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人口減少に高齢化…5人の専門家が読み解く『令和時代』の課題と対策

カテゴリ:ビジネス

  • 番組コメンテーター5人が令和時代の課題と対策を提唱
  • 人生100年時代の「健康」、人口減・高齢化の「街作り」
  • 深刻化する人手不足を解消する新たな「働き方」

「令和」の時代が幕を開けた。
 Live News αでは「令和]という新しい時代をどうみるのか? それぞれの分野の専門家に新時代を先読みしてもらい、課題と対策を聞いた。 

キーワードは「人生100年時代の健康」

ボストンコンサルティンググループ パートナー・ 森田章氏:
人生100年時代の令和が持続的に成長していくために最重要なキーワードは『健康』です。すでに医療財政が逼迫していたり、介護のコストが増大している中で、このままでは日本が立ち行かなくなると思います。そんな中で健康寿命の延伸、特に医療や介護の世話にならずに自立した生活を続けていかれるような新たな仕組みが求められているんですね。

森田章氏

三田友梨佳キャスター :
人生100年時代を健康に過ごすためにはどのようなアプローチが考えられますか?

森田章氏:
普段から健康管理を心がけて、生活習慣病にかからないようにして病気の発症リスクを下げていく必要があります。それによって国の医療費も下がっていくと。
あわせて、食事や睡眠などの生活習慣と病気のリスクの関係を明確にすることが非常に重要になってきます。個人が自分の状況をデータ入力するとオススメの健康アドバイスが受けられる仕組み作りが必要になると思います。日本は少子高齢化という観点では課題先進国なので、今後他の国も高齢化していく中で、仕組みを先んじて構築できたら強いリーダーシップが発揮できると思いますね。

データを活用して健康へのリスクを見える化

『拡充』や『縮減』ではなく『縮充』の時代に

街づくりが専門のコミュニティデザイナー・ 山崎亮氏:
「令和は『縮充』の時代になればいいと思っています。聞き慣れない言葉だと思いますが、ファッションの素材ではよく使われる言葉で、例えばウールをアルカリ水に漬けて揉むと縮小しながら充実した素材になるため『縮充ウール』と呼ばれているんですね。フェルト状の結構保温性が高い素材で、日本のそれぞれの街も縮充になっていくと思います。

山崎亮氏

街づくりが専門のコミュニティデザイナー・ 山崎亮氏:
街作りの観点からは、拡充していくとか縮減していくというイメージではなくて、人口は減るんだけれども、自分たちの街のことは自分たちでやるといった気概を持って生きていく時代になればいいなと思っています。

三田友梨佳キャスター:
「縮充」の考えを広めるには何が必要ですか?

山崎亮氏:
行政や専門家がすべてをやってあげるのではなくて、住民が少しでも関わるような参加の機会をたくさん作っていくこと。きっかけをたくさん増やしていけば主体的に生きる市民を増やしていくことになると思います。

高齢化・過疎化対策に『デジタル共助』

デロイトトーマツグループCSO・ 松江英夫氏:
キーワードは『デジタル共助』。日本はこれから高齢化とか過疎化が進みます。これは行政も個人も全体で考えないと解決できません。そのため共助が非常に大切になるんですね。かつ、デジタル技術が進むからデジタル技術を使って共助の力をいかに高めるかが大事になると思います。

松江英夫氏

デロイトトーマツグループCSO・ 松江英夫氏:
具体的には、兵庫県の加古川市が面白い取り組みをやっています。小学生や高齢者にタグをつけて、設置したカメラでデータを吸い上げ保護者などに還元するプラットフォームを作っているんですね。これは『見守りのサービス』といって官民と住民で一体となって加古川市が考えた仕組みなんですが、今後一般化していくんじゃないかと思っています。

兵庫県加古川市の『見守りのサービス』

内田嶺衣奈キャスター:
これが一般化すると地域のあり方にも影響を及ぼしそうですね?

松江英夫氏:
そうですね。安全という新しい地域の価値がデジタル共助とつながることによって高まると思っています。

課題解決法は「足し算」から「引き算」へ

萱野稔人教授

津田塾大学・萱野稔人教授:
2040年(令和22年) の人口ピラミッドを見ると、今の現役世代で一番人口の多い団塊ジュニア世代(現在40代半ばぐらい)が大量退職するんですね。そうなると働く人の数がぐっと減り納税者も減る。さらにこの人口の塊が一気に高齢者の仲間入りをすることで様々な問題が出てきます。

2040年(令和22年)の人口ピラミッド

萱野稔人教授:
この課題を解決するには、考え方を『足し算』から『引き算』に変更することが必要です。
人手不足になることは明白に予想されるので、それでも社会が維持される仕組みを作る必要があります。これまでは人口増や経済成長を当てにして『足し算』によって新しインフラや組織を作って課題解決をしてきましたが、今後は本当に必要なものは何なのかを取捨選択することで『引き算』による課題解決が必要になってくるんですね。

『ボーダーレス組織』の活用

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
令和時代の課題は、継続的に人手不足になることです。
15歳から64歳の生産年齢人口と呼ばれる人たちは2020年から2040年の20年間で約20%減ると言われています。これまで正社員ありきで会社が採用して組織を維持してきましたが、これは難しくなってきます。

キャスター取締役COO・石倉秀明氏

キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
そのアプローチとして今後出てくるのは『ボーダーレス組織』と我々はよく言っているんですが、従来の組織だとフルタイムで働く社員がベースになるので、仕事内容や待遇に境界や違いがありました。『ボーダーレス組織』だと働く場所だったり、時間だったり、社員、フリーランス関係なく様々な働き方をする人たちが一つのチームになって最適な仕事をするようになるんですね。

三田友梨佳キャスター:
『ボーダーレス組織』は企業にとってどのようなメリットがあると思いますか?

石倉秀明氏:
まず一つは、人を採用しやすくなります。最適な仕事を最適な人がやれるようになるので生産性が上がるとか、働き方を選べるのでモチベーションが上がることも考えられますね。

(「Live News α」5月1日~7日放送分)