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パラオ沖でオキゴンドウの群れを撮影! クジラとイルカの違いは曖昧?専門家に聞いた

カテゴリ:話題

  • パラオ沖で撮影された美しい「オキゴンドウ」の群れ
  • そもそもイルカとクジラの違いは?
  • 映像に鳴き声も…専門家「高度なコミュニケーションを取っている」

現地ダイバーが撮影したのは…

南国パラオから、美しい映像がビデオpostに届いた。

透き通る青い海を優雅に泳ぐ、数頭の群れ。
「Blue Marlin」所属のダイビングガイド・井口優さんが2019年11月中旬、パラオのペリリュー島周辺で撮影したのは、体長3メートルほどのオキゴンドウ。
ぴったり寄り添っていて、耳を澄ますと鳴き声のようなものも聞こえる。

パラオ在住14年の井口さんは、「年に数回見かけることはあります。しかし、人が海に入ると警戒して逃げてしまうため、その姿を映像に残すことはできませんでした。この日は、自分だけボートにつかまり、引っ張ってもらいながら、撮影に成功。とても興奮しました!」と、話した。

イルカのように見えるが、「オキゴンドウ」はクジラだという。
そもそもクジラとイルカの違いは、どこにあるのか?
クジラの生態にくわしい東京海洋大学の中村玄さんにお話を聞いた。

「クジラとイルカを分ける明確な基準はない…」

ーーオキゴンドウって、クジラ? イルカ?

「イルカとクジラの違いは何か?」との質問はしばしばありますが、 ○○イルカと呼ばれるものは、すべてクジラの仲間に含まれており、生物学的にクジラとイルカを分ける明確な基準はありません。

分類学上は、共に「鯨目(近年では鯨偶蹄目としてまとめられることもある)」に属しており、現在では90種ほどが知られています。
このグループの中で比較的体長の小さな種類が“○○イルカ”と呼ばれることがある、といった状態なのです。

オキゴンドウは、成体で6メートル近くになりますので、3メートルだとすると、子どもと考えられます。
一方で、子どもだけでこのような群れを作っているとはやや考えづらいです。
本種に似た種類で、体長3メートルほどのユメゴンドウやカズハゴンドウという種類もいます。
こちらも、熱帯から温帯域まで広く分布しています。
比較対象がない水中では体長推定が難しく、また画像がやや不鮮明であることから、今回の映像がどの種類であるかについては残念ながらはっきりしません。

ーーパラオでは「パイロットホエール」と呼ばれているそうですが、名前の由来は?

現在では「Pilot whale(パイロットホエール)」は、オキゴンドウに近縁のコビレゴンドウやヒレナガゴンドウの2種を指しています。
これらの種類は、見た目が比較的オキゴンドウ(false killer whale)やユメゴンドウ(pygmy false killer whale)に似ているので、混同されているのかもしれません。
ちなみに、「pilot(パイロット)」とは、水先案内人を意味しています。
群れで泳ぐ際、1頭が前に出て群れを引っ張る様子から、名づけられたといわれております。


ーー映像では、鳴き声が聞こえますが、クジラはどこから音を出しているの?

鳴き声のようなものが聞こえますが、クジラには声帯がありません。

クジラは大きく分けて、ハクジラ類とヒゲクジラ類の2つのグループがあり、音の出し方に違いがあります。
オキゴンドウが属しているハクジラ類は、鼻道の途中に音を出す嚢(のう)状の構造物があり、そこで音を発しています。
また、ヒゲクジラ類は、あまりよくわかっていないのですが、のどに同様のサックを持っており、そこで音を出していると考えられています。

彼らは鳴き声を使い、個体間でかなり高度なコミュニケーションをしています。
また、コウモリのように、自分が発した音の反射(エコー)を認知して、周囲の様子を探ることもできます。
海洋は水深約200メートルを超えると真っ暗になりますが、クジラの仲間は、周囲がまったく見えない状況でも仲間とコミュニケーションを取り、エサを取ることができるのです。

生物学的にクジラとイルカを分ける明確な基準はないとのことだったが、この優雅な映像を見て思うのは、2020年のスタートくらいのんびり過ごしたいということだ。

(執筆:清水智佳子)

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