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超大型台風10号が接近中!海水浴場で水難事故多発の理由は「もどり流れ」!?そのメカニズムとは?

カテゴリ:国内

  • 超大型台風が日本列島に接近しており、15日には西日本に上陸する恐れもある
  • 台風の影響で、関東の海が荒れ、水難事故が多発している
  • 「もどり流れ」が危険!波のメカニズムを徹底解説!

超大型台風の影響で水難事故も相次ぐ

現在、日本に接近中の超大型台風10号。強風域は半径800km以上に拡大し、日本列島をすっぽり覆うほどの大きさだ。台風10号は勢力を強めながら、14日にも西日本に接近し、15日には上陸の恐れも出てきている。

だが、その脅威は西日本だけにとどまらない。

広範囲にわたる台風10号の影響で、関東でも海は大荒れ、水難事故が多発している。
千葉・勝浦市では、およそ40人もの海水浴客が流される事故が発生。浮き輪に乗っていた人が、一気に沖へ流されたという。この時、人々が巻き込まれたというのが「離岸流」だ

着色剤を使って「離岸流」を観測すると、浜へ打ち寄せる波に反して、色を付けた部分は沖へ沖へと向かっている。
「離岸流」とは、海岸に打ち寄せた波が沖へ戻ろうとする時にできる、速く強い流れのこと。
オリンピックのメダリストですら、これに逆らって泳ぐことは困難だと言われている。

そして、この「離岸流」を超える速さと威力を持つのが…「もどり流れ」だ。

きょうの「直撃LIVEグッディ!」では、水難事故の防止・救助を研究している水難学会会長の斎藤秀俊さんをゲストにお迎えし、解説していただいた。

「もどり流れ」の速さは「離岸流」の10倍

斎藤秀俊氏:
海水の流れるスピードで言うと、「もどり流れ」は「離岸流」の10倍くらいの速さで威力が強いです。
「もどり流れ」の時には、陸上にいる人がその流れに巻き込まれることがあるんです。陸上にいるということは、最初から泳ぐ気は全くなくて、まさか自分が溺れると思わずそこにいた人。そういった意味で、「もどり流れ」で流される方が(離岸流よりも)、危険性は高いと言えます。

まさに「もどり流れ」に襲われた瞬間をとらえた映像がある。

波打ち際で遊ぶ子供が、波にのまれ沖へと引っ張られていく。そこに、大人たちが次々と駆け付けていくのだが…。

波が引いていく力で、大人たちまで軽々と流されてしまっている。この後、子供も大人たちも無事に陸に戻ることができたが、一歩間違えれば命を落とす場面だ。

なぜ、「もどり流れ」はこれほどまでに威力が強いのか?
そして、もし「もどり流れ」に巻き込まれてしまったら、一体どうすればいいのだろうか。

「もどり流れ」の波の動きとは?

倉田大誠アナウンサー:
「離岸流」は、波が沖に戻る時にできる、速く強い流れのことで、これは海中で起こる水流の動きです。浜辺にいても危険と言われているのが「もどり流れ」。
離岸流と何が違うのか、模型を使って説明したいと思います。

倉田大誠アナウンサー:
青い部分が海、茶色い部分が砂浜、白いものを波と見立てて説明します。砂浜は一直線ではなく、だいたいは凹凸がありますよね。波が沖の方からやってくると、まずは手前の砂浜に波が当たります。

倉田大誠アナウンサー:
その後、波はどのような動きをするのかというと…、砂浜が湾曲している部分に、波が集まるんです。

倉田大誠アナウンサー:
この湾曲している部分に一気に水の流れが集まり、水位も高くなります。そしてその後、波が引いていきます。

倉田大誠アナウンサー:
波が引いていった時の、この部分がまさに「もどり流れ」なんです。最も強い力で、海水が沖の方にグーっと流れていきます。例えばお子さんが波打ち際で遊んでいて、足がついているので安全だと思っていても波にのみこまれてしまう可能性があるのが「もどり流れ」の怖いところです。

斎藤秀俊氏:
全体で来た波が、ある一カ所に集中して引いていくわけです。全体の波の威力が一カ所で固まって人間を襲ってくると考えていただければ。

高橋克実:
僕が10年くらい前に、まさにこういう感じで溺れたことがありますよ。浜にいるのに、いくらやっても元に戻れないんですよ。自分は必死でもがいているんだけど、周りにいる人たちは「まさか、ふざけているんだろう」としか思わない感じで…。

安藤優子
足はつけなかったんですか?

高橋克実:
全然、足はつくんですよ。つくんですけど、上がれない、(足元が)崩れないところまで到達できないんです。そうしている間にまた次の波が来るじゃないですか。僕はゴロゴロ転がって…なんとか浜には戻れたんですけど。

安藤優子
斎藤さん、「もどり流れ」は、そんなに勢いの強いものなんですね。

斎藤秀俊氏:
例えば、ウォータースライダーのようなものだと思っていただければいいと思います。水と一緒に体が流されてしまう。

安藤優子
ウォータースライダーって相当の勢いですよね…。じゃあ私たちがどうやって泳いでも、太刀打ちできないということですか。

斎藤秀俊氏:
はい。ウォータースライダーを逆走するなんてこと、無理ですよね。それをやろうとしたって無理ですから、この場合はもう流れていくだけになります。

もし流されてしまった時、どうすればいいのだろうか?

流されたら「浮いて待て!」

<海に流されてしまった場合>
・合言葉は、「浮いて待て!」
・NG行動は…泳ぐ、服や靴を脱ぐ、手を振る

倉田大誠アナウンサー:
泳いだり手を振って助けを求めることは、ついついやってしまいがちだと思うんですが、NGなんですね。

斎藤秀俊氏:
バランスを崩して沈んでしまいます。写真は見事に浮いていますが、これはNG行動を全部やらなかったから安定しているわけです。NG行動のうち一つでもやってしまうと、バランスを崩してしまいます。

安藤優子:
子供は、溺れてしまったら「落ち着け」と言っても難しいですよね。大人だってそうですけど…。

斎藤秀俊氏:
実は今、ほとんどの小学校でこの「浮いて待て」の訓練をやっています。ですので、お子さんの方がきちんと対応できると思いますよ。大人の方が危ないかもしれません。

倉田大誠アナウンサー:
続いては、実際に救助が必要な人を見た時にどう手助けをすればいいのか見ていきましょう。

<子供が海に流されてしまった場合>
・助けようと水に飛び込んではダメ!⇒救助者も被害者になる可能性がある
・118番(海上保安庁)、119番(消防)、ライフセーバーなどに連絡して助けを求める

斎藤秀俊氏:
助けを求めた後にどうしても飛び込みたくなったら、お子さんに向かって「浮いて待て」と大きな声で叫んでください。どうしても、どうしてもそばに寄りたいということで海の中に入ってしまったら…、その時には親子でラッコ浮きをして救助を待つ。これが最終的な選択肢です。

高橋克実:
なるほど、子供をお腹に抱えて、親子で背浮きをすると。

サバンナ高橋:
子供を抱きかかえて、泳いで戻ろうとするなということですね。

(「直撃LIVE グッディ!」8月13日放送分より)