“現役”警察官が高齢者から1200万円騙し取る?今後の警察捜査に与える「とてつもない」影響    

カテゴリ:国内

  • 京都府警山科署の38歳現職巡査長が詐欺容疑で逮捕
  • 被害総額は約1200万円 高橋容疑者は「騙したつもりはない」と容疑を否認
  • 詐欺を見抜く3つのポイントを元警視庁刑事が解説

「あなたの口座、狙われていますよ」“詐欺防止替え歌”が皮肉に…

♪ これもサギ、あれもサギ、たぶんサギ、きっとサギ ~

昭和50年代の大ヒット曲、松坂慶子が歌う「愛の水中花」のメロディに乗せて、京都府警が作詞して発表された“特殊詐欺被害防止替え歌”、その名も「サギの流行歌」

その中にある替え歌の歌詞「♪京都府警察です あなたの口座 狙われていますよ 預金が危ない」。

15日、まさにこの歌の手口で詐欺を行った京都府警・山科警察署の巡査長、高橋龍嗣容疑者(38)が逮捕された。

高橋容疑者は去年11月、70代の男性から現金約1200万円をだまし取った疑いがもたれている。

事件の発端は、2018年11月8日、金融機関の職員から伏見警察署に入った知らせだった。

(1)被害男性が金融機関で「680万円」を引き出したいと相談。

(2)特殊詐欺を疑った金融機関の職員は「特殊詐欺の可能性があるのでは…」と京都府警に通報。

(3)近くの交番に勤務していた巡査長の高橋容疑者と、上司の巡査部長が金融機関に駆けつけ、男性の資産状況を聞く。被害男性は「自宅にも500万円ある」と話す。

(4)「盗まれたら危ない」「銀行に預けた方がいい」と話し、高橋容疑者と上司が男性の家まで同行。

(5)高橋容疑者は、上司が離席した隙にお金を預かることを提案。男性は500万円を渡してしまう。

(6)翌週、今度は高橋容疑者は私服で男性宅を訪れ、「前回の680万円も預かりますよ」と話し、男性から680万円を受け取ったという。

(7)実はその前日、高橋容疑者は「男性がどうしても680万円を下ろしたいと言っているので手続きできないか」と金融機関に電話をしていた。金融機関は高橋容疑者の名前や肩書を聞いており、警察に問い合わせて在籍を確認したため、現金の引き出しに応じてしまった。

(8)その後、高橋容疑者は山科署に異動。男性は高橋容疑者との連絡が途絶えたことを不審に思い、警察に相談し事件が発覚した。


現職の警察官という立場を利用した詐欺事件。
この事件は、市民だけでなく、警察や金融機関にも衝撃を与えているという。「直撃LIVEグッディ!」では元警視庁刑事の吉川祐二さんが事件について解説した。

立本信吾フィールドキャスター:
吉川さんは、警察全体に激震が走っているとおっしゃっています。1つは、市民との関係性が崩れてしまうということなんです。

現職の警察官が詐欺…その影響の大きさは?

<警察に激震…(1)市民との関係性>
吉川氏によると「あらゆる警察業務がしづらくなる」という。
中でも、特に影響があるものは…

・だまされたふり作戦…詐欺被害者が警察の指示によってだまされたふりをして、犯人をおびき出して逮捕につなげる作戦

・巡回連絡…犯罪の抑止や災害・事故防止のため警察官が住民宅などを訪問



吉川氏:
「だまされたふり作戦」は検挙率が高くなる作戦なんですが、それが出来なくなってしまうと言ってもいいと思います。

安藤優子:
目の前にいる本物の警察官が騙したんですもんね…

吉川氏:
実際に私も経験したんです。こういう警察官の非行事案があった時、その直後に巡回連絡を行っても、玄関を開けてくれないんですよ。窓越しの対応になってしまう。そうするとつながりが出来にくいんですよね。そういうことにも影響が出てくると思います。

安藤:
京都府警は今まで金融機関とものすごく連携していて、100万円以上引き出す高齢者がいたら通報してくださいねって言っていたわけじゃないですか。今回はそこの部分で起きた犯罪なので、今後は金融機関も警察に協力しづらくなりませんか?

立本:
おっしゃる通りで、吉川さんは金融機関との関係性も根本から崩れてしまうと危惧しています。

<警察に激震…(2)金融機関との関係性>

・金融機関関係者の中には「連携体制が定着してきていたのに、警察を信用して成り立っている大前提が崩れる」と話している人も。

・警察への通報などによる詐欺被害の阻止率は、約5割まであがってきていたが…

・吉川氏は、今回の事件で情報共有システムそのものが揺らぎかねないと警鐘を鳴らしている

「ここがおかしい!」詐欺見抜くポイント

他にも吉川さんは、“警察官詐欺”を見抜く「3つのポイント」があると教えてくれた。

<“警察官詐欺”を見抜く3つのポイント>
(1)「お金を預かる」という提案…警察官がお金を預かることはない。

(2)私服で家を訪ねてくる…地域警察官は私服で職務を行わない。

(3)金融機関への高額引き出し指示…警察官が自ら金融機関に連絡し出金手続きを促すことはない。


吉川氏:
(1)の「お金を預かる」という提案や「パスワードや暗証番号を教えてください」と言うことも絶対にありません。そのような言葉が出た時には、その人が警察官であったとしても「騙そうとしている」と思って結構です。

(2)の「私服で訪ねてくる地域警察官」に関しては絶対にないわけではなく、職務の都合上、夜中などに私服に着替えて行うこともあります。ただ、このような詐欺に関して、私服の警察官が家を訪ねるというのはあり得ないことです。

高橋克実:
(被害男性が言った)「自宅に500万円ある」というのも、わざわざ言わなくてもいいことだけど、相手が警察官だと…さらに親身になってくれたら、この人に預けた方がいいのかなって、そういう気持ちになるのも分かりますよ。

安藤:
「私が預かります」という言葉も、警察官が善意で良かれと思って言ってくれたと解釈しますよね。吉川さん、そう考えると、今回の事件はものすごく大きな影響となりそうですね。

吉川氏:
大きいと思います。警察組織に対する影響も大きいですし、金融機関などに対しても。あらゆる広い範囲で影響が出てくると思います。今後そういうことに対して、警察と金融機関、高齢の方などと話し合いを持つのが必要かもしれません、せっかくいいシステムを作ったんですから、それを生かす方向に持って行った方がいいと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」6月17日放送分より)