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“大人がいなくなった”ホワイトハウスからトルコに送られた親書でトランプ節が全開

モーリー・ロバートソンによる世界のツイート解説

  • トランプ節全開の親書が話題
  • エルドアン大統領は手紙をゴミ箱に捨てたとBBCが報じる
  • アメリカの撤退はロシアへの“置き土産”に...

世界の政治家やセレブ・要人のツイートをモーリー流に翻訳・解説する「Twittin’ English」。今回は10月17日、BBC News Worldのツイート。



モーリー:

前回、トルコがシリア北部のクルド人地域へ攻撃をした背景についてお話ししましたが、今回もこのニュースを掘り下げます。

Turkish president Erdogan 'threw Trump's Syria letter in bin'
トルコのエルドアン大統領は、シリアについて書かれたトランプ大統領からの手紙をゴミ箱に投げ捨てた。

イギリス英語がわかる人は、読んだ瞬間におもしろいと感じるのではないでしょうか。「bin」は「ゴミ箱」という意味。エルドアン大統領はトランプ大統領からの親書を受け取って、ゴミ箱へポイッと捨てた、という強烈な見出しです。

「強がるな、バカな真似はするな」

まず、経緯を説明します。トランプ大統領は、10月6日にシリア北東部からの米軍撤退を発表。それによってクルド人が梯子を外された、というのが前回までの動きです。

そして9日、トルコはクルド人の武装組織「YPG(人民防衛隊)」が支配するシリア北部への侵攻を開始しました。

ホワイトハウスは同9日付でトランプ大統領からトルコのエルドアン大統領宛に送られた親書の中身を公開。

遠慮のない物言いが並ぶ文面に「アメリカの大統領がこのような手紙を書くのか」と話題になった内容がこちらです。

THE WHITE HOUSE
WASHINGTON October 9, 2019

His Excellency
Recep Tayyip Erdogan
President of the Republic of Turkey
Ankara

Dear Mr. President:


モーリー:
ホワイトハウスの用紙ですね。私も大学1年生で習いましたが、Dearの後ろにコロンをつける、本文の前に一行空ける、宛名も「His Excellency(閣下)、トルコ共和国のエルドアン大統領、アンカラ」とあり、ここまではきちんとルールに則って書かれています。注目はこの後です。

Let's work out a good deal! You don't want to be responsible for slaughtering thousands of people, and I don't want to be responsible for destroying the Turkish economy──and I will. I've already given you a little sample with respect to Pastor Brunson.

モーリー:
出だしから「ヘイ、お前と俺とでさ、ディールしようや!」というような調子です。以下、日本語に訳します。
あなたは何千もの人々を虐殺したという責任を負いたくないでしょう。一方で私も、トルコの経済を破壊するという責任を負いたくない。そしてそれは、やろうと思えばできることなのです。あなたの国で米国人牧師のブランソン氏が拘束されていた時、私は一度トルコの経済を壊しましたね。あれをもう一度やろうと思えばできるんですよ。(今のところはやらないですが)

I have worked hard to solve some of your problems. Don't let the world down. You can make a great deal. General Mazloum is willing to negotiate with you, and he is willing to make concessions that they would never have made in the past. I am confidentially enclosing a copy of his letter to me, just received.

モーリー:
私はあなたが抱える問題のいくつかを解決しました。世界を失望させないでください。あなたは良いディールができる人間だ。クルドのマズルーム将軍は、あなたと交渉してもいいと言っています。そして彼の譲歩は、今までにないものになるでしょう。受け取ったばかりの私宛の手紙をコピーして、この手紙に同封するので読んでみてください。

History will look upon you favorably if you get this done the right and humane way. It will look upon you forever as the devil if good things don't happen. Don't be a tough guy. Don't be a fool!

I will call you later

Sincerely,

モーリー:
あなたがこの事態を正しく人道的に収めたならば、あなたは歴史に好意的に名を留めるでしょう。もし良いことが起こらなければ、歴史はあなたを永遠に悪魔として見なすでしょう。強がるんじゃない、バカな真似はするんじゃない。後で電話します。

プーチン大統領への地政学的な“置き土産”

ケネディやリンカーンが書いた手紙のコピーが、すべて公文書として保管されているように、この手紙も後世に残ります。
大統領の手紙というのは、大統領本人が話したことを秘書がメモや録音などして、それを基にゴーストライターが代筆したりするものです。ですから、通常はこのような文面にはなりません。私も絶句しました。

このような手紙が外国首脳に渡ることからもわかるように、現在、トランプ大統領にとっての「tether(つなぎ綱)」つまり、飛んでいかないように凧に糸をつけるような人がいないのです。ボルトン氏を最後に全員政権を去ってしまって、「部屋から大人がいなくなった」と言われる状態にあります。

そして、この手紙のやり取りの後、事態はどう動いたのか。

ロシアのプーチン大統領は22日、トルコのエルドアン大統領をソチに招いて会談を行い、ロシア軍とトルコ軍が国境沿いを共同警備することなどで合意。

つまり、アメリカが作った真空地帯をロシアがそっくりそのまま埋めたということで、トランプ大統領からプーチン大統領への地政学的な“置き土産”になったというのが現在の状況です。

(BSスカパー「水曜日のニュース・ロバートソン」 10/23 OA モーリーの『Twittin’ English』より)