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皇后雅子さま感涙…報道カメラマンたちが見た「祝賀パレード完全版」

カテゴリ:国内

  • 11月10日に行われた即位パレード「祝賀御列の儀」
  • 放送に惜しくも載らなかった膨大な映像の中から珠玉のカットを再編集
  • 現場の独特な息遣いが伝わってくるような映像などパレードの魅力を改めて実感できる

柔らかな午後の陽射しと人々の祝福に包まれ車列はゆっくりと進んでいく。
沿道に集まった約11万9000人の歓声とはためく日本国旗。
人々の記憶に「令和」という新しい時代の一頁が刻々と綴られていく。

令和元年11月10日、国民に広く御即位を披露され、祝福を受けられるためのパレード「祝賀御列の儀」。車列には、秋篠宮ご夫妻や安倍総理の姿も確認出来た。白バイやサイドカーなどの警護車両を加えた約50台が皇居から赤坂御所までの4.6キロのルートを走行。車列の長さは、約400メートル。
その光景は圧巻だった。

カメラマンのこだわりカットを再編集

当日生中継された映像に加え、微妙なタイミングのズレなどで放送に惜しくも載らなかった膨大な映像の中から珠玉のカットを再編集。
撮影したカメラマンの緊張感や現場の独特な息遣いが伝わってくるような映像など、パレードの魅力を改めて実感できる映像集に仕上がっている。
あの感動をもう一度…


もう一つの現場 編集マンの想い

撮影したカメラマンとパレード映像を繋いだK編集マン。
映像を繰り返し見ながら、何度も話し合い、繋ぎ直し、そして何回も何回も見直し、ようやく再編集は終了した。みな一様に安堵の表情を浮かべ、出来上がった映像を最終確認しようとしたそのとき・・・K編集マンから一言。「もう一度編集してもいいですか・・・」


編集室の空気が一瞬止まった気がした。しかし彼の顔はすでに、まっすぐ編集機に向かい合っていた。彼はパレード当日も時間と戦いながら編集し、視聴者に歴史的なパレードの模様を伝えていた。映像だけでなく、現場の“空気感”までをも繋いでいくK編集マン。そんな彼の胸に去来するものは何だったのだろうか。今回の編集は、その数時間後に終了したが、彼にとってその時点では、未だ完成ではなかったのだ。

沿道の観覧ブースに入ることができなかった大勢の人たちがいた。
車列からどんなに遠く離れていても、その波は続いている。
天皇皇后両陛下のお姿どころか、車列すらまともに見えない位置からでも、人々は日本国旗を振り、皆一様に穏やかな表情で遠くの車列を見守っている。中には涙する女性の姿も・・・そんな様子をカメラマンたちは映像に収めている。
この編集マンが繋いだ映像はこのように、新しい時代をお祝いする大勢の人々の気持ちも盛り込まれている。もう一つの“現場”がそこにあった。

パレード撮影を終えて

5月1日の「天皇陛下即位の日」翌日から、今回の「祝賀御列の儀」へ向けて準備を進めてきた。パレードをより効果的に撮影するためには、どこにカメラを配置すればよいのか。季節によって日光の加減も違う・・・などなど、全部員で考え、意見を出し合ってきた。

平成2年のパレード映像を参考にしながら、取材の合間に、皇居から赤坂御所までの4.6キロのルートを何度も何度も歩いた。沿道のビルやマンションなどからの撮影許可を頂けないかとビルのオーナーなどと幾度も交渉を重ねてきた。結果的に、警備上の理由で撮影不可となった場所もあったが、多くの方々にご協力頂き、多角的にパレードを取材できたと思う。

約5ヶ月間準備してきて迎えた「祝賀御列の儀」。現場のカメラマンたちは何を見て、何を感じたのだろうか、訊いてみた。

パレード直前まであった青山通りの喧騒は、車列が遠くに見えた途端静かになり、荘厳な空気に包まれた。その瞬間ものすごい緊張を感じた。(青山通り担当 Sカメラマン)

撮影場所には6時間前に着いて準備をしていたが、パレードが始まるギリギリまでカメラポジションに悩んだ。数えきれないほどある他のカメラと区別化するためにどのように撮影するか頭を悩ませた。(平河町交差点担当 Mカメラマン、国会議事堂より撮影Iカメラマン)

パレード沿道の様子を映像だけでなく、音でも表現できるように苦心した。(祝田橋担当 音声T)

人混みの中でのネット回線を使用した機器はほとんど役に立たず、映像の伝送に苦労した。(豊川稲荷担当Nカメラマン)

日向や日陰が混在している場所でも明るさの調整や色の設定に苦慮した。(青山通り担当 Yカメラマン)

本番ではリハーサル時には起こらなかった歓声が凄く、自分がしている仕事の重みを感じた。(二重橋前交差点担当 音声K)

沿道は御即位を祝おうとする観衆で、普段とは全く違う心地よい不思議な一体感があった。( 国会図書館前交差点担当 音声K)

パレードが始まる30分前は赤坂警察署近くの手荷物検査場も入場制限で閉鎖されたが、沿道に入れず観ることがかなわなかった大勢の観衆も雰囲気だけでも味わおうと穏やかに見守っていた。(赤坂ドキュメント班 音声S)

未来のカメラマン達へ

一歩、もう一歩と近づき、その目指す一点へ丁寧に焦点を合わせる。ひとつひとつの映像を積み重ね、何十人ものカメラマン達が撮影した「祝賀御列の儀」。我々が参考にした29年前の平成パレード映像と同様に、未来永劫残るこの歴史的映像は後世のカメラマン達に引き継がれるだろう。
撮影したカメラマン達の名前は残っていなくとも、撮影された映像は歴然と残る。次の時代の撮影者は、私達が経験した撮影時の「迷い」や「決断」を紐解くことになるだろう。我々が経験したのと同じように悩みながら「歴史の続き」の撮影に挑んでほしい。

「未来のカメラマン達」にこの映像を捧げます。

2019年11月10 日「祝賀御列の儀」全ての撮影者より
フジテレビ報道局 取材センター取材撮影部