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高額新薬の登場で問われる日本の医療制度の在り方

カテゴリ:暮らし

  • 白血病新薬「キムリア」 を3349万円で了承
  • 医療保険適用で、70歳未満年収370~770万円の患者は自己負担40万円ほど
  • 財政への懸念から医療保険制度の見直しを議論するタイミングに

最先端のがん免疫療法による、白血病治療の新薬「キムリア」。

白血病治療の新薬「キムリア」

アメリカでの価格が約5000万円という、「超高額」なこの新薬の国内価格を、約3349万円とすることがきのう厚生労働省の諮問機関で了承された。
「キムリア」は、従来の治療が効かなかった一部の白血病患者を対象とした薬で、1回の投与で効果が期待できるという。 

治験では、呼吸困難などの副作用が見られた一方で、およそ8 割の患者に効果があったという。  

治験に参加した女性は… 

「キムリア」の治験に参加した中畠由美子さん

悪性リンパ腫を患い、3年前に「キムリア」の治験に参加した中畠由美子さん
骨髄移植では生存率が2割って言われたんです。私には効いてくれて普通の生活を取り戻させてくれました。普通に働いて給料をもらって普通に生活ができる。薬が承認されると選択肢が増えるじゃないですか。そういう意味でかなりよかったと思います。  

中畠由美子さん

医療財政への懸念

1回当たりの薬の価格としては、国内最高額となる「キムリア」。 
今月22日から、公的医療保険の適用対象となるため、患者の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」が使える。  

70歳未満で年収がおよそ370万円から770万円の患者の場合、自己負担は40万円ほど。 
残りのおよそ3300万円は保険でまかなわれるため、財政への影響が懸念されている。

高額療養費制度

「キムリア」に公的医療保険の適用が決まったことをうけ、健康保険組合連合会は、「革新的で高額な新薬の保険適用は今後も続くと見通されており、このような新薬を保険適用しながら国民皆保険制度を維持していくのは、医薬品の保険給付範囲のあり方を根本的に見直す時期に来ているのではないか」と話す。 

健康保険組合連合会

一方、厚労省は、投与が見込まれる患者数が、ピーク時で年間 216人と多くはないため、費用負担の影響は限定的としている。

制度の見直しを議論するタイミングに…

森田章氏

経営コンサルタントの森田章氏
新薬を生む研究開発コストは増大していて、研究開発からスタートして販売に至る新薬はわずか3万分の1と言われている。
こうした中、今後財政の膨らみにブレーキをかけようと薬価を過度に引き下げる動きが出てくると、研究開発コストが負担できなくなり、新薬が生まれなくなる。
また、医療保険財政が破綻しそうになれば国民負担が増えてくるというジレンマがある。  

三田友梨佳キャスター
どうゆう対応が必要になるのか?

森田章氏
フランスだと抗がん剤のような高額医薬品に対しては国民の自己負担がない。
一方で、全額自己負担の薬もあり、メリハリがついている。日本も制度の見直しを議論するタイミングに来ているのかなと思う。 

「Live News α」5月15 日放送分)