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今こそラグビー その魅力⑤未来への可能性

南アフリカの優勝で幕を下ろしたW杯(時事)

44日間にわたって行われたラグビーW杯も2日、南アフリカの優勝をもって、その幕を下ろした。
台風により一部の試合は中止を余儀なくされたものの、大会運営そのものは順調で、大きな盛り上がりとともに終えられたことを素直に喜びたい。
日本代表の活躍が多くの人々に感動を与え、大会の成功を後押ししたことは言うまでもないが、全ての参加選手や運営に当たった大会関係者、ボランティアの方々らに心からの御礼と感謝を申し上げたい。
ラグビーのさらなる発展と来年の東京五輪など、今後に控える国際的なイベントに向け、今一度この大会を振り返ってみたい。

日本開催の意義

今回のW杯はアジアで初めての開催となった。欧州や南半球の強豪「ティア1」以外の国で開催されるのも初めてである。日本代表のベスト8進出はアジアの存在感を高め、同じ強豪国によるW杯のマンネリ化を打破する可能性にも繫がるだけに、その意義はラグビー界全体にとっても大きいと言える。
代表に所属する外国人選手が国歌「君が代」を覚え、その意味を学び、様々な日本の文化、日本人の考え方を理解したことは、日本代表がより深いレベルの「ワンチーム」であったことを内外に知らしめた。

ボランティアの活躍も大会を支えた

日本の「心」も好意的に受け止められた。「おじぎ」は試合後の選手の習慣として定着し、出場国の国歌を日本人が歌う様は驚きと感動を持って世界に伝えられた。
ボランティアの活躍も大会を支えた。試合後にボランティアの方の「THANK YOU」と外国人の「ARIGATO」がハイタッチと共に交わされる光景は多くの試合会場で見られた。日本の印象を外国人に聞くと、最も多かった答えが「フレンドリー」だった。

「フレンドリー」なボランティア

楽しむ文化

地方も含めた試合会場で目にしたのは、心から楽しむ外国人ファンの姿だった。言葉も分からず、地理にも不案内な中で、リラックスし、酒を飲み、談笑し、時に歌う外国人ファンの姿は随所で見られた。
早めに試合会場に行くのは混乱を避けるためだけではなく、純粋にその日を、そのイベントを楽しむためであり、会場の雰囲気を満喫するためだろう。私が写真をお願いすると「一緒に撮ろうよ」と言ってくれる人たちばかりで、その明るさ、屈託のなさは深く印象に残った。
率直に言えば、彼らは楽しみ方が非常に上手である。周囲を笑顔にさせ、素敵なお祭りにする、そんな空気を醸成する彼らに学ぶところは多いような気がする。

イングランドのサポーター

課題はあるけれど・・

もちろん酒に酔った上でのマナー違反、飲食物の会場内への持ち込みの是非、チケットやオフィシャルグッズの購入に手間や時間がかかることなど、課題も多くみられた。来年の東京五輪などの国際的イベントに向け、改善の大きな材料になるだろう。

アイルランドのサポーター
ウェールズのサポーター

それでも被災地の岩手県・釜石で試合が開催されたことやカナダ選手が復旧のボランティアに参加したこと、「ワンチーム」がラグビー以外でも使われる用語になったことなど、社会に明るい話題を提供したことは何より喜ばしいことである。ラグビーが持つ、その独特の魅力を感じ取られた方も多いのではないだろうか。

岩手・釜石でボランティア活動を行うカナダ選手(10月13日)

今後は高校、大学ラグビーも佳境を迎え、年明けに始まるトップリーグでは日本代表の選手はもちろん、NZや南アフリカで活躍した選手も数多く参加し、熱戦が繰り広げられる。
東京の秩父宮ラグビー場や大阪の花園ラグビー場など、ラグビー専用のスタジアムは客席とグラウンドの距離が近いため、選手がぶつかる音、息遣い、熱気などをより楽しむことが出来る。
細かいルールは後でいい。レフリーがしっかり裁いてくれる。競技場に足を運び、試合をこの目で観ることをまずはお勧めする。

多くの人々に感動を与えた日本代表(時事)

(フジテレビ政治部デスク・山崎文博)