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「仕事」の境界線はどこ? “勤務中に送別会準備”で大阪府職員の処分検討…一般企業ではどうなる

カテゴリ:国内

  • 大阪府職員が勤務中に送別会の準備「職務専念義務」違反で処分検討
  • 弁護士「公務員の場合、送別会は仕事ではない」街の意見は?
  • 一般企業でも問題になる可能性 上司の命令なら“業務”だが…

公用メールで送別会の案内&記念品代を職場に保管

出会いと別れ、職場での突然の異動…上司や同僚を送り出す時に送別会を行うことは珍しくないだろう。
その「送別会」が原因で、大阪府の職員が処分を検討される事態になっている。

元大阪府の総務部長が大阪府堺市の副市長に就任したため、大阪府の職員で送別会を開くことになった。そこで、勤務中に職場のパソコンを使い、公用のメールアドレスで同僚らに送別会の参加の呼びかけなどを行ったというのだ。

また、送別会に参加できない職員からは記念品の代金、総額1万2500円を庁舎内で集め、法務課内の金庫に保管。これは「原則、職場には現金を置かない」と定めた内規に違反する可能性もある。

これを受け、大阪府の吉村知事は会見で次のように述べた。

大阪府 吉村洋文知事:
長年勤めてきた部長の送別会をすること自体は、したいという思いは分かります。ただ一方で、禁止されている公用メールを使いやり取りするのは、あってはならないこと。

大阪府は公用メールの私的利用を禁じていて、勤務中の送別会の準備を行ったことは、職務専念義務に違反する可能性があるとして、関係者の処分を検討しているというのだ。

今回の事態を街の人はどう考えるのか?

女性A:
処分まで行かなくても…

男性:
ちょっと極端かなという気はしますね。

女性B:
なんか処分までは「なし」な気がします。

処分が検討されていることには少し同情的な意見も聞かれたが、公務員が勤務中に送別会を準備することは「あり」なのか、それとも「なし」か。
今回の「NEWSヤマサキ調べました」では、働く人にとって身近な疑問を調査した。

公務員が業務時間中は問題あり? 一般企業の場合は?

7月29日に東京・有楽町で取材した男性2人は、送別会について…

ーー送別会は仕事ですか?

男性A:

仕事じゃないです。

男性B:
仕事。

と意見が割れてしまったが、実は2人とも現役の公務員だ。

男性A:
いやー難しいですね、それは…ちょっと(もう1人の男性に譲る)

男性B:
送別会でしょ?送別会だから、いんじゃない仕事で。仕事で良いと思いますよ。

男性はこう言い切ったが、実際に公務員の送別会は 「仕事」にあたるのか?労働問題に詳しい弁護士に見解を伺った。

勝木萌弁護士:
公務員の場合は「公共の利益のための奉仕者」になるので、簡単にいうと、労働時間中は国民や市民のために仕事をしなければいけません。そうすると、部署内の飲み会や内部のことを業務時間中に行うことは、問題があるのではないかとなってしまいます。

つまり、公務員の場合は、送別会は「仕事ではない」ということだ。
では、一般企業では勤務中に送別会の準備をすることはないのだろうか?

金融系企業に勤する男性(32):
送別会は仕事じゃないです。

ーー準備をしたことは?

金融系企業に勤する男性(32):
準備はもちろんありますし、それを社内メールで送るので。

ーー勤務中にですか?

金融系企業に勤する男性(32):
そうだと思いますけど、そんなに時間は気にしたことがなかったです。

会社員の女性(20代)A:
いやぁ、ないかなぁ?

会社員の女性(20代)B:
休憩時間じゃないかな。休憩の時にみんなの情報聞きながらとか。結構帰ってからLINEでやる方が多い気がする。勤務中には・・・できるの?

会社員の女性(20代)A:
できないかも、確かに。

上司の命令なら「業務」だが、自発的に行うと…

山﨑夕貴キャスター:
勤務中に送別会の準備をすることには様々な意見がありますが、とくダネ!が400人にインターネットでアンケートを行ったところ、「あり」と答えた人が251人、「なし」が149人で、「あり」が6割という結果になりました。
年代別に見ると、若い人たちよりも40代以上の人に「あり」の割合が多いこともわかりました。

山﨑夕貴キャスター:
では、スタジオの皆さんはどうですか?一般企業の場合、「勤務中の送別会の準備」は「あり」か「なし」か…全員「あり」の札を上げましたね。

中江有里:
「なし」としてしまったら、息苦しくて大変じゃないですか。

伊藤利尋キャスター:
申し訳ないですけれども、公務員の方々の働き方やメンタリティがわかるメンバーが、ここには1人もいません… (笑)

小倉智昭キャスター:
でも想像するに、公務員の皆さんだって8時間ずっと公務のことだけしか考えていないわけではないでしょう。仕事仲間の送別会くらい…処罰しなくてもいんじゃないかと思うけどね。

山﨑夕貴キャスター:
一般企業とは事情が異なる点もあるでしょうが、古市さんは?

古市憲寿:
これが逆に「なし」だと、就業時間後に1秒でも仕事の電話やメールの対応はできないことになりますよね。でも、そういう場合は「やるべきだ」となる可能性もあると思うんです。
だから、そのあたりを曖昧にしているということは、送別会の準備などもOKにしていかないといけないのではないかなと思いますね。

伊藤利尋キャスター:
いかに効率的に働くかということが課題となっている今、純粋に業務だけに専念するのではなく、こういう職場の仲間のための準備などを織り交ぜた方が、実は仕事の効率もアップするのではないかと…。

山﨑夕貴キャスター:
しかし、一般企業においても「勤務中の送別会の準備」が問題になる場合があります。
労働問題に詳しい勝木萌弁護士によると、「会社や上司からの命令を受けて行う場合は“業務”なので問題はないが、自発的に行う場合は業務ではないので問題になる可能性がある」ということです。

中江有里:
なんだか複雑ですね。

小倉智昭キャスター:
杓子定規な感じがするなぁ…。

山﨑夕貴キャスター:
指示されたわけでもないのに、勤務中にずっとLINEなどでやり取りをしていると問題になるでしょうね。

伊藤利尋キャスター:
なんだか少し悲しいですよね。「自発的だと問題あり」って…。

古市憲寿:
そうですね、自発的に企画してくれた方がうれしいんですけどね(笑)
でもやはり、送別会や打ち上げなどは通常業務を円滑にもしますから、それ自体をなくしてしまうと仕事の効率も悪くなってしまうんじゃないかなと思います。

(「とくダネ!」『NEWSヤマサキ調べました』7月30日放送分より)