桟橋に義足が置かれていること。

坂出市在住の今井航一さん(45)。
東京パラリンピック出場を目指し、トレーニングに励んでいる。

今井航一選手:
まだまだ力不足な点は多々あるんですけど、自分の夢に向かって行きたい

がんで左足の太ももから下を切断...パラカヌーへの挑戦

広島市出身で、現在 坂出市内で、はり・きゅうやマッサージ業の仕事をしている今井さん。
2013年、左足にがんの一種である悪性肉腫を発症し、左足の太ももから下を切断した。

今井航一さん:
まさかというか、そうかというか。仕事をどうしよう、入院中の生活をどうしよう、復帰に向けてどうしよう…いろいろなことが頭の中に駆け巡った

絶望してしまいそうな状況だったが、それではいけないと気持ちを切り替えた。
営業職の仕事を辞め、はり・きゅうやマッサージ業の技術を学べる香川の専門学校に入学。
香川に来て出会った妻の礼子さんが、高校時代にカヌーをやっていたことから、リハビリも兼ねて2017年 パラカヌーを始めた。

今井航一さん:
足がなくても、ある程度のパフォーマンスを出してカヌーというスポーツを楽しめる。そういう面白さにひかれて、今まで続けています

パラカヌーは、3つにクラスが分かれていて、今井さんは『腰から上が動くクラス』となっている。
健常者と同じに見えるが、カヌーの内部で左足を踏ん張れないので、筋肉の使い方が通常と大きく異なる。
左足がない代わりに体幹を強化しようと、今の時期は10kmの長距離をこいだり、筋力トレーニングなどに励んでいる。

今井航一さん:
左足の太ももの半分から下がないので、バランスが良くない。体幹の強化は始めたころからやっていて、さらに強化する

2019年9月の全国大会では、男子シングル200mで、パドルを片方だけでこぐヴァー種目で1位。パドルを左右でこぐカヤック種目で2位に輝いた。
いよいよ2020年3月には、東京パラリンピック日本代表入りをかけた大会に臨む。

クラウドファンディングで資金を集めて競技継続

この日は、練習場にあるゲストを呼んだ。
カヌーを体験してもらったのは、今井さんを支援する兵庫県の男性。
今井さんは2019年、クラウドファンディングを行い、競技をするための資金として約80人から約130万円を集めた。
この男性も今回、支援した1人。

クラウドファンディングで支援した男性:
うちの両親は50代でがんになって亡くなった。母親は香川出身で、何か縁を感じて支援した。頑張ってもらって、パラリンピックで良い成績を残してほしい

パラカヌーは、競技人口が国内で40人ほどのマイナースポーツ。香川で公式大会に出るのは、今井さん1人だけ。
知名度の低さに加え、練習施設が少ないのが要因。
今井さんは、クラウドファンディングなどで資金を集めながら競技を続けている。
こうした苦しい状況の中、妻の礼子さんも今井さんをしっかり支えたいと思っている。

妻・礼子さん:
前向きに歩んでいこうとしているのはすごい。私は夫が専念できるように環境を整えていきたい

今井航一さん:
皆さんからもらった応援の思いを感じながらやっている。本当に感謝の言葉しかない。精進して東京パラリンピックに出場できるように頑張る

充実しているとは言えない環境で、多くの人に支えてもらいながら前向きに取り組んでいる今井さん。
勝負の年が始まる。

(岡山放送)

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