災害時インフラ最新情報

運動会で心筋梗塞に襲われた男性…奇跡の救出劇! 3分以内で救命を成功させた“3つの偶然”とは?

カテゴリ:国内

  • 小学校の運動会で大玉送りに参加後、50代男性が突如心筋梗塞に襲われる
  • 男性を救った奇跡の救出劇…3分以内に救命措置ができた“3つの偶然”
  • 男性は後遺症もなく回復へ…本当に怖い心筋梗塞 救命する方法は?

わずか3分のリミット 運動会で起きた奇跡とは?

9月25日、栃木県日光市の小学校で行われた運動会。
この運動会で起こった“奇跡の救命劇”を「直撃LIVEグッディ!」は徹底取材した。

この日、運動場には児童92人に加え、保護者や地域の人など約300人が集まっていた。
午後1時25分、保護者らによる「大玉おくり」の競技終了後に異変は起こる。
参加した保護者たちが退場を開始した、その直後…

運動会の様子が収められていた映像に映し出されたのは「救急車!」「AED!」という慌ただしい声と共に運動場を走る大人たちの姿。

一体、何が起きたのか?その異変を目の前で目撃していたPTA会長の淡路さんに聞くと…

「ドタッと聞こえたんですよ。ふと振り向いたらもう倒れていて…最初は普通だったんです。で、だんだん赤黒くなって…」

大玉転がしを終えた男性が、退場中に突然立ち止まると、そのまま受け身をとることもなくバッタリと地面に倒れたという。

倒れたのは、この学校の児童の50代の父親。この時、男性を襲った体の異変は、心筋梗塞だ。

心筋梗塞は、心臓の血管が詰まり、血液が心臓の細胞に行き渡らず壊死する病気。死亡率が高い病気として知られている。

実際に男性の治療にあたった獨協医科大学日光医療センター・安 隆則院長は…

「この方の場合は、心室細動という一番重篤な不整脈を起こしました。最初の初期の蘇生がとても重要です。心筋梗塞になって亡くなる患者さんの50%は、病院にたどり着く前に亡くなっています」

安医師によると、心筋梗塞を起こした際の救命処置は「直ちに救急車を呼ぶ」「心臓マッサージを行う」「AEDで心臓のポンプ機能を正常なリズムに戻す」の3つ。

タイムリミットはわずか3分。
それを超えると、患者の蘇生率が格段に下がり、蘇生した場合も何らかの後遺症が残る危険性が高くなるという。

大きな持病もなく、心筋梗塞だとわかる人は誰もいない中、“奇跡の救出劇”はなぜ起こったのか?
取材により、“3つの偶然”が奇跡を起こしていたことが分かった。

【1つ目の偶然…友人の素早い判断】

男性が倒れた映像をよく見てみると、直後に躊躇することなく電話を手にする男性の姿が映っている。倒れた男性の友人、八木澤正則さんだ。

「見ていて尋常な倒れ方じゃないと判断しました。おそらく10秒以内には電話していると思います。(朝の様子は)全然変わらなかったです。だから本当にびっくりしちゃって」

たまたま携帯電話を手に持っていて、そして目の前でよく知る友人の異変を目撃した八木澤さんの素早い判断のおかげで、倒れてから8分後には救急車が到着したという。

【2つ目の偶然…すぐに開始できた心臓マッサージ】

運動会で、けが人や急病人に備えていたのが養護教諭の大島由子先生。大島先生によると、朝は職員テントで待機していたが体調の悪い児童がいたため、男性が倒れた時は児童テントに移動していという。それが偶然にも、男性が倒れた場所から約5メートルの距離だったのだ。

大島先生はすぐに男性の異変に気付き、駆け寄って直ちに心臓マッサージを始めた。先生の動きを見ていた人の証言では、男性が倒れてからおよそ10秒後には心臓マッサージが始まっていたという。

【3つ目の偶然…救命のスペシャリストの存在】

3つ目の偶然は、倒れた男性のすぐ横に、地域の見回りパトロールリーダー・沼尾成孝さんが居合わせたこと。実はこの人こそ、救命救急のスペシャリストだったのだ。

「消防職員になって42年間務めました。救急隊員の指導の勉強をして、職員を指導する立場だったんです」

沼尾さんは、元消防士。実際に何度も人命救助をした経験を持っていた。
男性が倒れてから2分後にAEDが到着すると、沼尾さんがAEDの装置を素早く取り付け電気ショックを与えると、すぐに男性の心臓の鼓動が戻ったそうだ。

「10秒以内の119番通報」「10秒後には心臓マッサージによる処置を開始」し、さらに「2分後のAEDで蘇生に成功」。タイムリミットである3分以内に、完璧な救命処置が行われていたのだ。

男性が救急搬送された後、まだ、騎馬戦と紅白リレーが残っていたが鬼怒川小学校の校長は、運動会の中断を決定した。しかし…

その日の夕方、倒れた男性は意識を取り戻し「これで運動会が中止になったら心苦しい。来年の春に卒業する児童に運動会の思い出を作ってもらえませんか」と学校側に伝えたそうだ。

そして翌日、会場には前日とおなじ300人が集まった。

武田幸雄校長:
本当に僕は今日、こういうふうに最後まで締めることができてありがたいと思っています。お世辞抜きで、鬼怒川小の保護者の方は日本一じゃないかなと思います。


倒れた男性の思いが伝わり、運動会は最後のプログラムまで行われたという。

後遺症なく回復…覚えておきたい応急処置

倒れた男性は入院から1週間が経つが、後遺症は全くなく、食事や歩行もすべて自分でできるという。現在、退院に向けて療養中だ。

心筋梗塞の時の救急処置は、以下の通り。

(1)心臓マッサージはすぐに行う
(2)声を掛け合い、応援の人員を増やす
(3)救急車を迅速に呼ぶと当時にAEDを準備する
(4)AED到着後、必ず作動させること


安藤優子:
本当に3分間の数々の処置が功を奏したわけですね。木村さん、AEDって大事なんですね。

木村太郎:
AEDがあると半分は助かると言いますよね。逆にないとほとんど助からないって…

安藤優子:
でも、AEDを開けてモタモタしてたら…

木村太郎:
ちゃんと(AEDが)言ってくれるんですよ、「ここに貼りなさい」って。様子見て、「これは(電気ショックは)必要ありません」とか、そこまで言ってくれるんでね、とにかく迅速にAEDを持ってくるというのが大切ですね。

安藤優子:
しかも元消防士の方が現場にいらっしゃったって。

木村太郎:
でも、今回のことを偶然のままにしておいちゃいけないですよ。

宮澤智アナウンサー:
そうですね。いつどこでも誰でもできるようにしておかないといけませんね。

(「直撃LIVE グッディ!」10月4日放送分より)