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色鮮やかな落ち葉に埋もれるタヌキの姿が話題…潜っているのはやっぱり暖かいから? その理由を聞いた

カテゴリ:国内

  • 北海道のおびひろ動物園で色鮮やかな落ち葉に埋もれるエゾタヌキが話題
  • 担当者によると「野生のエゾタヌキが落ち葉に潜る例はあまりない」
  • 潜り始めたきっかけも担当者に聞いた

秋も深くなり、全国各地で紅葉も見ごろを迎えている今日この頃。休日には、紅葉狩りをしにちょっとした旅の計画を立てている人もいるのかもしれない。

そんな美しい紅葉だが、北海道ではすでに落葉しているところもあるようだ。そして今、この色鮮やかな落ち葉とある動物を捉えたかわいらしい画像が反響を呼んでいる。まずは、こちらの投稿を見ていただきたい。



埋もれタヌキ」という印象的な言葉とともに投稿されたのは、真っ赤な大量の落ち葉の中から頭だけをひょこんと出しているエゾタヌキの画像。

11月という季節柄、肌寒くなっていることがうかがい知れるが、ぬくぬくと暖かそうなタヌキの姿には人間っぽさすら感じてしまう…。

この投稿には、「待ち受けにしたい」「か、か、かわええ」「落ち葉が発酵してるから、暖かいのかな?」などというコメントが並び、11月12日現在で約6000のリツイート、約13000のいいねが集まっている。

投稿主は「おびひろ動物園」( @obihirozoo)の公式Twitterアカウント。同園は、1963(昭和38)年7月に北海道で2番目に誕生し、2019(平成31)年3月末の時点で66種337点の動物を飼育する。国内で2番目に高齢のインドゾウのナナ(推定58歳)のほか、エゾタヌキやエゾリス、エゾモモンガといった北海道固有の動物を展示しているそう。

なんでも同園にはエゾタヌキが、今回注目を集めた雌の「あん」(7歳)のほか、4歳年上となる雄の「シロ」(11歳)がいるといい、水を抜いたタヌキ用プールに紅葉を集めての光景だったという。

だとすると、「シロ」も落ち葉に埋もれていたりするのだろうか? もしかしたら私たちが知らないだけで、エゾタヌキが落ち葉に埋もれるのは習性なのだろうか? 「おびひろ動物園」の飼育展示係の方に話を聞いてみた。

落ち葉に埋もれるのは、風を防いで暖かいから

――「あん」はいつから落ち葉に埋もれるようになってきたの?

10月中旬に落ち葉を入れ始めましたが、寒さが厳しくなるのと同時くらいに潜るようになったと思われます。

――「あん」だけでなく、もう一匹の「シロ」も落ち葉に埋もれることがあるの?

埋もれていることがあります。

――この状況は自然にそうなったの?

こちらで、落ち葉を獣舎内のプールに入れた際に、与えるえさを隠すところから始めました。タヌキは雑食性で、地面に落ちているえさの匂いを嗅ぎながら探索するため、採食エンリッチメント(動物たちが野生状態での採食を実現できるよう、えさやりの方法などを自然に近づけるなどの工夫を凝らすこと)の一環として行っています。

――今回のように、エゾタヌキが落ち葉に埋もれたがる理由を何だと考える?

落ち葉自体が風を防ぐのと、落ち葉がある場所がプールとしてくぼんでおり、風が当たりにくく、総じて暖かいからと思われます。

「寝ている時間の日中は潜っていることが多いです」

――落ち葉によく埋もれる時間帯はあるの?

主に日中
です。しかし風のない日は別の日当たりがいい場所で日向ぼっこをして
いることもあり、その場合は潜っていないこともあります。

――どのくらいの時間、落ち葉の中に埋もれている?

基本的には、寝ている時間の日中は潜っていることが多いです。

――そもそも、エゾタヌキが落ち葉に埋もれるのはよくあることなの?

エゾタヌキ自体の習性として落ち葉に潜ることは少ないかと思います

タヌキの習性として、自分で巣を掘るよりも、他の動物の巣穴を間借りしたり、岩場の陰などに巣を作ります。本州のホンドタヌキでは、民家の軒下に巣を構えることもあると聞きます。

もしかすると、自然にできた落ち葉たまりに潜ることや、えさを探すことはあるかもしれませんが、野生環境のエゾタヌキが落ち葉に潜っているのを観察された例はあまりないかと思います。

まずはエゾタヌキの生態や魅力を知ってほしい

――動物園にはたくさんの動物がいるが、“落ち葉に埋もれたエゾタヌキ”の姿を投稿した理由は?

秋の時期限定の落ち葉とエゾタヌキの組み合わせで素敵な写真が撮影できたことと、エゾタヌキの習性であるえさを探す行動を市民の方に知ってもらいたかったためです。

――その画像が反響を呼んでいることをどう受け止めている?

エゾタヌキの魅力を、SNSを通じて北海道外の方や、国外の方まで届けられてうれしく思います。

タヌキという種が、信楽焼きの狸やキャラクター化などで、市民の皆さまに親しまれてきた一方、野生動物としての本当の姿かたちがイメージと違うこと、またエゾタヌキについては車との交通事故が一番多い哺乳類であることなど、問題も抱えています。

まずは北海道の身近にエゾタヌキが棲んでいることと、その生態や習性、魅力を知ってほしいと思っています。

――最後に、今回エゾタヌキのどういうところを見てほしいか教えて。

「埋もれタヌキ」は落ち葉の紅葉シーズンと重なり色合いが素敵でしたが、“エゾ”と名のつく北海道の野生動物は換毛する種が多く、エゾタヌキも冬毛となります。12月1日からの冬期開園では、冬毛でフワフワになったエゾタヌキたちを見てほしいです。

温泉に浸かるニホンザルの姿はよく知られているが、エゾタヌキも暖を求めて落ち葉の中に身を潜めるらしい、というのは興味深い。

おびひろ動物園は現在、冬支度のために閉園しているが12月1日に冬期開園となる。期間限定のフワフワなエゾタヌキに会いに、この冬、北海道まで足を伸ばすのもいいかもしれない。

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