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SNSで結婚相手を募集し2週間後にはプロポーズ、そして選んだのは「週末婚」…二人が考える“夫婦の幸せ”

カテゴリ:国内

  • SNSへの投稿がきっかけで結婚することになった夫婦に取材
  • さらに結婚生活は、夫は東京・妻は山梨の“週末婚”
  • 二人の夫婦観についても聞いてみた

夫婦のなれそめは気になる人も多いだろうが、たいていは何らかの縁がある。
何気ない出会いから交際に発展し、ある程度の期間を経てプロポーズするのが一般的ではないだろうか。

しかし、ここにいる奈良大輔さんと妻・美緒さんのパターンはちょっと珍しい。
幸せそうな二人を引き合わせたのは、SNSに投稿された、たった一つの文章。それも投稿してから、2週間後にはプロポーズしたというのだから驚きだ。

奈良大輔さん、美緒さん

そして、その夫婦生活も独特。それぞれが地元に拠点をおき、東京(大輔さん)と山梨(美緒さん)を互いに行き来する週末婚生活を続けているという。

二人はなぜスピード婚をして、このような生活スタイルを選んだのだろう。
取材を通じて、二人の結婚・夫婦観を探った。

SNSで結婚相手募集も...未来の奥さんは「気持ち悪っ」

ことは2016年7月30日、大輔さんがFacebookにつづった一つの投稿から始まった。
その目的は、「結婚を前提に恋愛したい!」という“親友のNくん”をサポートすること。

投稿では、Nくんが結婚相手に求める10項目を“理想のパートナー検定”として掲載。回答によって合計点が算出され、100点満点中、40点未満なら「残念、来世で出会いましょう」、100点なら「運命かも」などと、Nくんとの結婚相手にふさわしいかどうかを確かめることができるというものだ。

大輔さんがNくんのために投稿した“理想のパートナー検定”


もうお気づきの人もいるかもしれないが、Nくんとは他ならぬ、大輔さんのことである。
10項目の中には「旅人志向のあるお嬢様」「美人」などと、一歩間違えると“炎上”しかねない表現もあり、周囲からは総ツッコミを受けたという。しかし、本人は大真面目。「過去の恋愛経験を一日中内省して、こんな人と出会えたらと書いた」

「エンタメとしても面白い。ただ項目は真剣に書きました」と投稿を振り返る大輔さん


そしてこの投稿を偶然目撃したのが、未来の奥さんとなる美緒さん。

大輔さんが運営するゲストハウスに興味を持ち、たまたまFacebookを覗いたところ、最初に目に飛び込んできたという。数年前に大輔さんと同じコーチングスクールに在籍していたが、その関係性は顔が分かる程度。「親友のNくんとか...気持ち悪っ」(美緒さん)と思いつつ、理想のパートナー検定に回答してみたことろ、その合計点はまさかの95点だった

ちなみに、唯一△にしたのは「美人」の項目。「美人の基準は人それぞれ」だと考えたからだという。

これが二人を引き合わせるきっかけとなる。

2週間でプロポーズ...心を動かされた理由とは?

美緒さんの回答が高得点だったため、二人は1度会ってみることに。投稿から1週間後の8月上旬、東京で食事をしたという。

大輔さんは東京、美緒さんは山梨に居住していたこともあり、「ゲストハウスの情報収集。恋愛対象とは1ミリも思ってない」(美緒さん)、「未来の嫁候補キター!」(大輔さん)と互いの気持ちには相違があったが、その約1週間後には大輔さんが交際を申し込んだという。結婚を前提とした、実質的なプロポーズだった。

「ネタで検定を受けたら、以外と高得点でした(笑)」と話す美緒さん

そして、さらにその1週間後、美緒さんはその申し込みを受け入れたという。

時系列でまとめると、2017年7月30日の結婚相手募集から、わずか2週間でプロポーズ、3週間で結婚相手が決まったことになる。

なぜこの短期間で、美緒さんは心を動かされたのだろう。

美緒さん本人によると、心境を変えたのは大輔さんの誠実さとまっすぐさ。「採用に関わる仕事をしていたので、人の文章や言葉尻を読む癖がついていて。投稿は気持ち悪かったけど(笑)、書いてる言葉の端々から、すごく真剣に考えていたことは伝わりました。会ったときも自分と真摯に向き合ってくれたので、そこが引き金ですね」

結婚式での二人


こうして二人は、結婚を申し込んでから親交を深めていくことに。
そして、この投稿から約1年後の2017年9月に結婚式を挙げたという。

結婚は「この人だけは味方でいてくれる」と思えること

この経緯だけでも驚くべきことだが、奈良さん夫婦はその生活スタイルも特徴的。

大輔さんは東京で会社員、美緒さんは山梨で地域起こし協力隊として働き、週末ごとに互いの拠点を訪れる“週末婚”を続けているという。東京、山梨それぞれでゲストハウスを運営していて、各々の拠点のゲストとも交流があるとのこと。周囲には驚かれたというが、仕事に集中できたり、再会したときに喜びを感じるため、二人にはこれが自然なようだ。

「世間一般の結婚とは違うかもしれませんが、私は『結婚=一緒に暮らすこと』ではなく、『何かあってもこの人は絶対味方でいてくれる』と思えることだと考えていました。今は自分も(大輔さんにとって)そんな存在でいたいと自然に思えます。その気持ちさえあれば、一緒に住めないことは大きな問題ではないと思います」(美緒さん)

恋人と夫婦のいいとこ取りができて、すごいラッキーな感じです。周囲は違和感を感じるかもしれませんが、私たち自身は全然とまどっていませんよ(笑)逆に皆さんは一緒に住んでいてどうなの?という感じもします」(大輔さん)

美緒さんのお腹には赤ちゃんが。男の子の可能性が高いとのことだ

なお、美緒さんのお腹には新たな命が宿っていて、2020年2月に出産を控えている。出産後は大輔さんも育休を取り、1年は山梨県で二人で育児をするというが、これからも東京・山梨の2拠点生活は続けたいとのことだ。そんなお二人に、夫婦とは何かを聞いてみた。

「一人でいるより可能性が広がり、互いを応援し合える存在だと思います。今の自分は『結婚はすごくいいもの』と感じているので、自分たちのように『助け合い、協力関係』を重視した自由なパートナーシップを築ける人が増えたらいいなと思います」(大輔さん)

「互いにとって一番の理解者であり、『この人と生きていきます』と伝えられる存在ではないでしょうか。ただ、私たちの様子を見てSNSで結婚しようとして、失敗した人も見てきたことは伝えたいです。(大輔さんは)自分の変なところも含めて、まるっと受け入れてくれる人ですね」(美緒さん)

SNSでの結婚、しかも週末婚と聞いたときは驚いてしまったが、大輔さん、美緒さんにとってはそれが自然な成り行きだった。夫婦の出会い、カタチはさまざまだが、大事なのは互いを思いやる、真摯な心なのかもしれない。

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