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期限迫るGSOMIAの行方は?韓国・文在寅大統領「国民との対話」を読み解く

  • 文在寅大統領は生放送で100分間「国民との対話」を行った
  • 「南北関係は2年前に比べて大きく改善した」
  • GSOMIA継続のための努力はするが原因はあくまで日本にあると強調

5年の任期の折り返し地点を迎え、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は韓国MBCの番組に生出演し、100分間の「国民との対話」を行った。質問者として放送局に選ばれスタジオに集まった300名の国民は、性別・地域・年齢など統計に基づいた比率で選ばれ、「ミニ大韓民国」を構成するものとされている。

今回の放送で扱った文在寅発言のうち、特に南北関係とGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)についての発言を詳報し、スタジオに迎えた識者の見解とともにまとめた。

文大統領 「南北関係は対話局面に 2年前は戦争の危険もあったのに」

文在寅大統領:
南北関係については、非常にやりがいを感じている分野でもある。わずか2年前、2017年度の状況と今の状況を比較してみてほしい。当時は、下手をすると戦争が起きるのではないかと言われるほど、全世界で最も戦争の危険があるとされるところが朝鮮半島だった。しかし今は戦争の危険は回避され、対話の局面に入った。

もちろん対話が大きく成功したわけではなく、いつ平和が崩れ過去に戻るかはわからない。我々は必ず、現在の対話の局面を成功させなければならない。政権初期の頃、2018年度の平昌冬期オリンピックの後に3回にわたる南北首脳会談、そして米朝首脳会談も行われた。それに比べれば近頃の南北関係は膠着状態に見え、もどかしいと思われるかもしれない。しかし我々は、70年間に渡る敵対関係がありながら、対話と外交によって関係を広げてきた。時間が多くかかるのは仕方ない、紆余曲折を経なければいけないという点は、理解していただきたい。

文在寅大統領:
南北の関係だけであれば、もっと早く進められたと思う。しかし、南北関係の発展においては国際社会と歩調をあわせなければならない。特に米朝間では非核化交渉が進んでおり、この成功のために同盟国のアメリカと歩調を合わせる必要がある。そうした面で遅れているという点もまた、もどかしいかもしれない。

しかし、南北両国が公言したように実務交渉を経て首脳会談を行おうという試み・努力は進んでいると考えている。また第3回の米朝首脳会談が行われるなら必ず成果はあるものと思う。そうなれば南北関係もはるかに進むものと考える。

(南北間の経済協力事業の停止により)開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光産業に携わる非常に多くの方が被害を被った。しかしいまの準備期間さえうまく乗り越えれば、早く復旧するものと信じている。また南北の鉄道や道路をつなげる事業にも着手している。

文大統領 「最後の瞬間まで日本とともにGSOMIA終了回避の努力をしたい」

文在寅大統領:
韓国政府の立場は何度も発表した。しかしGSOMIA終了を避けることができるのであれば、最後の瞬間まで日本とともにそのための努力をしていきたいと思う。

GSOMIA終了問題は日本が原因を作ったものである。韓国は日本の安全保障において防波堤という大きな役割を果たしている。日本はアメリカの安保の傘と韓国の防波堤によって防衛費を削減し、自国の安全保障を維持している。実際、日本のGDP全体に占める防衛費の割合は1%に満たない。一方、韓国の防衛費は2.5〜2.6%と非常に高く、それは日本にもプラスになっていると思う。

しかし日本は輸出規制を行って、その理由を韓国が安全保障上信頼できないためであるとした。フッ化水素は韓国の半導体産業において欠かせない存在だが、それが北朝鮮など第三国に渡って大量破壊兵器や化学兵器になり得るから韓国を信頼できないとした。「安全保障上信頼できない」と言いながら「軍事情報交換をしたい」というのは矛盾した態度である。

文在寅大統領:
韓国に対するそのような疑念自体が問題だが、たとえ疑念があったとしても、輸出物資についての統制の強化体制をとってほしいという要求や、その実際の用途についての内訳を知りたいという要求があってもよかった。また、両国間のコミュニケーション強化の要求があってもよかった。しかしそのような話は何もなく、日本はある日突然輸出規制の措置をとった。韓国はこれに対し、当然取るべき対応を取った。

中心にあるのは米韓同盟だが、日米韓の安全保障上の協力も重要。私たちはなるべく日本とも協力したい。もしGSOMIAが終了しても日本と安全保障上の協力をしたい。日本は問題解決のために韓国と膝を交えていく必要がある。日本の態度の変化が急がれる。

スタジオの識者はどう見たか

武藤正敏 元大韓民国特命全権大使:
文在寅は格好いいことは言うが、現実をちゃんと見ていません。日本の防衛費が少ないと批判したが、ではなぜ「日本が軍国主義国家になっている」などと言うのか。日本が防衛費を増やせば、韓国は文句を言ってくる。文在寅が客観的に見て日韓関係を改善しようとすれば、できるはずです。

真田幸光 愛知淑徳大学教授:
文在寅大統領は、アメリカから離れていく前提で動いていると思う。そうなると北は敵ではない。するとアメリカ・日本と連携をとる必要はない。しかし面と向かってアメリカに言うのは怖いので、日本のせいでGSOMIAを破棄しなければならない、と言い訳を作っている。GSOMIA破棄はまちがいなくやるでしょう。

BSフジLIVE「プライムニュース」11月19日放送分