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高齢者による“ブレーキとアクセルの踏み間違い”事故…原因は若い頃よりも硬くなった「あるもの」?

カテゴリ:国内

  • 高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が全国各地で相次いで発生
  • “踏み間違い”は若いときよりも硬くなった「あるもの」のせい?
  • “踏み間違い”を防ぐために大切なこととは…

なぜ多発?高齢ドライバーによる事故

15日午前10時半ごろ、千葉県市原市の公園で保育園児ら5人が砂場で遊んでいたところに車が突っ込み、園児をかばった30代の保育士が右足首の骨を折る重傷を負う事故が発生。

車を運転していた男性はアクセルとブレーキを踏み間違えたのか、公園の向かいのコインパーキングから出る際、チケットを取ろうとしたところ急発進したと供述している。

高齢者の急発進による事故はこれまでも全国各地で相次いで発生。
2016年、錦糸町駅前で信号待ちをしていたタクシーの車内カメラには、目の前に車が突然飛び出し、反対側のビルに突っ込んでいく様子が映っていた。
運転していた80代の男性は、地下駐車場を出る際「ブレーキとアクセルを踏み間違え、焦って気が動転した」という。

他にも、神奈川・湯河原町では71歳の男性が運転する車がコンビニに突っ込み、店内にいた男女3人が負傷。
また、栃木・下野市の病院の敷地内でも、84歳の男性が運転する車が歩道に突っ込み、車いすの女性が亡くなる事故が発生した。

これらの事故すべてに共通していたのは、高齢者が運転していたこと、そしてアクセルとブレーキの“踏み間違い”により起こった事故だということだ。
 
なぜ、高齢者は“踏み間違い”をしてしまうのか?
「直撃LIVEグッディ!」では、その原因について、元千葉県警交通事故捜査官で交通事故鑑定人の熊谷宗徳さんが解説した。

倉田大誠アナウンサー:
ペダルの踏み間違いによる事故は、高齢の方が特別に多いというわけではありません。グラフを見ると、20代の方も多いんです

倉田大誠アナウンサー:
しかし、死亡事故の分布を示す赤色のグラフは、60代を超えると一気に多くなるんです。これは、高齢者が踏み間違いに気付くのが遅いことが要因として考えられます

立本信吾フィールドキャスター:
中には、事故が起きてしまった後に初めて「踏み間違えていたんだ」と自覚する人もいらっしゃるそうです

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
若い方は、ブレーキと間違えてアクセルを踏んでスピードが出てしまっても「あ、これ違う」とすぐに気づいて、それを修正できる反射神経がまだあります。しかし高齢の方はそれが鈍ってしまい、ブレーキを踏んでいるつもりなのにスピードが出てしまった時に、間違いに気付けず「え?」と思っている間にもどんどん車が進んでしまう。そしてパニックになり、事故につながるということです

安藤優子:
間違いに気付けないということは、「ブレーキを踏んでいるのに止まらないから、もっと踏まなきゃ」と思って、さらにスピードが出てしまう可能性も考えられますね

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
そうしてアクセルを踏み込んでさらにパニックになると、もう何かにぶつかるまで止まらないという事故になってしまうんです

立本信吾フィールドキャスター:
そもそも、なぜ高齢者の“踏み間違い”は多いのか?福山大学工学部・関根康史准教授にお話を伺いました

危険な踏み間違いは“体のずれ”で起きる?

<踏み間違いは“ひねり動作”時に起こる!>
・駐停車時や合流などで行う後方確認時
・料金所や精算機に窓から手を伸ばす時など



立本信吾フィールドキャスター:
なぜ“ひねり動作”を行う時に踏み間違いが起きやすいのか?そのしくみがこちらです

立本信吾フィールドキャスター:
上半身をひねった時、若い方は足が身体についていくことなく、ブレーキペダルに残ったままになります。しかし、もちろん個人差はありますが、高齢者の方は上半身を右に曲げると、足も一緒に右方向へ移動してしまう傾向があるんです。これは若い方に比べ、股関節が硬くなるから起こるんだそうです。
さらに足元の感覚が鈍くなることで、頭の中ではブレーキペダルだと思っているのに、実際にはアクセルペダルだった…という事が起きうるということなんです

倉田大誠アナウンサー:
オートマだとブレーキから足が離れた段階で、クリープ現象で車が進んでしまいますもんね。そこで「ああ、まずいまずい」と思って踏んだ先がアクセルペダルだった、となると危険ですね

安藤優子:
先日、公園の砂場に車が突っ込んだ事故で車を運転していた男性は「駐車場のチケットを探していた」と話していましたが、その時にこれと同じ事が起きたと考えられるでしょうか

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
そうですね。ドライビングポーズから身体がずれ、さらに手元の方に集中してしまう。その2つの動作でアクセルペダルに足が移動してしまった可能性も考えられますね

安藤優子:
じゃあどうしたらいいのかと言ったら、完全に止まるべきですよね

立本信吾フィールドキャスター:
完全に止まる、それは間違いありません。他にも関根教授は、“踏み間違い”を防ぐためには基本が大事だと話しています

“踏み間違い”防ぐためには…

<“踏み間違い”を防ぐには>
・股を閉じ、内股になるよう意識し、足先が進行方向を向くように座る
・体の中心に右足が寄るように、しっかりと座る
・椅子に深く座り背筋を伸ばす、肘に余裕をもたせる、膝に余裕をもたせるなど、正しい乗車姿勢を再確認する



立本信吾フィールドキャスター:
特に膝に余裕をもたせるというのが一番大事なんじゃないかと思います。私のイメージなんですが、高齢者の方は足を結構伸ばし気味に座っている方が多い印象があるんですが、熊谷さんどうでしょうか?

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
膝を伸ばし気味に座っていらっしゃる方もいますし、やたらと近づいて座っている方もいらっしゃいますね。ですが、どちらの姿勢も余裕のもてないポーズなんです。何かあった時にすぐに対応できるのが肘・膝に余裕をもたせるポーズなので、ここが一番大事なところだと思います。
また、ガニ股に座ると自然と足先が開いてしまいますので、それを予防するためにも若干内股を意識することも大切だと思います

安藤優子:
なるほど。高齢になると、視界を確保するために座席を上げ気味にするイメージもあるんですが、そうすると自分の膝とハンドルの位置って狭くなりがちですよね

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
そうですね。前のめりの姿勢になってしまうと何かあった時にとっさの行動がとれませんし、膝がハンドルとあまりにも近すぎると、足の動きも自由になりません

安藤優子:
座席の位置も大事だということですね

熊谷宗徳氏(交通事故鑑定人):
小さい事故、小さい接触を起こすようになったら、本当に(免許返納を)考えた方が良いと思います。ちょっとした運転ミスによってどこかにぶつける、その小さなミスが大きな事故につながると思うので、そういうことが起き始めたら、家族の方も注意してあげた方がいいと思います


(「直撃LIVE グッディ!」5月17日放送分より)